求められている曲調を表現するために必要なこと
2021年6月19日、今年4回目の中級者アンサンブルが開催されました。
早いもので、発表会まで残すところあと2回。
約3週間後にはもう本番です。
本日も、発表会に参加されるE♭クラリネット1名・B♭クラリネット5名と、講師のバスクラリネットの計7名でアンサンブルしていきます。
曲目は、発表会での演奏曲、グリフェス作曲『幻想小曲集より スケルツォ』です。
録音した演奏を練習に活かそう
先月、最後の通しの際に録音をして、皆さんで共有・確認していただきました。
その後、気になった部分について、それぞれ練習してきていただいたと思いますので、今日はアンサンブルとして、しっかり修正していきましょう。
録音することは、客観的に自分達の演奏を捉えられるので、精度を上げるのにとても効果的なのですが、どうしても「録音した」「聴いた」ということで満足してしまいがち。
きちんと練習に反映させることが必要です。
録音を聴く際には、パート譜やスコアを見ながら、気になった部分をどんどん書き込むようにしていき、実際に吹く時にすぐにわかるようにしておきましょう。
求められている曲調を表現するために必要なこと
さて、今回演奏している曲は『スケルツォ』です。
ソロにしろアンサンブルにしろ、作曲家が求めている曲調というものがあります。
ですので、それを見つけ出し、表現するべく、あれこれと考えながら練習をしていかねばなりません。
この曲ももちろん同じように作り上げていくのですが、『スケルツォ』というのは曲の種類ですので、こちらの曲に関しては「曲名=求められているもの」ということになります。
ということは、答えが書いてあるわけですが、「では、スケルツォとはなんなのか」がわからなければ、表現することはできませんね。
もし、今回の演奏曲のように「曲名が曲の種類である場合」は、まずその言葉の意味を調べることから始めましょう。
スケルツォについては、簡単に言うと「軽やかでテンポの速い曲」ということです。
イタリア語の元々の意味は「冗談」だそうで、このように言葉の持つ意味を知ることによって、なんとなく曲のイメージが掴めるような気がしてきますね。
少なくとも、後ろ向きになっていい曲ではありませんし、べたっと吹くこともそぐわないことがわかってきます。
時間を取れるようであれば、いろいろな『スケルツォ』を聴いてみると、より「どのような曲がスケルツォと呼ばれるのか」「スケルツォというのは、どんなふうに演奏されるのか」ということも、見えてくるでしょう。
技術的な練習ももちろん大切なのですが、求められている曲調を表現するために、クラリネットを吹く以外にも準備や知識を深める作業をしておくことが、アンサンブルの完成度を高めます。
「さらに良い演奏」を目指そう
本日のクラスも終わり、みんなで合わせられるのも、発表会前日のみとなりました。
だいぶ流れのある演奏になってきましたが、もっともっと締まりのある、かっこいい演奏が目指せるはずです。
「スケルツォらしさ」の向上と、細部の精度を上げていけるよう、今回の録音もしっかり聴いて、各自練習をしておいて下さいね。