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失敗しないリードの選び方

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お店の棚に置かれたリード

クラリネットを演奏するのに、リードは不可欠ですね。

しかし、わかっているようで、実はよくわかってなかったり、今さら聞けないこともありませんか?
今回は、リードを選ぶ際に注意すべき点について、改めて考えてみましょう。

リードに書いてある数字の意味

まずは、リードやリードの箱に書いてある「2と1/2」「3」などの数字についてです。

これを「リードの厚さ」だと思っている方が意外と多いのですが(私も結構長い間、そう思っていました)、数字はリードの硬さを表しています

数字が大きい方が硬いのですが、これはメーカーや、リードの種類によって異なりますので、Aというリードでは3がちょうど良いと感じても、Bというリードでは3だと軟らかすぎる、ということも起きます。

あくまでも目安として選んで下さい。

また、「あ、リードあった~」となんとなく手に取って、うっかり番手を確認しないで購入してしまう…なんてことは、絶対にないようにしましょう。

購入の際に気をつけること

もう一点、購入の際に必ずチェックしていただきたい点を、お伝えしておきます。

バンドーレンの箱に書かれている楽器の種類の表示

こちらの写真の赤で囲われている「Si♭-B♭」の表記ですが、意味はわかりますか?

私達が普段吹いているクラリネットは「B♭管」と呼ばれるものですね。
このB♭管を吹く時に使うマウスピースに合ったリードが、「Si♭-B♭」になります。

ですので、同じマウスピースを使うA管の場合にも、もちろんこのリードになります。

そして、先程の写真のリードと見た目がそっくりのこちら。

バンドーレンの箱に書かれている楽器の種類の表示

この箱に関しては「Mi♭-E♭」という表記になっています。

これは、皆さんがよく「E♭クラ(エスクラ)」と呼んでいる、B♭管よりも小さなE♭クラリネット用。

箱は本当にそっくりで、この表記しかB♭管用かE♭クラリネット用かを見分ける術はありません。
よく見ると、描いてあるクラリネットのイラストがE♭クラリネット用の方が小さいのですが、それは比べるからわかるくらいの差なので、リードを購入する際は、必ず「Si♭-B♭」や「B♭ Clarinet」の表記であることを確認してからにして下さい。

以前、間違って購入してしまい、開けるまで気づかなかった…という方もいらしたので、要注意です。

リードのカットの仕方

「ファイルドカット」と「アンファイルドカット」という言葉を聞いたことがありますか?

リードは、ケーンという素材から作られているのですが、マウスピースにつけた時の上半分が削られている状態、下半分は表皮がそのまま残されていますね。

その、表皮の部分の処理の仕方が2種類あり、それが「ファイルドカット」と「アンファイルドカット」です。

ファイルドカットとアンファイルドカットのリード

向かって左が「ファイルドカット」、右が「アンファイルドカット」です。

一般的には、ファイルドカットは音の立ち上がりが良く、まとまりやすく明るい音色が特長だと言われています。

一方、アンファイルドカットは、程よい抵抗があり、深みがあり落ち着きのある音色が特長です。

リードの種類ごとに、このカットの仕方が違うメーカーもありますし、同じリードの型でもファイルドカットとアンファイルドカット両方を作っているメーカーもあります。

よく使われているリードのメーカー

ではここで、よく使われているリードの種類を見ていきましょう。

バンドーレン(トラディショナル・V12)

バンドーレンのトラディショナルとV12

まずは「ザ・定番」と言ってもいいくらいの『バンドーレン』のトラディショナル(通称青箱)とV12(通称銀箱)です。

お店の方に聞いても、「これが圧倒的に売れています!」とのことで、使っている方も多いと思います。

トラディショナル(青箱)はクリアな音がするのに対し、V12(銀箱)はリード自体の厚みがあり、柔らかい響きがします。
いずれもファイルドカットです。

こちらの2種のリードは、先程書いたように、箱に書いてある数字が同じでも、硬さが違います。

トラディショナルからV12に替える時は、1つ番手を上げるようにしましょう。
トラディショナルの3番を使っていたなら、V12は3と1/2にすると、硬さが近いと思います。

以前はなかったのですが、今はV12に「3と1/2+」という硬さもあるので、トラディショナルの3と1/2を使っている方は、こちらを試してみると良いでしょう。

価格は、2020年7月時点でトラディショナル(青箱)が3000円(税抜)、V12(銀箱)が3800円です。

バンドーレン(ルピック56・V21)

バンドーレンのルピック56とV21

これも同じく『バンドーレン』のルピック56とV21です。

ルピック56

バンドーレン本社の住所が名前になっているルピック56は、よく見ると扇形のようになっていて、バンドーレンいわく「革新的なデザイン」だそうです。
演奏してみた感じでは、青箱よりも抵抗感はあるものの、音は明快な印象でした。

V21

V21は「ルピック56とV12(銀箱)のいいとこ取りをした!」という、一番新しいリード。
初めて吹いた時は、正直きちんと鳴らず「うーん…」という感じでしたが、慣れてくると、どの音域もまんべんなく、豊かに鳴らすことができます。

吹き込んでいくと、良いところがだんだんと引き出されるリードなのかもしれません。

なお、ルピック56とV21は、アンファイルドカットです。

こちらの2種は、青箱・銀箱より比較的新しく誕生したリードで、リードの硬さがより細分化されていて、どちらも「3.5+」という硬さがあります。
やはり青箱よりも軟らかめに数字が設定されているので、1つ上の番手を選ぶようにすると、硬さに関してはちょうどいいと思います。

バンドーレンの本物の証

バンドーレンのリードは、世界で使われている大人気リードなので、偽物が出回ったことがありました。

それ以来、日本での取り扱い窓口・野中貿易は、必ず正規輸入品の証であるシールがついているものを購入するように、と注意を促しています。

以前は、銀色のシールだったのですが、今はこちらの金のホログラムタイプのシールに変更になっています。

本物のバンドーレンリードの証であるシール

実店舗であれば、偽物を取り扱っていることはないとは思いますが、インターネットなどであまりに安く売っている場合は、このシールがない可能性があります。

少しでも不安に思う時は、きちんとお店に買いに行くようにしましょう。
意外と、定価で売っているお店は少なく、割引価格で購入できたりします。

ダダリオ レゼルヴ3種

ダダリオのリード3種類

『ダダリオ』のレゼルヴは3種類あって、左から「スタンダード」「クラシック」「エヴォリューション」です。

価格は、2020年7月時点でスタンダード(水色)が2800円、クラシック(紫色)が3600円、エヴォリューション(オレンジ色)が4000円(いずれも税抜)です。

スタンダード(水色)

元々アンファイルドカットでしたが、音の立ち上がりをより良くするために、ファイルドカットに変更されたそうです。
このリードも、クリアな音で、反応が良い印象です。

クラシック(紫色)

バンドーレンのV12を使っている方に、よく選ばれています。
バンドーレンのリードは、残念ながらなかなか当たりに出会えない気がしますが、「ダダリオは当たりが多い」というのが、もっぱらの評判。

このリードも、柔らかく豊かな響きがします。
こちらも、アンファイルドカットからファイルドカットに変更されました。

エヴォリューション(オレンジ色)

この3種の中で唯一のアンファイルドカットです。
他の2種に比べると、抵抗感が強い分、しっかり吹き込めれば丸みのある音色で演奏できます。

レゼルヴシリーズは、バンドーレンのトラディショナル(青箱)に比べると、少し軟らかめに番号が振られているので、トラディショナルで3を使っているなら、3.5や3.5+を選ぶようにすると、あまり違和感がないかと思います。

RICO グランドコンサートセレクト3種

RICOのグランドコンサート3種

現在は『ダダリオ』の傘下である『RICO』のグランドコンサートセレクトシリーズも、3種あります。

下段左から「トラディショナル」「シックブランク」、上段「エヴォリューション」です。
写真を見ていただいてわかるように、同じ型の中でもファイルドカットとアンファイルドカットがあります。(トラディショナルはファイルドカットのみ)

グランドコンサートセレクトシリーズは、バンドーレンのトラディショナル(青箱)と数字の振り方は近いので、同じ番号を選ぶといいかと思います。
エヴォリューション(金)だけは、硬めに振ってありますので、トラディショナル(青箱)よりも小さい番手を選ぶようにしましょう。

価格は、2020年7月時点で、トラディショナル(青)が2800円、シックブランク(赤)とエヴォリューション(金)が3400円(いずれも税抜)です。

トラディショナル(青)

吹奏感が良く、コントロールがしやすく感じます。
柔らかな響きの音色が特長です。

シックブランク(赤)

削ってある部分が長いので、反応が良いのが特長。
ファイルドカットとアンファイルドカットで、響きは変わりますので、好みのサウンドが出せる方を選ぶといいですね。

エヴォリューション(金)

深みのある音色と、高音部の安定感が特長です。
こちらもファイルドカット・アンファイルドカットがありますので、可能であればどちらも試してみると良いでしょう。

いろいろ試してみよう

以上の3ブランドが、今のクラリネットリードの主流です。

他にもまだまだありますし、吹奏感などは私が吹いてみた感想ですので、興味があるものに関しては、どんどん試してみて下さい。
全く違う印象を持たれるかもしれません。

ただ、1箱10枚単位ですし、なかなかいいお値段なので、自分に合うかもわからないリードを買うのは、少し勇気がいりますよね。

そんな時は、ばら売りをしていないか、お店の方に確認してみましょう。

ばら売りされているバンドーレンのリード

バンドーレンのリードは、最近ばら売りをよく目にするようになりましたし、レゼルヴは「サンプルパック」という4枚セット(例えばスタンダードとクラシックの3と3.5など)を出していますので、そちらを購入してもいいですね。

しかし、ご存知の通り、リードには当たり外れがあるので、ばらで買ったものが当たらない可能性もあります。
できれば、1枚ではなく2~3枚買うと、そのリードの特長が掴みやすくなると思います。

良いリードにならなかったリードもあきらめないで!
そもそも鳴らないリードや、練習や本番で使い古したリードを復活させる方法があります。

リードを延命させる方法

最初からダメなリード、劣化して使えなくなったリード、今までは運が悪かったと諦めていたリードを「使えるリード」に昇格させられる可能性があります。

リード用の小さな砥石、その名も「♭ふらっ砥」、こんな感じで、湾曲したリード削って、平ら(ふらっと)にすることができるんです!

リード1箱前後の価格で、破棄予定だった大量のリードが復活!

こんな感じで2~3往復するだけ、誰でも簡単にリードを調整することができますよ。

クラリネット・サクソフォーン・オーボエ・ファゴット等のリードを研ぐ砥石

吹いてて心地よいリードをつけよう

私達クラリネット吹きにとって、リードは絶対になくてはならないものですし、ずっと悩みの種だと思います。

「音が出てるから、それで大丈夫」ではなく、せっかくなら自分の好きな音が出たり、好きな吹き心地のものを選んで、ちょっとした練習も、気持ち良くできるようにしていきましょう。

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