「気持ち良い演奏」と「心地良い演奏」の違い
2018年5月29日、第26回目となるバンドアンサンブルが行われました。
前回は、ちょっと少なめの参加者でしたが、今回の管楽器はクラリネット3名にバスクラリネットとオーボエ。
そこに、ドラム・ベース・キーボードが加わり、8名でのアンサンブルとなりました。
バリバリの吹奏楽っ子だった講師は、やはりアンサンブルも人数が多い方が、なんだか好きです。
もちろん少人数には、少人数の良さがありますけどね。
さて、今日の演奏曲も、前回から引き続き6曲です。
演奏曲目(順不同)
- Daydream believer
- My Favorite Things
- リトルマーメイドメドレー
- American Patrol
- Take Five
- ルパン三世のテーマ
曲を楽しむ余裕が出てきた時に
どの曲もだいぶ慣れてきて、他のパートが何をやっているのかに気を配れたり、「ここはこんな風に吹いてみようかな」「こうしてみたいな」なんて考える余裕が、だんだんと出てきたように感じます。
そうすれば、演奏もノリノリになってきて、「わー、楽しいな!」と思えるようになってきます。
もちろんそれはいいことなのですが、そうなると慣れゆえの良くないことも、どうしても出てきやすくなります。
それは、「曲の作りに左右された演奏」です。
リズムパターンや曲の流れでテンポが揺らぐ
では、「曲の作りに左右された演奏」とはどういうことでしょうか。
これは、リズムパターンや音楽の流れに伴って、テンポが揺らいでしまうことを指します。
例えば、特にテンポ変化の指示のない編曲の楽譜を使っている『ルパン三世のテーマ』。
イントロから、シンコペーションを多用した、ノリのいいリズムが続き、あの有名なメロディーへ。
中間部では、一転、横の流れが美しいメロディーが奏でられ、特徴的なリズムをきっかけに、最初のメロディーに戻ります。
この部分だけでも、速くなったり遅くなったりする要素が、存分にあります。
ノリがいい部分や、音符が細かい箇所は、どうしても気持ちがはやったり、楽しくなったりして、前に行きがちです。
一方、ゆったりとしたメロディーが続くと、気持ち良くなって歌い込んでしまったり、「テンポ通りにきっちりと進める」ということが、置き去りになりやすくなります。
ここでは、「ノリのいいメロディー」→「ゆったりとしたメロディー」→「ノリのいいメロディー」と続いていますので、同じテンポのはずなのに、速くなったり、遅くなったり、また速くなったりと、テンポが安定しない演奏になってしまうのです。
一定のテンポで吹くことの大切さ
これは、演奏している側だと意外にわかりにくのですが、客観的に聞いてみると、全く心地良くありません。
もちろん、奏者の中にも「こんな風に演奏したいわけじゃないんだけどなー」と思われている方も、いらっしゃるでしょう。
指揮者のいないアンサンブルでは、特にこのようなことは起こりやすくなります。
また、指揮者がいる吹奏楽やオーケストラでも、指揮を無視してしまうくらい気持ち良さげに、どんどん遅くなる…なんてこともあります。
音が細かく難しい箇所に限って、慌ててしまったり、ノリの良い曲調やリズムに、際限なく速くなってしまうこともあります。
1人で気ままに演奏する分には、それでも構いませんが、2人以上で合わせる時には、テンポを死守することも、楽しい演奏をする上でとても大切です。
(かと言って、そればかりに必死になっても駄目ですよ!)
個人練習の時点で、しっかりメトロノーム練習をして、テンポを体の中に入れ、それぞれのフレーズをどれくらいのタイミング・速さで吹くべきなのかを身につけましょう。
より良い演奏を目指して
今回のお話は、曲に慣れてきたからこその落とし穴。
うまく避けて、楽しく心地良い演奏を目指しましょうね。