多彩な強弱を表現するために持つべきイメージ
本日は、午前中の中級者アンサンブルに引き続き、上級者アンサンブルも行われました。
本番前日ということで、発表会に出演されるB♭クラリネット4名とバスクラリネット1名の計5名、全員揃っての演奏です。
24時間後には、ちょうど本番が終わっていると思うと、妙な緊張感がありますが、今までやってきたことがしっかり出せるように、最後の仕上げを頑張っていきましょう。
演奏曲は『メリーウィドウセレクション』です。
まずはテンポキープを第一に
前回、「速い部分はきちんと速く吹く」ということに重きを置いて、最後の通しを行いました。
以前から何度もお話してきましたが、どうしてもアンサンブルの際のテンポは、探り合ってしまって遅くなりがちですし、「今までやってきたテンポよりも全体的に上げる」というのは、つい元のテンポに戻りがちです。
さらに今回の曲は、メドレー形式で、最初の部分と最後の部分だけが速い曲なので、中間部のゆっくりした曲から速いテンポに切り替える時に、守りに入ってしまうことが多くなりやすい作りになっています。
疾走感を持って曲を終わるためにも、しっかりとテンポチェンジ・テンポキープできるように、全員の気持ちを揃えていきましょう。
多彩な強弱を表現するために持つべきイメージ
強弱の切り替えをきちんとして、音量の幅を広げることは、どのアンサンブルクラスでも、また、通常の個人レッスンでもお話してきていることですが、さらに一段上の演奏にするには、強弱の種類の引き出しを増やすことが不可欠です。
例えば、「ピアノ」という音量があった時に、「それはなぜピアノという指示がされているのか」ということまで、考えるようにしましょう。
具体的に言うと、
- 目の前にいて、弱い演奏
- 普通に吹いているけれど、1枚壁を隔てているので弱く聞こえる演奏
- 隣町でガンガン吹いているけれど、距離があるので弱く聞こえてくる演奏
など、「ピアノ=弱い」だけではない、「なぜ弱いのか」のイメージまで考えられると、音楽は彩りを増します。
また、今回のようなメドレー形式の曲はもちろん、そうではない一般的な作りの曲でも、強弱の中身は変化するものです。
「私、この曲を吹く時のフォルテは、この音量って決めたんだ」ということは、やるべきではありません。
なぜその音量が指示されていて、そこではどんな意味を持っているのか、まで考えて、臨機応変に、作曲家がどのような意図・思いでその強弱を書いたのかまで、しっかりとイメージするようにしましょう。
各曲のイメージを再度持ち直しておこう
ざっとにはなりましたが、メドレーの各曲を再度確認したので、最後の通しでは曲ごとの切り替えもきちんとできていて、良い演奏だったと思います。
今一度、それぞれの曲をどんなふうに吹きたいか、というイメトレをして、明日のリハーサルに臨んでいただけたら、本番も良い出来になるはず。
アンサンブルクラスのトリに相応しい演奏、期待していますね。