他のパートを通した自分のパートを聴いてみよう
2023年6月26日、今年6回目の初級者アンサンブルが行われました。
今月は、あちこちのアンサンブルクラスで突然のお休みが多かったように思いますが、初級者クラスでも1名急なお休みとなってしまいました。
ほとんどの方がご多忙のためでしたが、急な温度と湿度の上昇で体調も崩しやすいと思いますので、くれぐれも気をつけてお過ごしいただけたらと思います。
そんなわけで、今回の初級者アンサンブルもB♭クラリネット2名で合わせていきます。(必要な時は講師も参加)
演奏曲は、S.ジョプリン作曲『エンターテイナー』と、E.サティ作曲『ジムノペディ第1番』です。
その曲に合ったテンポで吹こう
『エンターテイナー』は、軽快な曲です。
しかし、十六分音符が多く、シンコペーションも多用されているので、お二人とも慎重なテンポで練習されたご様子。
書かれた音を確実に吹くことも大切ですが、人前で吹く以上は、「その曲らしさ」を出すことが重要です。
その点において、仕上げのテンポと言うのは、大きな要素を占めますので、なるべく早くインテンポでの練習に取り組み始めるようにしましょう。
もちろん、全然吹けなくてぐちゃぐちゃ、という状態で速いテンポで吹いても、訳がわからなくなってしまいますので、そういうことではありません。
ただ、ある程度吹けているのであれば、全体像を掴むためにもテンポを上げて、できないところは部分練習をする、という進め方をしていくべきです。
今回、お二人が練習されてきたテンポよりも、速いテンポで何度も練習しましたが、最初のうちはあわあわされていたものの、回数を重ねるごとに、ずっとそのテンポで練習してきたかのように、すっかり馴染んだ演奏となりました。
独特のリズムを聴かせる吹き方も、こなれてきましたね。
その速さでの演奏に、だいぶ自信も持てたと思いますので、個人練習の際も同じような速さで練習していきましょう。
他のパートを通した自分のパートを聴いてみよう
軽やかに動く『エンターテイナー』に対して、『ジムノペディ第1番』は、ゆったりして、音数がかなり少ない曲です。
そこで、皆様の読譜力を信じて、「別のパートを吹いて通してみる」ということをしてみました。
その目的は「担当と違うパートを吹きながら、他の人が吹いている自分のパートを聞く」ことです。
アンサンブルに不可欠な「他のパートを聴く」「しっかり聴いた上で合わせる」という点は、わかってはいても難しいもの。
幸い今回は、スコアタイプの楽譜を使っていますので、耳と目で自分のパートを意識しながら、残りの2パートを順番に吹いていただきました。
そうすることにより、自分のパートを客観的に聴くことができ、さらには他パートとの関わりが、よりはっきりと見えたのではないでしょうか。
その後、ご自分のパートに戻っての通しは、見違えてすっきりでした。
お二人の初見力がばっちり上がってきていることも、確認できましたね。
難易度があまりに高かったり、編成が大きかったりすると、全パートを吹いてみるというのは難しくなりますが、曲の聞こえ方がガラッと変わりますので、余裕があればぜひ自分以外のパートを吹いて、合わせてみると良いですよ。
アンサンブル力をもっと上げていこう
最後の通しでは、「今すぐ本番でも大丈夫かも」というくらい、揃った良い演奏となりました。
もちろん、まだまだ上は目指せますので、今日の感覚を思い出しつつ、テンポを上げてみたり、より音楽的に吹くにはどうしたらいいかを考えたりして、お客様も奏者も「素晴らしいアンサンブルだった!」と思えるような仕上がりにしていきましょう。
また、出演者3人揃っての演奏は、今のところ回数が少なめなので、ぜひ自主練習も計画してみて下さいね。
来月は、今日以上の演奏を期待しています。