吹奏楽部の新入部員にクラリネットを教える時に大切なこと

気づけば4月。
吹奏楽部に所属していて、今までは教わる立場だった皆さんも、もうすぐ新入部員が入ってくる時期ですね。
後輩ができたら、演奏面でびしっと見本になることも大切ですが、まずはクラリネットの扱いや吹き方を伝えていかねばなりません。
自分達も教わってきているので、それを伝えればいいだけのことですが、そうは言っても、意外と言語化して他人に伝えるというのは、難しいもの。
誰かに教えたり伝えたりすることは、自分自身の得手不得手を見返すきっかけにもなりますので、積極的に取り組んでいただきたいですが、「教えるなんてちょっと自信ないかもー」「何を伝えたらいいのかわからない…」という皆さんのために、今回は「初めてクラリネットに触れる人への教え方のコツ」をお伝えしていきましょう。
まずは上手に勧誘!
ここ数年は「とりあえず楽器を吹いてもらって、好みのものを選んでもらう」というのが難しくなっていて、見た目だけで判断せざるを得ない状況も多いと思います。
しかしそうなると、全体がキラキラしていない地味なクラリネットは人気がない、というのが、残念ですが現状です。
その場合、先輩達がクラリネットの良さをわかっていて、上手に説明することが、より多くのクラリネット吹き獲得には欠かせなくなってきます。
「温かくて柔らかい音が出る」
「とても音域が広い」
「メロディーも伴奏もできて、大活躍!」
などなど、クラリネットの魅力を今一度考えてみて、きちんと伝えられるようにしておいて下さいね。
もちろん、新入生歓迎会などで「あの黒い楽器、かっこいいかも!!」と思ってもらえる演奏も、大切ですよ。
吹奏楽部の新入部員にクラリネットを教える時に大切なこと

「新人さんにクラリネットを教える」となると、ちょっと緊張してしまいますが、要点を押さえておけば、自信を持ってできるはずですので、教える場面に直面する前に、しっかり整理しておきましょう。
音の出し方
もしも、いろいろな楽器の音を出してからパートを決めるようであれば、「初めてクラリネットを吹いた時に鳴らすことができた!」という経験は、クラリネットに興味を持ってもらうための、大切な第一歩です。
また、見た目や、元々の印象で選んだ新入部員だとしても、最初に音が出れば、「あ、楽しいかも!」と思ってもらえて、そこから熱心に取り組んでくれるようになるでしょう。
ですので、いずれにせよ初めてのクラリネット体験で音を鳴らしてもらうことは、とても重要になります。
しかしクラリネットは、実は音を出すのが難しい楽器なので、ポイントを押さえて説明しましょう。
- 下唇を巻く
- 上の歯はマウスピースに当てる
- 噛まずに、しっかり挟む
- 思い切って、前に息を出す
以上の点を説明しながら、音出しにトライしてもらいましょう。
力んでしまって息自体が体から出てない時は、
「大きい声を出すのと同じだよ」
「歌う時みたいに息を出してみてね」
などと伝えて、リラックスを促すといいですね。
かすかにでも音を出すことができたら、「クラリネットは音を出すのが難しいので、すごいことだよ!」と伝えてあげて下さいね。
組み立て・リードつけ
無事にクラリネットパートに決まった後輩がいたら、楽器の組み立てとリードつけを正しく教えてあげて下さい。
tokyo-clarinet-school.com
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クラリネットの組み立ては、「上管と下管の接続の仕方」だけは、絶対に外してはいけない説明です。
きちんと組み立てられていないと、音が出にくくなることもそうですし、上管の接続部分を正しく扱わないと、楽器屋さんに修理をしてもらわなくてはいけなくなります。
理由も一緒に説明できると、相手の心に残りやすくなりますので、しっかり伝えて下さいね。
また、リードもちゃんとつけられないと、音の出方が変わります。
- リードの高さ・まっすぐついているか
- リガチャーの高さ・まっすぐついているか
が説明のポイントです。
もしうまく伝える自信がなかったら、もう一度正しいリードのつけ方を確認しておくと、自分がクラリネットを吹く時にも役立ちますよ。
片づけ
スワブを詰まらせないように重々気をつけることと、水分をしっかり取り切ることが、クラリネットの片づけでは大切です。
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そんなに難しいことはありませんが、クラリネットはパーツが多いので、片づけにも時間がかかってしまい、ついつい慌ててしまいがちです。
まずは丁寧に、焦らず片づけるように、お話してあげて下さい。
後輩と一緒に成長していこう

このように要点を押さえて考えてみると、教えることもそんなに難しくないですよね。
自分自身がうまくなれば嬉しいように、いろいろと教えてあげた後輩がどんどん上達していくのも、嬉しいものです。
また、最初にお伝えしたように、人に教えることは、自分の得意なことや苦手なことが見えるようになってきますので、教えられる機会を大切に、後輩と一緒に成長していって下さいね!