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時間がある時に基礎力アップ!

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楽譜を見ながら座って演奏する生徒

新年度が始まりましたね。

とは言え、今はいろいろなことに制限があり、年齢問わず演奏会がなくなってしまった生徒さん達も多いですし、通常の部活もできなかったり、「今まではカラオケで練習してたのに、出かけられない…」という話も、生徒さんからお聞きしました。

外出自体も思うようにできない今、どうしても落ち込んだ気分になってしまいやすいですが、「普段できない練習ができる」と前向きに捉え、のびのびと楽器が吹ける状況になった時に「あの人、基礎力が上がってる!」と思ってもらえるような練習を、今だからこそやってみましょう。

何をするにもやはり「基礎力」

吹奏楽にせよオーケストラにせよ、特に部活で吹いている方達は、いつもはゆっくりと個人練習・基礎練習をする時間がないと思います。
たまにできても、惰性でやっていないでしょうか。

しかし、やはり基礎力がなければ、合奏の曲でどうしてもクリアできない箇所が出てきてしまったり、部分練習に時間を取られたりしてしまいますので、合奏ができない今を有意義に過ごせると、今後が大きく変わっていきます。

どんな練習をするといいのか、今回はお手元に楽器があって、音を出すことが可能な方の練習方法を考えていきましょう。

ロングトーン

やはり基礎練習といえば、ロングトーンは外せません。
まだ文字が書けなかった頃、まず鉛筆の持ち方を練習し、1つ1つの文字をゆっくり丁寧に書くことから始めて、すらすらと書けるようになるまで繰り返し練習しましたよね。

楽器を吹く上で、ロングトーンをすることは、それと同じことです。

ロングトーンには「タンギングする」「指を回す」ということ以外、クラリネットを吹く全ての要素が含まれていると言っていいでしょう。

常にチューナーを繋いで、びくびくと音程を気にしながら吹いたり、「きれいな音が出したい」とマウスピースやリガチャー、リードなどをあれこれ変えるよりも、考えられること全てに気を回してロングトーンをする方が、余程良い音程・良い音が手に入ります。

ざっと挙げただけでも、楽器を吹くには、これだけのことを同時にやらねばなりません。
かなり多いですよね。

曲を吹くとなると、ここにプラスして、楽譜を読み取り、指を回し、音楽的に吹くことが必要ですので、それらがないロングトーンの時に、ここに列挙したことが当たり前にできるようにしておいた方がいいことは、考えるまでもないことですね。

初見力を上げるためにも、必ず運指表などで自分が吹いている音(楽譜)を見ながら、テンポに合わせるためにメトロノームをかけ、全ての音の運指を覚えるために、半音階で吹くことが大切です。

丁寧なロングトーンで、どこでも応用の利く、広い意味での「良い音」を手に入れましょう。

楽譜を見ながら座って演奏する生徒

タンギング

クラリネットにおいて、タンギングは相当難しいテクニックです。

もちろん、「練習しなくても四分音符160のテンポで十六分音符が刻める」なんて方もいらっしゃいますが、苦手に感じている人の方が圧倒的に多いと思います。

クラリネットは、金管楽器やフルートと違って、リードに直接触れて音を切らなければいけないのが、一番難しい点でしょう。
しかもリードが小さいので、舌が触れていた量や舌を離すスピードが、思いきり音に出てしまうのが、また難しいところ。

舌をリードにつける量を最小限にすることと、なるべく素早くリードから舌を離すことに重点を置いて、練習することが必要です。

まず大前提として、ロングトーンと同じ息を入れましょう。
(ということは、やはりロングトーンをしっかりやっておかねば、次の段階に進めないのです)

そして、リードにつける舌の量。
タンギングはよく「トゥ・トゥ・トゥ」と表現されますが、「トゥ」だとリードに触れる舌の面積が広くなり、動きも悪くなりますので、「タ・タ・タ」にして下さい。

実際に声に出してみるとわかりやすいですが、「タ・タ・タ」の方が速く動かすことができ、雑音も少なくなります。

舌をつくイメージが掴めたら、ロングトーンのまっすぐした、太い息を意識しながら、ゆっくり「ターターター」とテヌートで吹いてみましょう。
その時に、舌の動きとリードにつける面積はなるべく小さく、かつパッと舌を引くようにします。

熱いものにうっかり触れてしまった時に、「あちっ!」と手を引っ込めますよね。
そんなイメージで、リードに触るか触らないかのところで、舌をサッと引いて下さい。

勘違いしている方が意外に多いのですが、タンギングは「リードに舌をつけること」ではなく、「リードから舌を離すこと」です。

ですので、舌を引くスピードに気をつけて練習しましょう。

タンギングに関しては、大は小を兼ねないので、この動きができないと、もっと短い音を吹いたり、速いタンギングをすることはできません。

「音を切る」ことよりも「舌を最小限動かして、最小限リードに触れ、最小限の動きで素早く引く」に重点を置いて、慌てず、丁寧に練習しましょう。

音階練習(スケール)

スケールの楽譜

私は大学時代、「スケールさえやってれば、曲の練習なんかしなくていいんだよ」と恩師から言われました。

「先生はなんでも吹けるから、そんなこと言うんじゃん!」と思っていましたが、今となって思えば、これは本当におっしゃる通りです。

音階練習(スケール)と言っても、別に「ドレミファソラシド」と吹くだけではありません。

「ドミソド・ミソドミ」と進んでいく分散和音(アルペジオ)だったり、「ドミ・レファ・ミソ・ファラ」と進んでいく三度の練習だったり、様々な練習パターンがあります。

いわゆる「曲」には、これらの組み合わせが多く使われていますので、普段からいろんな調でスケールを吹いておけば、曲の時に意識せずとも応用ができ、先程の恩師の言葉に繋がるわけです。

音階練習をする時は、パラパラとなんとなく吹くのではなく、十六分音符で吹くのであれば、八分音符40くらいからメトロノームを鳴らして、ゆっくり始めましょう。

その際は、

など、これもまた多くのことに気を回して吹くことが大切です。

ゆっくりのテンポでできてきたら、徐々にテンポを上げていけると、速い曲にも対応できるようになっていきますね。

テンポを上げるのとともに、どうしても転んでしまう部分が出てきてしまった場合は、そこだけ取り出して、繰り返し練習してみたり、全体を付点の2パターンで吹いてみたりしましょう。

音階の本は多数出ていますが、一番のおすすめは、国立音楽大学出版、ロルフ・アイヒラー著『Scales for Clarinet』です。

全調同じ難易度で書いてあること(当たり前のようで、意外と少ないんです)、かなり広い音域をカバーしていること、最低限できていると良いと思われる練習パターンを7パターン載せていること、など、おすすめする理由はいろいろありますが、価格が1000円+税、というのも、魅力だと思います。

また、もしもう一歩二歩進んだスケールの本が欲しい、ということであれば、海外からの取り寄せになってしまいますが、Béla Kovács(ハンガリー表記だとKovács Béla)の書いた『EVERYDAY SCALE EXERCISES』(Mindennapos skálagyakorlatok)がおすすめです。

ただ、この本に関しては、全調が確実に吹けることを前提に書かれており、「♯も♭も4つが限界かな」など、吹ける調に制限がある場合は、この本の本来の使い方ができませんので、「何調でも、どんと来い!」という方向けです。

三本柱をしっかり押さえよう

楽譜を見ながら座って演奏する生徒

クラリネットを吹くにあたり、重要な基礎練習は、今回挙げた「ロングトーン」「タンギング」「音階練習(スケール)」です。

ロングトーンの項で『ロングトーンには「タンギングする」「指を回す」ということ以外、クラリネットを吹く全ての要素が含まれている』と書いてあったことを覚えていますか?

ロングトーンに含まれていない練習が「タンギング」「音階練習」で、フォローされる、ということですね。

「他にもいろんな練習があるじゃん!」と思われるかもしれませんが、どの練習もこの3つを柱に、そこから派生した練習のはずです。

ベースとしては、この3つを押さえればいいだけなのですが、裏を返せば「この3つが全てできなければ、きちんと吹くことは難しい」ということになります。

今は、急に部活がなくなったり、楽団の練習が中止になってしまい、手元に曲の楽譜がなくて何をしたらいいか…と、呆然としている方も多いと思いますが、「これは基礎を固めるチャンスだ!」と前向きに考えて、三本柱を強固なものにしていきましょう。

数か月後、大きな差となって表れますよ。

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