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吹奏楽「気持ちを一つに!」ってどういう意味?

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学校の教室で合奏する吹奏楽部

一般の吹奏楽団に所属されている生徒さんのレッスンで、メロディとそのハモリ(メロディと同じ動きだけど、音の高さが違う)のバランスの取り方と、一緒に吹く人によって、吹きやすいと感じる時があるという話になりました。

「言葉よりも、体感するのが一番!」ということで、楽団ではハモりを吹いている生徒さんですが、今回はメロディを吹いてもらい、私がハモりを担当。

吹き終わって、生徒さんが開口一番「やっぱり、先生とだと吹きやすいです~」。

そう言っていただけて良かったですが、この「吹きやすい・吹きにくい」もしくは「合わせやすい・合わせにくい」というのは、なんなのでしょうか。

たくさんある「合わせるシチュエーション」

吹奏楽やオーケストラ、アンサンブル、またはピアノ伴奏でソロを吹く、など、クラリネットをやっていると、人と合わせる機会はとても多いと思います。

「もっと周りを聴いて!」「気持ちを一つに!」なんて言われることもあるかと思いますが、周りを聴きすぎたら遅れるし、気持ちを一つに揃えるってどうやるの?ですよね。

合わせるためにまずやるべきこと

この時にまずやるべきなのは、「楽譜に忠実に吹くこと」です。

各自がしっかりと、自分のパートを責任を持って吹くことから、全ては始まります。

ここで、変に周りに気を遣いすぎたり、音程を気にしすぎて、迷ってしまっては、その先へ進めません。

音、リズム、テンポ、強弱、アーティキュレーション。

楽譜に書いてあることを、全て再現できるように、しっかりと練習しましょう。

この「当たり前だけど、実はとても難しいこと」ができていないと、「吹きやすい」「合わせやすい」と思ってもらうことはできません。

「合わせる」にもいろいろある

これらができたら、初めて「合わせる」ことに気持ちを向けます。

ただ、一口に「合わせる」と言っても、自分が担当している役割やパートによって、やるべきことは変わってきます。

大まかに分けると、メロディー・ハモリ・伴奏のいずれかを担当することになると思いますが、それぞれの心構えをお話しましょう。

メロディーを担当している場合

メロディーを吹いている時は、周りを聴くことは必要ですが、ハモリや伴奏に合わせようとする気持ちは、そこまで強く持つことはありません。

というと、誤解を生んでしまいそうですが、メロディーが「こう吹く!」と提示しないことには、周りが合わせることはできないので、ハモリや伴奏を探ってしまっては、演奏が成り立たない、ということです。

メロディーを担当する時には、正確に、かつ堂々と吹きましょう。

気持ちとしては「私についてきて!」で大丈夫です。

ハモリを担当している場合

メロディーと同じ動きをしていながら、違う高さの音を吹く、いわゆる「ハモリ」を担当している時には、一番周りに気を配る必要があります。

このハモリが「どうメロディーにつける(寄り添って吹く)か」で、メロディー担当の人の吹きやすさが、格段に変わるからです。

かと言って、探りすぎてはいけません。

ハモリが迷っていては、メロディーも、さらには伴奏までも、「吹きにくいな…」と感じることになってしまいます。

「メロディーの人は、どのように吹きたいのだろうか」というのを念頭に、できればメロディー担当の人の息遣いにまで気を配るといいでしょう。

(近くにいる場合は、指を動かすタイミングまで気を回せるとさらにいいのですが、かなり難しいので、無理はしないようにして下さいね)

また、音量にも注意します。

例えば、メロディーもフォルテ、ハモリである自分のパートもフォルテの場合、「私、フォルテだから~」と思いきり吹いてはいけません。

ハモリは、あくまでメロディーに寄り添うのが仕事。

メロディーを引き立てる、少し引いた音量で吹くといいでしょう。

しかし、オクターブユニゾン(メロディーの1オクターブ下の同じ音)を吹く時だけは、少し変わってきます。

この場合は、下パートがしっかり支える(大きめに吹く)ことで、音楽に深みが出て、メロディーが引き立ちます。

ハモリの気持ちは「メロディーを盛り立てるために、寄り添います!支えます!」がいいですね。

伴奏を担当している場合

伴奏と言っても、伸ばしていたり、刻んでいたりと様々ですが、共通して言えるのは「メロディーを支える立場だけれど、メロディーを聞きすぎてはいけない」ということです。

ピラミッドの土台や、家の柱がグラグラしていては駄目なように、伴奏もどっしりと構えて、テンポをキープする必要があります。

それでこそ、メロディーやハモリは、上に乗っかることができます。

だからと言って、我関せずでもいけません。

頭の中にメロディーを流しながら、メロディーを想像しながら吹くことで、ごく自然にメロディーやハモリとのまとまりが生まれるのです。

伴奏の人は「しっかり土台を作っているので、気持ち良く上で演奏して下さいね」という心持ちで吹くのが、他のパートの人の吹きやすさを生みます。

「みんなで音楽を作っている」ことを常に意識

各役割での気をつけるべきポイントを書いてきましたが、一番大切なのは「みんなで一緒に演奏しているんだ」という意識を持つことです。

それが「気持ちを一つに!」につながります。

また、例えば吹奏楽であれば、「どのパートが自分と同じことをやっているのか」「この部分の伴奏は誰が吹いているのか」など、気にかけるようにすることで、「もっと周りを聴いて!」が自然にできるようになるのです。

私は、人と合わせる時に、同じことをやっているパート・違うことをやっているけれど、重要だと思うパートを、楽譜に書き込みます。

そうすると、実際にその部分を吹く時に、自然と意識が向きます。

意識が向けば、気を配ることも少しずつできるようになります。

気を配れれば、そのパートに寄せることやつけることもできるので、「あ、吹きやすい」と感じてもらうこともできるのです。

1つ1つ着実に身につけよう

「吹きやすい」「合わせやすい」と思ってもらうためには、まず自分の楽譜をきちんと吹くことから。

少しずつできることを増やしていって、アンサンブルや合奏をより深く楽しんで下さいね。

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