東京クラリネット教室
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クラリネットの正しい組み立て方

ケースに収められたクラリネット

クラリネットの組み立て方、正しく理解していますか?

クラリネットは構造上、間違った組み立て方をしてしまうと、音がきちんと鳴らなかったり、下手をすると大切な楽器を壊してしまうこともあります。

今回は『クラリネットの組み立て』について、順を追って確認していきます。

すっかり組み立てに慣れているプレイヤーの方も、初心に戻って基礎を見直してみると、意外と「ついうっかり…」が見つかるかもしれませんので、この機会に再確認してみて下さいね。

必要に応じてコルクグリスを塗ろう

まずは各ジョイント部分(楽器のつなぎ目)のコルクを確認しましょう。

練習に夢中で気がつかなかったけれど、そういえば最近コルクが硬い……組み立てが大変になったな……と思ったことはありませんか?

コルクが「かさかさしている」と、抜き差しが大変ですし、さらにその大変さに慣れてしまうと、無理に組み立てる習慣がついてしまい、楽器にとっても良くありません。

新しい楽器であればほぼ毎回、そうでなくても、コルクを手で触ってみて、さらっとしているようであれば、組み立てる前にまずはコルクグリスを塗りましょう。

硬いコルクで組み立てると、演奏前から手も疲れちゃいますからね。

また、グリスを塗ることは、ジョイント部の密着度を上げて、息を下まで漏れなく流す、という役割もありますので、「面倒だからいいかー」は良くありませんよ。

グリスを塗って準備ができたら、隙間のないよう組み立てていきます。

クラリネット組み立ての順番を知ろう

クラリネットは、5つのパーツに分かれています。

「どこから組み立てないといけない」という決まりはないのですが、下(ベル側)から組み立てた方が楽器が安定してやりやすいので、ここでは下からの組み立て方をご説明していきます。

下管にベルを取りつける

ベルを取り付け組み立てられていくクラリネット

このパーツを組み立てるに当たっては、そこまで神経質になる必要はありません。
下管のキーを握らないようにだけ気をつけて、ぐっと差し込めばいいだけです。

その際、下管とベルにあるロゴマークを揃えましょう。

軽く回しながら入れるのがいいですが、もしそれが難しければ、少しだけ下管をベルに差し込んだあと、ベルの先をお腹に当てて「えいっ!」と入れてしまっても大丈夫です。

ただ、位置の微調整のために回す時などに、下管の下の方にある長い棒のように見える部分に親指をかけたりしてしまうと、てこの原理であっさり曲がってしまうこともありますので、その点だけは気をつけましょう。

上管と下管を組み立てる時の注意点

上管のキーを押さえながら組み立てられていくクラリネット

この部分をつなげる時は、クラリネットの組み立ての中で、もっとも気を遣わなくてはなりません

上管を正面から見て左に

クラリネットの組み立てで気をつける上で重要な部分

このようなパーツがあります。

こちらのパーツは、下管とつながる部分なのですが、裏にコルク(もしくは同等のもの)が貼ってあります。

このコルクが薄くなったり、はがれてしまうと、下管とのキーの連動が悪くなり、音がうまく鳴らなくなってしまいますので、そうならないように気をつけて組み立てます。

いつ、どのように気をつけるかというと、

など、上管と下管のジョイント部分を動かす時には、必ず赤丸のリングキーを押さえましょう

クラリネットの上管部分に注意しながら組み立てる

このリングキーを押さえることによって、

クラリネットを組み立てる時に動かさなければならないパーツ

上管のパーツが持ち上がっているのがわかりますか?

この、「持ち上げること」が大切です。

持ち上げられたパーツと合わせるのが、下管のこの部分。

クラリネットを組み立てる時に気をつけなければいけない部品

こちらと重ねるように組み立てるのですが、この下管のパーツには厚みがあるので、上管のパーツを持ち上げずに組み立ててしまうと、お互いがぶつかり合ってコルクがはがれる原因になってしまいます。

『必ず』赤丸のリングキーを押さえて組み立てるようにして下さい。

なお、下管の

クラリネットの組み立てで重要になるポイント

この部分を押さえてしまうと、先程のパーツが持ち上がってしまい、せっかく上管のリングを押してパーツを持ち上げても、両方が持ち上がっている状態となり、結局ぶつかってしまうことになります。

絶対にこの部分を持って組み立てることのないようにしましょう。

上管と下管を注意しながら連結する

注意点がわかったところで、上管と下管を連結していきます。

その際、上管の赤線部分と、

クラリネットの組み立てで気をつける上で重要な部分

下管の赤線部分を、

クラリネットを組み立てる時に気をつけなければいけない部品

まっすぐ一直線に揃える必要があります。

このように組み立てられていれば完璧です。

隙間なく組み立てられたクラリネット

この部分が、ほんの0.0何㎜でもずれると、連結がうまくいかず、ふとした瞬間にきちんと音が鳴らなかったり、「なんか下管(もしくは上管)が鳴りにくいなぁ」ということが起きます。

ぴしっとまっすぐになるよう、気をつけて組み立てましょう。

この連結は、一度入れたあとに微調整するのはなかなか難しい箇所なので、できれば組み立ての時点で揃えられるといいですね。

もし微調整する場合は、上管のリングを必ず押さえ、裏にコルクがついているパーツを上げた状態で調整しましょう。

たる(バレル)を上管に取りつける

クラリネットをしっかり組み立てる

このパーツも「ベルと下管」同様、キーを握りしめてしまわなければ、特に気にすることはありません。
たるにロゴマークが入っていれば、上管のマークと揃えます。

一点だけ気をつけていただきたいのが、持つ位置です。

次の画像のような組み立て方は絶対にしてはいけません!

クラリネットの正しい組立て方

このように離れたパーツを持って組み立てると、回しながら入れた時に、一番ゆるい連結部分が回ってしまいます。

クラリネットのジョイントは

の3箇所あるわけですが、もしも「たると上管」よりも、「上管と下管」がゆるかった場合…悲劇が起きますね

接点に注意を払いながら組み立てられていくクラリネット

教えに行った学校で、「たるを動かそうと勢いよく回したら、上管のトリルキー(赤丸)と、下管の左手小指のキー(青丸)が噛んで曲がってしまい、外れなくなった」という小学生を見たことがあります。

組み立て時のみならず、片付けや微調整などの時も、必ず一番近いパーツ同士を持つようにしましょう。

上部にマウスピースを取りつける

ここまで来れば、あと一息です。

マウスピースは、四角い穴が空いていて、その下の平らになっている部分(テーブル)にリードをつけますので、そちらが自分の側に来ます。

先程まで、楽器の正面を見ながら組み立てていたと思いますが、左手親指のホール(指穴)がある方を、自分の体に向けましょう。

クラリネットに取り付けられるマウスピース

吹く時に体の中心に来るレジスターキー(赤丸)と、マウスピースの平らな部分(青丸)をまっすぐになるように入れたら、楽器の組み立ては完了です。

パーツがうまく入らない時は

「一生懸命組み立ててるのに、全然パーツが入っていかない!」

そんな時は、入れる方のパーツが斜めになっていないか、よく見てみましょう。
ぱっと見ただけではわからないかもしれませんが、ほんの少しでも傾いていると、絶対に入りません。

力任せにせず、落ち着いてまっすぐ組み立てるようにすると、すっと入るはずです。

組み立てで重要なことは2点!

クラリネットの組み立てにおいて、「必ず気をつけること」は、

この2点だけしっかり覚えて、身体に覚え込ませましょう。

それ以外は、キーを強く握ったりしてしまわなければ自由です。

ここでは、先程お話したように、安定感を優先して下から組み立てていますが、注意するべき点だけ気をつけていただければ、どう組み立てても大丈夫ですので、やりやすい手順で構いません。

自分なりのやり方で、ささっと正しくクラリネットを組み立てられるようになっていきましょう。



この記事を書いた人

吉祥寺教室
中村 珠美 先生

この記事を書いた人

のべ10,000人以上の生徒を指導。 笑いの絶えない楽しいレッスンで、あなたのクラリネットスキルを次のステージへと導きますよ! ごはん大好き、お酒も大好き、ミスチル大好き。


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