ソルフェージュで体得できる音楽の基礎能力
リズム感、テンポ感の体得
リズムは慣れ!リズムパターンには限りがある
「リズム」と聞くと、複雑なものを思い浮かべるかもしれませんが、音符が2つ以上、もしくは音符と休符が2つ以上並んでいれば、そこにはもう「リズム」が存在します。
そして、意外に感じるかもしれませんが、リズムのパターンというのは、実はあまり種類が多くありません。
いつも引っかかってしまうリズム
始めのうちは2通りのリズムに遭遇します。
- 簡単に理解できるリズム
- いつも引っかかってしまうリズム
人はさまざまな場面で音楽と触れ合っていますから、過去に歌った事のある、聴いた事があるリズムに対して違和感を感じる事なく理解できる事があります。
一方で、なぜかいつも引っかかってしまうリズムが存在します。
この毎回引っかかってしまうリズム、これこそが自分の「苦手なリズム」です。
練習するたびにしっかり意識して、この「苦手なリズム」に向き合う事がリズム感をつけるためにとても重要です。
聴いたリズムを頭の中で楽譜化
次に聴いた音楽(リズム)を頭の中で楽譜にする訓練をしてみましょう。
もちろん、実際に楽譜に書いてみてもいいです。
ここで、楽譜化に時間がかかるものや、どう楽譜にしたらいいのかわからないものが、先程も出てきた「苦手なリズム」です。
自分が苦手としているリズムの中に、当てはまるものがないか頭の中で照らしてみて、どうにか楽譜に起こしてみましょう。
同じ作業を繰り返していると、「このパターンはこのリズムだな」と、自然に考えられるようになってきます。
そこまで来たらあと一息!
体に馴染むまで何度も書けば、「苦手なリズム」もいつのまにか「簡単に理解できるリズム」へと仲間入りしているはずですよ。
一定の速さでテンポを刻めることが重要
音楽の速さを、テンポと言います。
日本ではここ20年でBPM(ビート・パー・ミニット)という名前も普及してきましたね。
曲の中で、部分的に速くなったり遅くなったり、作曲家の意図でテンポが変わることはありますが、一般的には一定の速さで進む曲がほとんどですので、テンポをキープすることはとても大事です。
テンポキープの基礎練習方法その1
時計の秒針に合わせて手を叩いてみましょう。
- 徐々に速くなっているなぁ……
- 段々遅くなっていっているなぁ……
なかなか同じ速さで手を叩き続けるのは難しいと思います。
ここで感じたズレが「自分の持っているテンポの癖」です。
「速くなったり遅くなったりする」という人はあまりおらず、大抵はどちらかの傾向があります。
大切なのは自分の癖を理解すること。
速くなりやすければ落ち着いて、遅くなってしまう場合は思っているよりも速めに刻むようにすればいいのです。
楽器を演奏する上で、とても大事なテンポキープ。
自分の傾向を冷静に分析して、なるべく一定の速さでテンポを刻めるように訓練をしていきましょう。
テンポキープの基礎練習方法その2
なぜ時計の針でかというと、実際の音楽に合わせると、さまざまな音が混じっていることもあり、テンポがとれていないのに、とれているように聞こえてしまう事があります。
ですから、針の音と手拍子の音、この2つだけで叩く必要がありました。
ある程度正確なテンポがキープできるようになってきたら、いよいよ実際の音楽に合わせて叩いてみましょう。
世の中には、さまざま音楽が溢れていますね。
テレビをつければBGMが、CMにはCMソング。
ゲームも音楽が流れているし、もちろん大好きなアーティストの曲を聴くこともあるでしょう。
何気なく聞き流しているこれらの音楽にも、当然「テンポ」が存在します。
曲を構成する要素に「拍子」というのがあります。
これは「この曲は何分の何拍子。どこが1拍目で…」と、やや複雑な話になるのですが、テンポというのは拍子がわからなくても、刻むことができます。
速い曲なのか、遅い曲なのか。
どれくらいの速さで、どれくらいの遅さの曲なのか。
音楽に合わせて、手を叩いてみましょう。
始めのうちは何が正解かわからないと思います。
それでも構いません、気づいた時には手を叩いて、テンポを掴む練習です。
繰り返し行っていると、自然に正しいテンポを刻むことができるようになります。
演奏会で「なんかこの手拍子ずれてない…?」と思えたり、指揮者役がいるCMを見て「このタレントの指揮、少し変だなぁ」と思えたら、正しいテンポを掴むことができるようになったと言えるでしょう。