些細に思える部分をしっかり押さえた演奏をしよう
本日は、上級者アンサンブルが行われました。
今回は発表会出演予定の方が全員ご参加下さり、B♭クラリネット4名・バスクラリネット1名でのアンサンブルです。
今月も、A.リード作曲『アルメニアンダンス・パート1』を仕上げていきましょう。
本番の衣装について考えよう
今日はまず「発表会の衣装をどうするか」の相談をすることになりました。
いつもは、特にアンサンブルメンバーで服の色合いなどを揃えることはないのですが、今回の発表会は立派なホールでの開催になるので、皆さんちょっと気になったよう。
服装で演奏の質が変わるわけではありませんが、でもやはり見た目は大事。
ぴしっとした格好をしていたら、お客様にも好印象を与えられますね。
ソロ演奏でも出演される方達がほとんどなのもあり、ああでもないこうでもないと、少し時間がかかりましたが、かっこいい衣装に決定したようです。
気持ちも揃えて、演奏もかっこよくきめましょうね!
求められる「ずれを修正する力」
軽くチューニングをしたら、早速通し演奏です。
先月の最後に通した時は、少し探り探りな部分もあったのですが、今日の通しは見違えていましたね。
合わせられるのは月1回でも、やはり個人でできることを増やしておくというのは、全体的な質を高めることに繋がります。
また、一ヵ所ずれかけてしまい「あー、止まっちゃうかな?」と思った部分があったのですが、立ち直るきっかけをトップの方が作って下さり、それを全員がしっかりキャッチして、事なきを得たのは、もう「さすが!」といったところでした。
以前も書きましたが、アンサンブルには指揮者がいませんので、大きな編成での演奏よりも、お互いの意思疎通がより大切になりますし、その時々で合図を出す人の存在は、とても重要です。
当然、いかにうまく合図を出してくれても、周囲がそれに合わせて演奏することができなければ、演奏は崩壊に繋がってしまいますので、アンサンブルの質の高さというのは、全員の肩にかかっているわけです。
演奏的にも精神的にも、ずれないに越したことはないのですが、そういう点で、今日の通し練習でずれかけたことは、このアンサンブルの底力を見ましたし、皆さんも良い経験になったことと思います。
今日の課題は「ちょっとした入りの正確さ」
さて、そんなわけで、全体としてはかなりまとまってきているのですが、少し気になったのは、ちょっとした部分、ごくごく些細なフレーズの入りなどが、ばらけることが多かった点です。
個人レッスンでもよく話すことですが、音楽が流れることと、流れてしまうことは、似て非なるものです。
「なんとなく気持ち良く、流れるように吹いていた結果、次のフレーズに入りました」というのは、音楽を奏でる上で、正しいようで少し残念な演奏になります。
これも常々お伝えしていることですが、音楽のフレーズと文章のまとまりというのは、とても似通った部分があり、文章に「、」や「。」があるように、音楽にも「、」「。」に当たる部分があります。
文章を朗読する時に、流れるようにすらすらと読めば、心地よく聞こえますが、「。」なのにちょっとした間もなく読み進められると、聞いている側は、なんだか落ち着かないような気分になるはずです。
それは音楽も同じ。
文頭にあたる、「押さえどころ」というのがあり、そこを意識して入ることで、「ここから新たなフレーズに入るのだな」と聞き手に伝えることができます。
そしてアンサンブルでは、その意識を共有し、全員で揃ってその部分に入ることで、音楽の精度が思っている以上に増しますので、「気づいたら次のフレーズに入っていた」ということがないよう、気をつけて演奏しましょう。
また、入るタイミング(音を鳴らすタイミング)を物理的に揃えることも、重要です。
楽譜からフレーズをしっかり読み取ろう
文章と違って、音楽には明確にフレーズを区別するものは、めったに楽譜に書いてありませんので、自分達でそれを読み取る必要があります。
アンサンブルであれば、さらにその認識を奏者全員で揃えることができれば、締まりのある演奏へと繋がりますので、みんなで相談したり、合わせていく中で捉えられるようにしていきましょう。
次回はさらに、精度と安定感を増した演奏を目指しましょうね。