彩り豊かなアンサンブルにするためには
2022年4月16日、今年4回目の中級者アンサンブルが開催されました。
先月よりも、日ごとの寒暖差がさらにひどくなっていますね。
のどの痛みがあったり、鼻が詰まっていたりすると、クラリネットをお休みしなければいけなくなりますので、体調管理にはしっかり気を配って過ごしましょう。
すっかり大所帯となった中級者アンサンブル。
今日も、E♭クラリネット・B♭クラリネット5名・アルトクラリネット・バスクラリネットの計8名で演奏していきます。
演奏曲は、引き続き福田洋介作曲『うるわしき夢』です。
合わせの間が空いてしまう時の練習方法
今回のアンサンブルは、3月のクラスから5週空いてしまいました。
過去にもそういうことはありましたし、いつもより1週余分に間があっただけなのですが、なんだか先月のアンサンブルがとっても遠い記憶のような…と思っていたところ、ご参加の皆さんも同じように感じられていたそう。
となると、前回どんなことをやったのか、どう演奏していたのかも、若干うろ覚えになっている可能性がある、ということになります。
元々、どのアンサンブルクラスも月に1回しかありませんので、今回のように長めに間が空いた時ではなくても、その懸念はついて回ります。
ご参加の方々は、アンサンブルでやっている曲のみに集中できる方ばかりではなく、ソロや楽団での演奏曲などに取り組んでいる方も多いので、そちらにも時間を割かねばならないですよね。
その場合、自分の中で優先順位をつけて練習すると思いますが、例えば「1ヶ月後までやらない曲」というのは、どうしても先送りされてしまいます。
ただそうすると、先程書いたように「あれー、前に何やったっけ?」という事態になってしまいますので、アンサンブルクラス後に、まずはなるべく早い段階でおさらいをするようにしましょう。
その後は、できれば週に1回くらいのペースで、少しでもいいので練習して、以前の記憶を留めるように心がけます。
もしどうしても吹く時間がなければ、楽譜をさっと見るだけでも構いません。
とにかくすっかり忘れる前に、思い起こす作業をする、ということが大切ですので、「明日アンサンブルだから、久しぶりに練習しておこう!」というやり方は、避けるようにした方がいいですね。
彩り豊かなアンサンブルにするためには
現在、中級者アンサンブルの皆さんが取り組んでいる『うるわしき夢』ですが、今回で3回目の合わせとなります。
だいぶ慣れてきた頃かと思いますので、自分のパートを正しく吹くことや、縦の線を合わせること以外にも、音楽的な演奏を心がけていきたいですね。
「音楽的な演奏」と一言で言っても、いろいろありますが、今回気にするのは「強弱」です。
「強弱」というのは、文字の通り「強い」「弱い」を表す記号ですし、音楽の授業でも「大小ではなく、強弱ですよ!」と教わりますが、ただ単純に「フォルテは強い」「ピアノは弱い」ではなく、場面場面に合わせた音色や音量を表現することで、演奏に彩りや深みが出ます。
例えば作曲家が、「教会に朗々と響くように」「力強くノックするような」という表現をしたいとすると、いずれも強弱はフォルテになります。
しかしこの2つは全く違う状況ですので、同じフォルテでいいはずはありませんね。
また、フォルテで吹いたフレーズを、ピアノでエコーとして吹く際、「フォルテは力強く」「ピアノは弱々しく」と吹き分けてしまうと、雰囲気が違ってしまいますので、そこは音量に差をつけるだけで、演奏の中身は変えてはいけません。
このように、強弱をただの「強い」「弱い」として受け止めず、「ここで求められているのは、どんなフォルテ(ピアノ)なのか」を考え、またそれをアンサンブルのメンバー全員で表現することが、色彩豊かな演奏につながります。
それを楽譜から読み取ることは、答えがあるわけではないのでなかなか難しいのですが、常に心がけて演奏に取り組みましょう。
曲のイメージを膨らませて表現できるようにしておこう
今回の演奏曲は、主に三部構成になっています。
作曲家により、題材は提示されていますが、「ではこのフレーズは何を表しているのか」ということまでは、当然言及されていません。
先述した通り「楽譜から読み取る」という作業は、とても難しいものですが、感受性や想像力をフル稼働して、曲のイメージやシチュエーションを具体的に頭の中に描けるようにすることが、吹いていても聴いていても楽しい演奏につながります。
当然、思い浮かべるだけではなく、それを表現できるようにせねばなりませんので、楽譜を追って音を吹くという段階から、一段も二段も上がれるように、うまく練習を進めておいて下さいね。