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音階が吹ければ曲が吹ける!?

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ソロのパート譜

今日は、高校2年生の子が体験レッスンに来てくれました。

体験レッスンは日付変更も可能!

最初は、2週前の体験レッスンに申し込んでくれていたのですが、ある日「キャンセルさせて下さい」と連絡があったので、「ご都合が悪くなったのであれぱ、他の日に変更も可能です」と返信したところ、今日なら大丈夫ということで、無事に体験レッスンに来てもらうことができました。

吉祥寺駅で待ち合わせをして、スタジオに向かう際に「部活で吹いてるんですか?」とお聞きしたら、「部活でも吹いてるんですが、教育系の大学をクラリネットで受験したいんです」とのお返事。

今ついている先生が、ご都合で来年3月頃までしか日本にいらっしゃらないそうで、新しく先生を探しているということでした。

「きれいな出だし」は「弱い吹き出し」?

普段受けているレッスンでは、音階と曲をやっているそうですが、今日はまだ音を出していないということで、まずはロングトーンを聴かせてもらいました。

さすが専門的に学んでいるだけあって、音はまっすぐ、しっかり出ています。
ただ、「きれいな出だし」を気にするあまり、音の立ち上がりの息が弱いことが何回かありました。

これは、難しい部分ではありますが、息を弱くして吹き出してしまうと、息のスピードが下がるため、もさっとした出だしになって、立ち上がりが遅れて聞こえる原因となります。

最初から最後まで同じ量の息を吹き込めるように、また、息のスピードも変わらないように注意して吹きましょう。

苦手部分を意識しすぎない

ロングトーンの次は、音階です。

大学入試に向けて全調やっているようなので、「♯・♭4つまでで、一番得意な調と、一番苦手な調を吹いて下さい」と言うと、F-dur(ヘ長調)とg-moll(ト短調)をチョイス。

確かにmollは、臨時記号もあるし、特にそれが高音の折り返しでつくと、急に滑らかに吹けなくなるので嫌ですね。
自分で得手不得手がわかっているのは、素晴らしいことです。

スケールでも曲でも、よく見られるのが「嫌だな」と思っている部分は、無意識に息をセーブするため、スラーがかかりにくくなったり、音がきちんと鳴らなくなったりします。

嫌なものに対して、積極的になれる人は、そうそういないですよね。

ですので、気持ちはわかりますが、いくら指が上手にできていても、息が弱くてはきれいにつながりません。

そうするとなおさら「あー、やっぱりここ苦手」が積み重なっていき、さらに息を吹き込まなくなる…という悪循環に陥ってしまうのです。

苦手な調・苦手な運指・苦手なタンギングなどなど、良くない意識を持ちやすい部分こそ、思い切って息を入れるようにしましょう。

音階は音の羅列ではない

また、音階は、曲に比べて「ただ吹いているだけ」になりがちです。

「フレーズを意識して」「音と音のつながりを考えて」と言われても、正直音階に曲のようなメロディーがあるわけでもないし、音が並べてあるだけだし、一体どうすれば…と、悩んだことがある方も多いと思います。

私も以前はそうでしたが、大学時代についていた先生が、「音階さえやっていれば、曲なんか練習しなくても吹ける!」と、音階に重きを置いている先生だったので、徹底的に教え込まれました。

大切なのは、「音階の始めの音が、どこに向かっているのかを考えて吹くこと」です。

例えばさっきのF-dur。
下のファから始まって、3オクターブ上のファで折り返し、最初のファに戻って終わります。

何も考えずに「ファソラシ♭ドレミファ……ドシ♭ラソファミファー」と音を並べるのではなく、吹き出しのファは最後のファに向かっていること、出だしから吹き終わりまでが1つのかたまりであることを意識することで、息の流れが生まれます。

息の流れは、フレーズ感につながるので、ただ音が並んでいるだけ、という状態から、まとまりを持った演奏へと変化するのです。

ただの指練習ではないという意識を持つ

そして、テンポを気にして、パラパラと吹いてしまわず、拍をフルに使って十六分音符を吹くようにしましょう。
テヌート気味に、と言ったらわかりやすいでしょうか。

スラーで吹く、というのは「タンギングをしなければスラーになる」わけではありません。

なめらかに、1拍の中に隙間なく十六分音符を吹くようにして、初めて「スラーで吹いている」ことになります。

その際は、指の動かし方にも気を配りましょう。
上下の動きが大きいと、これまたスラーではなくなってしまいます。

基礎がなければ曲は吹けない

音階のあとには、受験生の定番曲と言ってもいい、ウェーバーの曲を少しやりました。

ゆっくりなテンポで始まるこの曲、吹き始めて6拍目に、「ラソファミ」という並びの十六分音符が出てきます。

指も簡単、どうってこともない音ですが、ここに先程の音階での吹き方が生きてきます。
拍を目一杯使った、テヌート気味のスラーです。

音階でその吹き方をやっていなければ、曲でそのような部分が出てくるたびに、練習をしなくてはなりません。

しかし逆に言えば、基礎である音階でやってあれば「あ、ここはあの吹き方だな」と、スイッチを入れればいいだけです。

これらが大切な理由は単純です。

大きい音を小さくするのは簡単だし、拍をフルに使って吹ければ、パラパラと吹くのも楽。

テヌートでタンギングするには、舌の動きを最小限にする必要があるので、それができれば大きく動かすのも容易。

曲の中で必要なものを、標準装備しておけば、あとはなんにでも対応できます。
それを磨くのが、ロングトーンであり、音階なのです。

曲に追われると、ついつい曲練習ばかりに目を奪われてしまいますが、基礎力を向上・安定させることで、曲の精度は上がります。

時間のやりくりをうまくして、基礎練習を怠ることのないようにしましょう。

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