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クラリネットの高い音を丸く柔らかくする方法

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座って演奏する生徒

だいぶ秋の気配がしてきましたね。

私は、うっかり窓を開けたまま寝てしまうことも多いのですが、喉風邪をひく大きな要因になってしまうので、皆さんはお気をつけ下さいね。
喉が痛い時は、楽器の練習はお預けになってしまいますよ。

さて、クラリネットを演奏している上で、「高音がきつくなってしまう」というのは、かなり多くの方が抱えているお悩みだと思います。

高い音は、そもそも周波数が高いので、キンキンして聞こえるものですが、クラリネットの奏法を誤ると、そのキンキンがさらに強調されてしまうことになります。

吹奏楽などでも、意外と高音は出てきますので、今回は少しでも柔らかく聞こえる音を出すためにはどうしたら良いかを、考えていきましょう。

高音がきつくなる理由は?

丸く柔らかい音の出し方を考える前に、まずはクラリネットの高い音がきつくなってしまう原因を知りましょう。

主な原因は、

の4点です。

クラリネットは、低い音から高い音まで、息のスピードや形を変えることは、基本的にはしません。
しかし、高い音をきちんと鳴らすためには、スピードのある息が必要です。

これは、「低い音も、高い音が鳴る息で吹く」ことを意味するのですが、どうしても「高い音は頑張って速い息を入れねばならない」とだけ考えてしまいがちです。

すると、「頑張って速い息を入れる」が、力みに繋がってしまいます。
力みながら声を出してみるとわかるように、力のかかった息は、硬い音しか鳴らせないため、きつい音色になってしまうのです。

アンブシュア(口のくわえ方)

「高い音は、口をきゅっと締めて出す」と思っていませんか?

確かに、口を締めて息を通した方が、簡単に息のスピードを上げることができます。
しかし、口が必要以上に締まってしまうと、リードの振動が妨げられてしまうため、「高い音は出るけれど、キーキーして、なんだか嫌な音…」ということになってしまいます。

High B♭より上の音は、指が飛び飛びの独特な運指をしますね。

特に、左手人差し指を使わないことがとても多いため、どうしてもその指が上がって、ぴーんと伸びてしまったり、右手の小指に力が入ってしまったりします。

良くない指の形

指に力が入れば、もちろん腕・体・口などにも力が入り、息もスムーズに出なくなるため、先述のことに繋がり、きつい音が鳴ります。

イメージ

高音を出すイメージというのが、音色に直結します。

「頑張らないと出ない」「息を勢いよく入れないと出ない」など、吹き方に関するイメージもそうですし、息の出し方の形のイメージも、「鋭く出す」「とにかくわーっと息を入れる」と思っていたりすると、そのような音色になります。

丸く柔らかい高音を出すためのイメージとは

座って演奏する生徒

きつい音になってしまう理由がわかったら、丸く柔らかい高音を出すために大切なことも、わかってきます。

美しい高音を出すためには、先程書いた4つの要素が大切ですので、まずはそのためのイメージをしっかり固めましょう。

高い音をしっかり鳴らすためには、スピードの速い息は不可欠です。
私は、ぴんと張った糸や針金くらいの細さの息を、素早く、前にまっすぐ出し続けているイメージで高音を吹いています。

広い面(例えば30cm角くらい)で、ばーっと息を出すようなイメージで吹いてしまうと、息を力で押すような吹き方になってしまうので、スピードも落ちますし、音が広がってしまいます。

ピアノやギターなどを、想像してみましょう。
高音を鳴らす弦は細いですね。
弦を使う楽器と管楽器では、音の鳴る原理が違いますが、そんな細さのイメージを持つ、ということです。

しかし、これはあくまでイメージで、実際に息をそんな細さにするわけではありませんので、注意しましょう。

そして、その細い糸や針金の形を想像しながら息を前に出しつつ、音を出すイメージは、裏声を出す時のように、頭の後ろから斜め上に向かって出てくるようにします。

そうすることで、鳴らす音のイメージが鋭くなりすぎす、息はしっかり前に出すことができるようになります。

ちょっと難しいですが、息は前に素早く、音は裏声を出す時のようなイメージを持つようにしましょう。

息は、楽器に斜めに吹き入れる、ではなく、自分の顔から上にしか世界がないように想像をして前に出すのも、高音を鳴らす時には有効です。

また、音が顔の前から伸びた糸や針金に、軽やかに乗っかっているようなイメージも持てると、音も軽やかに出せるはずです。

力はどこにもかけない

笑顔でクラリネットのセッティングをする生徒

イメージがしっかり持てたら、実際に音を出してみましょう。

アンブシュア(口のくわえ方)は、高音を出すからと締めたりゆるめたりせず、例えば開放「ソ」を吹いている時と同じようにしましょう。
指も、ぎゅうぎゅうと楽器を握りしめたり、使っていない指が伸びてしまうようなことは避けて下さい。

そして、恐る恐る吹くのは禁物です。

柔らかな音を出そうと思って、探りながら息を入れてしまうと、息のスピードは落ちますので、鳴らなかったり、重音(鳴らしたい音以外にも低い音が同時に鳴る状態)になってしまったりします。

息を一度吐いて体を空にしたら、たっぷり吸って、前にまっすぐ、思いきって息を出します。
その時に、力は一切入れません。
軽やかに、しかしまっすぐな音を想像しながら、楽に吹いてみましょう。

以前よりも、鋭さが減った柔らかい音が鳴りませんか?

ただ、もしかしたら、音量は以前より下がったように感じるかもしれません。
それは、「高い音を出す!」と頑張って、勢いよく息を入れていた時よりも、良い意味で音がきゅっとまとまり、丸く柔らかな音になったため、そのように聞こえるだけです。

音量よりも、響かせることを意識して吹ければ、高音は嫌な音にならず、演奏することができます。

「理想の高音」を持とう

高音は「自分の音色が嫌だから」という理由で、ついつい練習をすることを避けてしまいがちです。
しかし、練習しなければ、その「嫌な音」からは抜け出せませんね。

息や音の出し方のイメージにプラスして、「どんな音を鳴らしたいか」というイメージがしっかり持てていると、その音色を目標に頑張ることができます。

いろいろな音源を聴いて、自分の好きなクラリネットの高音を見つけてみましょう。

そして、今回お話したことを参考にしていただいて、その音色に近づけるよう練習を重ねてみて下さい。
ただし、その理想に近づけるために、奏法(息の入れ方や口の形など)自体を崩してしまうと、他の音域でまた迷いが生まれてしまうので、吹き方は変えないようにくれぐれも気をつけましょう。

何事もそうですが、焦らず丁寧に練習することが大切。
自分の状態をその都度しっかり把握しながら、良いイメージを持って、少しずつ頑張って下さいね。

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