8分の〇拍子が間延びする原因になるリズムを押さえよう
2022年5月21日、今年5回目の中級者アンサンブルが開催されました。
なんだか梅雨の走りのような天気が続いたりして、クラリネットを持って歩くのも、気を遣いますね。
クラリネットにとって、もちろん水は大敵ですので、万一にでも、楽器ケースの中に雨が入ってしまうことがないように、重々気をつけて下さい。
今日も、E♭クラリネット・B♭クラリネット5名・アルトクラリネット・バスクラリネットの計8名で演奏していきます。
演奏曲は、引き続き福田洋介作曲『うるわしき夢』です。
本番に向けてプランを持とう
この『うるわしき夢』の演奏も、今月で4回目となります。
月1回集まって、レッスンを受けて、なんとなく仕上がった頃に発表会がやってくる、というのでは、おもしろみも半減してしまうので、それぞれが本番に向けて、自分自身の進捗や仕上げのプランを持つようにしましょう。
全体の仕上がりについては、講師がもちろん考えてはいますが、お一人ずつが「この月には、こういうことができるようにしよう」「こんなことに注意して取り組もう」と考えているかどうか、というのは、アンサンブルの精度に差が出てきます。
また、都度目標を持ち、それを達成して積み重ねていくことは、曲に対する思いも増しますので、ざっくりとしていても構いませんので、練習する時、アンサンブルする時、それぞれに取り組む課題やプランを考えて臨んで下さいね。
8分の〇拍子が間延びする原因になるリズムを押さえよう
今回演奏の『うるわしき夢』は、最後に4分の2拍子が少しだけ出てきますが、基本的には8分の6拍子と8分の3拍子で構成されています。
8分の〇拍子は、〇に入る数字が3で割れる場合(3・6・9・12)は、八分音符3つがひとかたまりで進んでいきます。
その際、よほど遅い曲でない限りは、付点四分音符を基準に数え、付点四分音符1つを頭の中で八分音符3つに刻んで演奏していくことがほとんどです。
譜例の上の段のように「1・2・3・4・5・6」と数えるのではなく、下の段のように、8分の6拍子は2拍子で数えて、かつ3のカウントもしていく、というわけです。
この「1つの音符を3つに割る」というのは、ただでさえ厄介なのですが、さらに、間延びしてテンポ感を失いがちなリズムというものがあります。
それが下記のようなリズムです。
なお、同じ段に書いてあるリズムは、拍の長さが違うだけで、同じリズム・同じ入りです。
1のリズム
これは、1拍目の四分音符が長くなったり、2拍目の八分休符が長くなったりして、3拍目が遅れてしまいやすいリズムです。
1拍目で落ち着いてしまわず、思っているよりもほんの少しだけ前の意識で3拍目に入るようにしましょう。
2のリズム
1拍目の八分休符を「ウン」と感じすぎてしまうことにより、2拍目の入りが遅れやすいリズムです。
曲のテンポにもよりますが、「ウ」と思ったくらいで吹き出すと、ちょうどよく入れます。
3のリズム
「1拍目が長いリズム」と思うことによって、重たい吹き方になってしまい、2拍目の裏の十六分音符の入るタイミングが遅くなってしまうリズムです。
1拍目が「よっこらしょ」と落ち着いてしまわないように、1拍目の音のイメージを、上に向けて、少し跳ねるように吹くと、その勢いで次の十六分音符を吹くことができます。
流れるような演奏を目指そう
今回挙げた3つのリズムは特にですが、それ以外にも、奏者ごとに拍感が失われがちなリズムがあるはずです。
間延びしてしまうと、どんどんと後ろに引っ張られたような演奏になり、「前に行きたいんだけど行けない」「曲が流れない」という事態に陥ります。
走ってしまうのも良くありませんが、うまくリズムをはめて、流れのある演奏を目指していきましょう。