かっこよく聞こえる八分音符の吹き方

2023年4月24日、今年4回目の初級者アンサンブルが行われました。
前回から、少人数での演奏になった初級者アンサンブルですが、今日も楽しみながらできることを増やしていきましょう。
お一人お仕事の都合でご到着が少し遅れましたが、今月もB♭クラリネット3名での演奏です。
演奏曲は、S.ジョプリン作曲『エンターテイナー』です。
上達につながる選曲をしよう
次の発表会で、初級~上級までの4クラスいずれも、2曲ずつ演奏する予定です。
中級2つと上級は、すでに2曲同時進行で取り組んでいただいていますが、こちらの初級者アンサンブルは、まだ『エンターテイナー』のみです。
ここ数回の発表会では、メンバーの皆様で選曲をしていただいていましたが、「今その曲をやることで、さらなる上達につながる曲を選ぶ」という点により重きを置くために、今回はご希望も考慮しつつ講師が選ぶことにしました。
軽やかな曲がすでに決まっているので、曲調のバランスも考えながら、なぜかここ最近ずっと講師の頭の中で流れている、同じ作曲家のちょっと違うタイプの2曲を皆様に聴いていただいたところ、なかなかあっさりと2曲目が決定しました。
もう1曲のテーマは、「美しく聴かせるには」です。
来月から追加する予定ですので、楽しみにしていて下さいね。
かっこよく聞こえる八分音符の吹き方

前回お話したように、『エンターテイナー』はラグタイムというジャンルの曲です。
ラグタイムは、そこまでテンポは速くありませんが、シンコペーションが多用されていて、軽快なリズムが特徴です。
八分音符もたくさん出てくるのですが、この八分音符の吹き方次第で曲の仕上がりが大きく変わりますので、せっかくならかっこよく聞こえるように練習していきましょう。
どのように吹くかというと、「音を抜く」ことが大切になってきます。
しかし、「抜く」と言われてもイメージが湧かないですよね。
文字でお伝えするならば、テヌートが「ターターター」だとしたら、「タァタァタァ」もしくは「タゥタゥタゥ」という音になります。
音と音の隙間は空けずに演奏します。
ただ、この文字から受ける印象のように、息を弱めたり、口をアウアウ動かしてはいけません。
弱い音を吹く時と同じく、息のスピードは維持しつつ、次の音の前に瞬間的に息の量を落とします。
「抜く」という言葉は使いましたが、へにゃっとさせるのではなく、「べたっと音を張らない」と考える方が、しっくり来る方もいらっしゃるかもしれませんね。
ただ、意識しすぎると、音を出す時に息のスピードを上げてしまって、アクセントのようになってしまうこともありますので、あくまでまっすぐ音を出して、そこから抜く、という意識を持ちましょう。
「音を抜く」吹き方ができるようになると、メリハリがついて、演奏全体がとても締まって聞こえます。
いつでも自然にできるように、ゆっくりした速さから、少しずつ練習をしていって下さいね。
通しをうまく活用する

後半の練習の際に、皆さんに何回通しをしたいかお聞きしたところ、「3回」とのご返答でした。
そこで、通し→個人練習→通し、という形で進めてみたところ、3回目の通しでは、終了後に思わず拍手が出るくらいの仕上がりとなりました。
まだ講師が手拍子はしていますが、2回目のアンサンブルでこの出来は、素晴らしいですね。
通している時に、各自が課題を考えながら演奏し、その後の個人練習でそれらを克服すべく取り組まれたことが、今回の出来につながったと思います。
今後も、うまく通しを活用しながら、安定した仕上がりを目指していきましょう。
来月に向けて、良い練習を積んでおいて下さいね。