ソルフェージュで体得できる音楽の基礎能力
楽譜を書くことの重要性
楽譜を読めるようになる為に必要な2つの要素
さて音符を覚えたからといって楽譜が読めるようになるわけではありません。
文字を勉強した時と同じで、文字の読み方、そして書き方を覚えて、日常会話で使っているうちに身に付いていきます。
楽譜を読めるようになるには音楽を構成するのに必要な2つの重要な要素があります。
一つ目は「音高」、そしてもう一つは「リズム」です。
音高とは?
音符には音の高さがあり、同じ「ド」でも高い「ド」があったり低い「ド」があったりしますね。
幼稚園の歌の時間や、学校で習うリコーダー、そしてカラオケで歌う曲にも高低差があります。
ちなみにカラオケ音痴でお悩みの方も、このソルフェージュを行うことで矯正する事ができますよ。
音楽に限らず、音高は私達が普段話している会話にも存在しているんですよ?
例えば「え~~!」と本気で驚く時、「ぇぇええ!」と上がって行きます。
では「へー」はどうでしょう。
かなりどうでもいい時は、ほぼ一直線ですよね。
ではかなり関心した時の「へー」はどうでしょう?
「へぇぇえ」と上がったり
「へえぇぇ」下がったりしますよね。
この時だいたい3度~5度上下します。 (度とは音の高低差の表し方)
ソルフェージュで音高を意識してトレーニングすることで、同時に出す音符、次に出す音符の距離を、目で判断し、脳内で奏でると同時に、実際の楽器を演奏することができるようになります。
音大・芸大へ進学を希望している受験生には必須です。
まずは自分の弱点をしっかりと理解し、正しくトレーニングしていく事がとっても重要です。
リズムとは?
音符ひとつひとつにはリズムがついています。リズムを持った音符が集まり、音楽が形成されています。
短く鳴らしたり伸ばしたり連続で鳴らしたり、これらは全てリズムです。
黒や白、ヒゲがついているおたまじゃくしが譜面にいますよね。
あのおたまじゃくしが高さとリズムを表しています。
幼稚園、小学校の時、カスタネットでやりましたよね。
「うんたん!うんたん! 」
まさにあれです。
おっと、この基礎をバカにしてはいけません。
未だにリズム感がない、テンポがとれない方は、これすら正確にできないはずですよ。
読譜、楽譜をスラスラ読むために
音符と休符を理解して、音高とリズムが身につくと、いよいよ楽譜を読む力がついてきています。
ただの記号の羅列だった楽譜が、徐々に音楽として意味を持つようになってきました!
今までは時間をかけて読んでいた楽譜が、初見やそれに近い状態でスラスラ読めるようになります。
学校の音楽の先生が、初めて見る譜面をサラリと弾いていく、あれですね。
見ただけで音楽が理解できるようになるという事は、楽譜を読む作業が減るということなので、その結果、楽器演奏に集中する余裕がでてくるということです。
読譜と楽器の運指を同時に覚える練習と併せれば、
今まで楽譜を見て、じっくり高低差を数え、指に伝えて音を出していた工程が、楽譜を見てすぐ音に出せる、という具合に変化していきます。
tokyo-clarinet-school.com
複雑な処理をしながら、実にシンプルに結果を出せるようになってくるのです。
記号の情報を見て、音を感じて、指を反応させて音に変換する。
音楽は言語能力に良い影響を与える事が科学的に判明していますが、こんな処理を脳内で瞬時にやってのけ、同時に複数の指を複雑に動かすわけですから、子供の教育になぜ音楽が効果的かということにも、なるほど納得ですね。
簡単な曲の写譜などで、楽譜を書いてみる
楽譜が読む力がつくと同時に、次は楽譜を書く練習です。
自分の好きな曲の楽譜を見ながら、五線譜に写していきましょう。
ここで重要なポイントは
- 正確に書き写すこと
- そして誰にでも読めるように書く
ということが大切です。
何曲も書き写していくと、楽譜への理解が深まります。
そして同時に、初見で曲の構成を把握する力や、一度頭に楽譜を移す「暗記力」が養えます。
楽譜を読む、楽譜を書く、ここまでお話した簡単な基礎ソルフェージュだけでも、かなりの音楽的な知識を身に付ける事ができます。