複数人でのロングトーンで注意すること
2018年8月27日、今年8回目の合奏未経験者向けアンサンブルが行われました。
今回は、いつもご参加いただいている方が、どうしても都合がつかないとのことで、残念ながらお休み。
寂しいなぁと思っていましたが、以前合奏経験者向けアンサンブルにご参加いただいた方が、こちらのアンサンブルもぜひ体験してみたいと、楽器を持っていらして下さいました。
初めましての方とのアンサンブルは、いつもと違った緊張感があって、それもいいですね。
演奏曲は、前回に引き続き『ラルゴ(オンブラマイフ)』です。
意味のあるロングトーンをしていますか?
まずは、合奏未経験者向けアンサンブル恒例、みんなでロングトーンです。
部活でも、パート練習の時に全員でロングトーンをすることがあると思いますが、きちんと目標を持ってやっていますか?
ロングトーンというのは、どうしても「ただ吹いているだけ」になりやすい練習です。
反面、意味を持たせると、とても重要な練習に変わります。
せっかくやるのであれば、有意義なものにしたいですね。
では、複数人でやるロングトーンで、気をつけると良いことを考えてみましょう。
2人以上でロングトーンをする時に気をつけること
1人でロングトーンをやる時も、もちろん考えるべきことはたくさんありますが、ここでは「合わせる」という点に特化して挙げていきます。
出だしを揃える
ロングトーンをする時は、メトロノームをかけたり、誰かが手を叩いたり、何らかの形でカウントをするはずです。
音を出す瞬間は、そのカウントに合わせ、出だしを揃えることに集中しましょう。
「自分が合ってればいいやー」の個人プレーでは駄目です。
基礎練習で合わせることができなければ、曲の出だしが揃うはずはありません。
バラバラッとならないように、集中して、全員の音の出がぴたっと揃うようにします。
ここでのコツはブレスを揃えること。
「吐いて、吸う」のスピード感を合わせるようにすると、音を出すタイミングも、揃えやすくなります。
音の切りを揃える
出だしと同じくらい大切なのが、音を切るタイミングです。
短いのも良くありませんが、きれいに切ろうとした結果、なんとなく自分だけ長くなってしまった、などというのも良くありません。
全員が、決められた拍で、きちんと切るようにしましょう。
音程に気を配る
ロングトーンは、ウォーミングアップも兼ねてやることが多いので、その前にチューニングをすることは少ないかと思います。
ですので、ここでの「音程に気を配る」は、「ぴったり合わせる」ということではなく、「どの音がよりずれやすいかをきちんと聴く」ことに重きを置きましょう。
クラリネットの特性上、上ずったり、ちょっと低くなってしまったり、という音がいくつも存在します。
楽器の性質なので、どの楽器も同じようにそのズレはあるはずなのですが、やはり個体差があります。
チューニングをしていなくても、なんとなく近い音程になる音、びっくりするくらい合わない音など、気にしてみると、そのメンバーでの特徴が見えてくるはずです。
あくまでチューニングというのは、基準を定めるだけ。
チューニングをしたからと言って、魔法のように全ての音がぴったり合うわけではありません。
ロングトーンで大きくずれてしまった音は、今後もずれる可能性がある音。
それをきちんと知る場として、パートでのロングトーンを役立てましょう。
気を配ったロングトーンができましたか?
今回のアンサンブルでのロングトーンも、出だしがばらけてしまったり、音の切り方が曖昧になってしまいました。
音の切りについては、息が足りなくなってしまって、先に終わってしまった、というのは、あまり気にしなくていいのですが(次の音を吹くまでに、なぜ足りなくなったのかの原因を、しっかり考えましょう)、切るべき時を越えてしまうのは、良くありません。
次の拍のカウントに入る直前に、きちんと切りましょう。
音程に関しては「ずれていて気持ち悪い」という感覚が、だんだん身についてきたように感じます。
そこが、音程を合わせるための第一歩。
耳が使えるようになってきた証拠です。
その成果か、その後のチューニングでは、一発でぴしっと合いましたね!
まるで1人で吹いているかのような揃い方は、お見事でした。
次回、仕上げます!
曲も、徐々に他のパートに耳を傾ける余裕が出てきて、まとまってきました。
2番パートは、伴奏したり、1番とハモったり、メロディーを吹いたりと大忙しですが、それをきちんと吹き分けられると、音楽の質が途端に向上します。
大変ではありますが、やりがいのあるパートですので、個人練習の際も、役割を考えながら吹けると良いですね。
なかなか順調ですので、次回あたり仕上げたいと思います。
新曲始めます
少し時間があったので、前回ちらっとやった『くるみ割り人形より~花のワルツ』をやろうとしたら、いつものお二人はどうもあまり練習してこなかったようで、「え、やります?」という反応。
やります、やります。
せっかくなので、合わせましょう。
メロディーパートは、体験の方に初見で吹いていただいて、探り探りの通しになりました。
途中でわからなくなっても、なんとか食らいついていこうとする姿勢は、アンサンブルをやっていくにはとても大切。
このクラスに参加されている皆さんは、そういう部分が知らず知らずのうちに、身についていらっしゃるなぁと感じる演奏でした。
次回は『ラルゴ(オンブラマイフ)』の仕上げと、『くるみ割り人形より~花のワルツ』の細かい部分をやりますので、今日うまくできなかった部分は、練習しておいて下さいね。