他のパートの動き方をしっかり頭に入れよう

2023年2月4日、今年第2回目の新中級者アンサンブルが開催されました。
あと2週間後には発表会ですので、月が替わって早々のアンサンブルレッスンとなりましたが、皆さんしっかり練習してきて下さったと思います。
来週皆さんだけで練習をされるそうですが、今日きっちり仕上げて、自主練習ではそれを固める作業ができるようにしていきましょう。
今月も全員ご参加ですので、B♭クラリネット5名・バスクラリネット1名の計6名で演奏していきます。
演奏曲は引き続き、溝口肇作曲『世界の車窓から』と、L.ハーライン作曲『星に願いを』の2曲です。
合図を出す時のスピード感を意識する
アンサンブルでの合図の出し方については、今までにもお伝えしてきました。
tokyo-clarinet-school.com
tokyo-clarinet-school.com
合図を出す際に重要なのは、「吐く・吸う」でテンポを示すことですので、吹きたい速度と同じ速さのブレスをせねばなりません。
速い曲であればあまり問題はないのですが、ゆったりしたテンポの曲の時には、1拍あたりの時間が長くなりますので、「1拍使ってブレスをせねば」と気にしすぎると、吐く時も吸う時もゆっくりとしたブレスになってしまいます。
しかしそうすると、合図が緩慢になり、「実際にどのタイミングで音を出せばいいのか」という部分が、一気にわかりづらくなります。
以前にも、「合図で迷った時は『指揮をするならば』と考えてみる」とお伝えしましたが、指揮者が遅いテンポの曲の始まりに、ゆる~っと振り始めることを想像してみましょう。
どこが拍を示しているのかがわかりにくく、どのタイミングで出ていいのか迷ってしまうはずです。
それと同じで、ゆっくり息を吸ってしまうと、他の奏者が迷いますので、ある程度のスピードを持ってブレスをするようにしましょう。
そうすることで、拍感が見えやすくなります。
もしイメージが湧かなければ、吹奏楽やオーケストラなどの動画で、ゆったりした曲の指揮を確認してみて下さいね。
他のパートの動き方をしっかり頭に入れよう

今回演奏している『世界の車窓から』は、ぱっと見た感じ音が細かく、シンコペーションやタイも多いので、リズムが複雑で難しく感じます。
しかし、テンポが遅いため、実はそこの部分はそんなに難易度は高くありません。
この曲の本当に難しい部分は、拍のあたまを刻んでいる人が常にいるわけではない点です。
また、各パート見た目は全然違うリズムでありながら、ところどころ音が鳴るタイミングが揃う、ということも多いので、そこをぴたっと合わせることも難しく、そして、演奏の出来を大きく左右する大きなポイントとなります。

多くの曲は、バスクラリネットが拍を刻むことが多いですが、この曲では1・3拍目のみを押さえていることがほとんどです。(赤線)
他のパートも、誰も2・4拍目に動いていないため、テンポを見失いがちになってしまいます。
自身でテンポキープをすることも大切ですし、「バスクラリネットは、1・3拍目に音がある」と意識して、自分がもし同じタイミングで動くのであれば、同時に音を出さねばなりません。
また、拍に合う音以外で、誰かと合うこともあるので、それもきちんと把握しましょう。(青線)
今回の譜例のようなリズムだと、付点で動いているのと、十六分音符で動き続けているのでは、どうしてもずれが生じてしまうのですが、ぴったり揃うと、一気に演奏がすっきりします。
タイミングを揃えるためには、担当しているリズムを正確に吹くことと同時に、「どのパートと、どんな風に合うのか」ということを、具体的に理解しておくことが必要です。
スコアを見れば、そのようなポイントは一目瞭然ですので、必ず確認をすることと、それをしっかり頭に入れておくよう努めましょう。
もちろん、大切な部分は、楽譜に書き込んでおいて下さいね。
できた感覚を覚え、固めておこう

今回のアンサンブルクラスでは、まず最初に通し演奏を録って、最後にも録音をしました。
講師は、客観的に聴いているわけですが、今日重点的に取り組んだ、タイミングを揃える部分と強弱の幅に関して、1回目と2回目の録音では、大きく変化がありました。
参加者の皆さんもぜひ聴き比べて、「こうやると、こんな風にうまくいくんだな」という点を、感覚として掴み、いつでもできるように固めておいて下さいね。
いよいよ2週間後には発表会デビュー。
当日の演奏、楽しみにしています!