誰かに聞かせるための演奏で心がけること
2019年10月28日、今年10回目の合奏未経験者向けアンサンブルが行われました。
今日は、アンサンブルデビューの体験の方がいらして下さったので「4人でアンサンブル!」と思ったのですが、残念ながらいつもご参加の生徒さんが、体調不良により見学のみ、ということで、今回も講師含め3人でアンサンブルすることになりました。
やはり、人数が多いアンサンブルは、響きが重厚になりますので、このアンサンブルもどんどん人数が増えていくといいですね。
そのような経験を、ぜひご参加の皆様にしていただけたらいいな、と思います。
では今回も、12月の発表会に向けて頑張っていきましょう。
演奏曲目
- 白鳥の湖より~情景
- 菩提樹
練習の成果を発揮するために
今回、体験参加して下さった生徒さんは、「家族と先生以外の方の前で吹くのは、初めてなんです」とのこと。
学校の吹奏楽クラブでクラリネットを始めた私は、最初から人前で吹くのが当たり前でしたが、個人レッスンスタートの方だと、そういう方は多いですよね。
「誰かに聞かせる」と思うと、ついつい気合いが入ってしまったり、どうしても欲が出てしまったり、いつも通りの演奏というのは、難しいものです。
レッスンでも、「練習した成果を聞かせるぞ!」なんて、少なからず思ってしまいますよね。
すると、予想外のところでピーピー鳴って、動揺して、ドツボにはまってしまう…ということが起き、「練習ではちゃんと吹けていたのに、なんで…?」という事態になってしまうのです。
これは、本番などでも、同じことが言えます。
練習と同じように吹くためには、とにかく余計な見栄や欲がないように、練習している時と変わらない気持ち・心持ちで演奏できることを一番の目標にできるといいですね。
(と言っても、それが一番難しいのですが)
それぞれの曲の状態を知る
全員でのロングトーンが終わったら、早速2曲を通してみました。
『白鳥の湖より~情景』は、お二方とも練習の割合が少なめだったようですが、メロディーと伴奏がきっかりわかれている編曲で、作りがシンプルなので、ほぼ問題なさそう。
一方、『菩提樹』は、メロディーと伴奏こそわかれているものの、メロディー以外の2パートが、そこだけでハモってみたり、1パートだけメロディーの下についたり、かと思えばそれが入れ替わったり…といった具合に、目まぐるしく担当していることが変わるため、自分のパートだけ見て、必死に吹いていると、アンサンブルの良さが楽しめません。
せっかく三重奏の楽譜を吹いているのに、それではおもしろくありませんね。
それに、楽譜通り吹いているはずなのに、なんだかすっきりと聞こえてきません。
そういう時は、どうしたらいいのでしょうか。
自分以外のパートも知ろう
そこで今回は、1番と2番・2番と3番・1番と3番、というふうに、わけて練習してみました。
自分のパートが、他のパートとどのような関係性なのか、また、自分のパート以外で何をしているかを知るには、やはりこのような練習方法が一番です。
実際に吹いている時にも、他のパートに気を配りながら演奏しますが、クラリネットを吹く、というのは、楽譜を見て、リズムを追って、指を動かして…と、処理せねばならないことがたくさんなので、どうしてもできることに限界があります。
自分が吹いていない時に、他のパートの演奏を聞きながら、楽譜を目で追うことに集中すると、演奏している時には気づかなかったことが見えてきます。
その時に気づいたことは、楽譜に書き込んでおくと、合わせる時に役立ちます。
丸で囲んだり、意識するべきパートの名前を書き込んだり、自分がわかりやすければ、書き方は自由です。
積極的に書き込みをしましょう。
演奏曲への理解を深めよう
今日、楽器が吹けなかった生徒さんも「こうやって、演奏を聞いてみるとわかりやすいですね」とおっしゃっていました。
音源を聴きすぎるのは、その音源の印象が強くなってしまって、コピーのような演奏になってしまうのであまりお勧めしませんが、曲の作りをきちんと理解することは、より良い演奏のために大切です。
合わせる時間を有意義に使って、曲の理解を深めていきましょう。
もっともっとアンサンブルが楽しくなりますよ。