クラリネットで速い指回しのためのポイント2つ
2023年も早半年が過ぎようとしていますね。
この前「もう今年も終わりますねー」なんて、ふざけて言われましたが、あながち大げさじゃないかもしれません。
最近では、クラリネットを吹いていても、湿度が高すぎてあまり音が飛ばない気がしますが、そこで無理に鳴らそうとしてしまうと、鼻抜けの原因になってしまいますので、頑張って吹こうとしないように気をつけて下さいね。
鼻抜けしてしまうようになってしまうと、直すのも大変ですし、本当に苦しいので予防するに越したことはありません。
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ところで、クラリネットを吹いていたら、細かい音符との縁は切っても切れませんね。
レッスンでも「指が回りません!」とよく相談を受けますが、多くの人に共通していることで、それが改善すると指が速く動かせるようになる、というポイントが2点ありますので、今回はそのお話をしていきましょう。
第一にクラリネットを楽に持とう
クラリネットを吹いていて、指が回らないことの主な原因は「力」です。
力を抜いて、手をむぎゅむぎゅとしてみると、どの指も均等に動きますね。
しかし、指に力を入れてみると、親指~中指の3本に対して、薬指・小指の動きが悪くなるはずです。
そのような状態で、速くて細かい曲を吹こうとしても、当然指はスムーズに動きませんので、まずは余分な力を入れずにクラリネットを持てるようにしましょう。
特に右手は、親指が楽器全体を支える役目を担っているので、「頑張って安定させるぞ!」と力を入れてしまいがち。
そうなると親指だけに留まらず、他の4本の指にも力が入ってしまいますので、親指をどうサムレスト(指かけ)に引っかけるかを気にかけるようにすると良いですね。
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クラリネットで速い指回しのためのポイント2つ
「クラリネットで、速くすらすらと、偏りなく指を回したい」というのは、クラリネット吹きであれば、誰もが思うことだと思います。
以前は、小指に着目してお話をしました。
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今回のポイントの1つ目は、親指以外の指の動かし方です。
「指が回らない」とおっしゃる方の多くは、この4本の指の上げ方が大きいことがほとんどです。
クラリネットはフルートやサックスと違って、ホール(指穴)にカバーがついていないので、使っていない指が近すぎると、音程が悪くなったり、音色がくすんだりしてしまうので、一定以上の高さに上げる必要があります。
でも、その一定以上の高さというのは、あくまで7mm~1cm程度です。
言い換えてみれば、それよりも高く上げる必要はないのですが、人というのは、頑張ればアクションが大きくなってしまうので、気づくと指がバタバタと3・4cmくらい上下してしまうことになり、それが速い指回しを妨げてしまいます。
ただ、自分が吹いている時の指は、直接確認することができませんので、鏡で見て、適切な高さの時の指の感覚というのを、普段から知っておくようにしましょう。
速い部分をゆっくりと吹いて、どの程度指を動かすと良いのかを確認することも、無駄のない指の上げ下げを身につけることに役立ちます。
また、ポイントの2つ目は左手の人差し指の使い方です。
これは、クラリネットを吹いている多くの方がぶつかる壁ですね。
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左手人差し指がうまく使えるかどうかは、下の音域から上の音域にスラーでなめらかに吹く、ということ以外に、速いパッセージが、引っかかったり転んだりせずに進めるかを、大きく左右します。
意外かもしれませんが、例えば上の音からアルペジオ(分散和音)で下りてくる時に、「ラ」の音に入るのに一瞬間が空いたことで、転んでいるように聞こえる、というようなことも多いのです。
これもまた、指の形を鏡でチェックしたり、どのように左手人差し指を動かしているか、どうやったら間に音が入ったり、間が空いたりせずに移り変われるか、という練習をしておくと、すらすらと演奏できることにつながっていきます。
良い状態を少しずつ身につけよう
レッスンで、今回お話した「指の上げ方を気をつける」「左手人差し指を上手に使う」という2点をお伝えすると、皆さん「すごく吹きやすくなりました!」とびっくりされます。
大抵の方は、まさか自分の指がそこまで大きく動いていると思っていらっしゃらないですし、左手人差し指が伸びていたり、ジャンプしていたりすることに気づいていらっしゃいません。
コツコツと付点練習などを重ねていて、ある程度の速さまでは行くけれど、そこから上達しない…と悩んでいる方などは、一度鏡の前で普段通り吹いてみましょう。
思わぬ指のアクションに気づければ、それを修正することで、超えられなかったテンポの壁を、ひょいっとクリアできるはずです。
しかし、どうしても以前の方が慣れていて吹きやすいため、気を抜くとすぐに元の指の使い方に戻ってしまうと思いますので、焦らず少しずつ、無駄のない動きを身につけられるよう、気にかけながら練習していきましょう。
必ず、いつでも良い状態で演奏できるようになりますよ。