アンサンブルの基礎知識を知っておこう
2019年2月25日、今年2回目の合奏未経験者向けアンサンブルが行われました。
いつもご参加いただいている方が、どうしてもご都合がつかず、開催が危ぶまれた今回でしたが、「アンサンブルに興味はあったけど、参加はまだまだ先のつもりでした」という生徒さんに『体験』という形でお越しいただいて、無事に今月のアンサンブルも行うことができました。
レッスンでの二重奏以外のご経験はない、とのことで、今回はしっかりアンサンブルの基礎からお伝えしていきましょう。
演奏曲目
- 早春賦
- ロンドンデリーの歌
- ロンドン橋
クラリネットアンサンブルでの並び方
まず、クラリネットのみのアンサンブルにおける並ぶ順番ですが、奏者から見て右側が高い音を担当するパート、左側が低い音を担当するパートになるように座る、または立ちます。
ピアノに向き合った時に、左手側が低い音、右手側が高い音になるのと同じですね。
人数や好み、演奏場所の響き方などによっても、変わる・変えることがありますが、ほとんどの場合はこの並び方で演奏します。
演奏前にはチューニング
複数人で演奏する場合には、必ず基準の音をチューニングしましょう。
1つ音を合わせたからと言って、全ての音が合うわけではありませんが、基準すら合っていないと、せっかくいい演奏をしても、美しく聞こえません。
その際、チューナーは使っても使わなくてもいいと、私は考えています。
大人数の場合は、明確な基準音(主に442Hz)を決めた方がいいですが、少人数であれば、どうしても音が低くなってしまう人や、一番経験の浅い人に合わせてチューニングをすると、チューニングにかかる時間が短くて済みます。
なぜなら、クラリネットは音程が低い時に、それ以上上げることが楽器の構造上難しいので、442Hzにこだわりすぎると、吹き方を変えて無理矢理合わせるような形になってしまいます。
また、経験が浅い場合「ずれてるのはわかるけど…」と、途方に暮れてしまうようなこともあるので、慣れている人がパッと合わせられれば、効率的ですね。
アンサンブルで効果的な練習
個人個人が、しっかり練習してくることは大前提として、「みんなが楽譜通り吹いているのに、なんだかしっくり来ない」という時に効果的なのは、役割ごとに分けて吹いてみる練習です。
大まかに、曲での担当は
- メロディー
- メロディーのハモり
- オブリガード(対旋律)
- 伴奏(刻み)
- 伴奏(ハーモニー)
に分けられるかと思います。
(ただし、常に全ての役割が存在するわけではありません)
これらを、役割ごとに吹いてみましょう。
今回は三重奏でしたので、「メロディー(1人)」と「メロディー以外(2人)」に分けて練習しました。
そうすることで、自分が何を担当しているのかを明白にすることができ、また、他のパートが何をやっているのかが見えるようになります。
アンサンブルや合奏で特に大切なのは、他のパートがどんなことを吹いているか把握し、合わせるべき点でしっかりと縦の線を合わせること。
クラリネットだけ、というように、同族楽器でのアンサンブルは音色が同じため、まとめて練習している中で他のパートを聞き取ることは難しいので、この分解練習で自分以外のパートを聞くことにより、そのポイントを知ることができます。
他のパートが吹いている時は、お休みではありませんので、しっかり楽譜を見ながら聞きましょう。
そして、「ここは重要!」と思う箇所は、楽譜に書き込んでおくと、個人練習や合わせの時にさらに意識ができていいですよ。
みんなで合わせる楽しみ
初めてのアンサンブルを心配されていた生徒さんでしたが、楽しく吹いていただけたようです。
1人で吹いてももちろん楽しいクラリネットですが、管楽器は音が1つしか出せませんので、アンサンブルや合奏は「音の重なり」という、別の楽しみがあります。
「人と合わせるなんて怖いなぁ」と思われるかもしれませんが、簡単に吹ける楽譜もありますので、興味のある方にはどんどんご参加いただいて、新しい体験をしていただけたらいいなと思います。
また来月も、楽しく、かっこよく、アンサンブルしましょう。