アンサンブルでテンポキープするために必要なこと
本日は上級者アンサンブルが行われました。
前回アンサンブルからの1ヶ月の間に、さらに季節が進みましたね。
冬に楽器を持ち歩くと、ケースに入れていても結構冷えてしまうので、外を移動したあとは、時間に余裕があれば吹く前にしばらく室温になじませたり、吹き始めにこまめに掃除をして水を取り除いたり、夏以上にクラリネット本体の温度に気を配るようにしましょう。
今日は、数ヶ月ぶりに全員揃う予定でしたが、急なお仕事で残念ながらお休みの方がいらっしゃったので、今回はB♭クラリネット4名とバスクラリネット1名の計5名でのアンサンブルです。
演奏曲は、引き続きA.リード作曲『エル・カミーノ・レアル』です。
仕上がりのテンポで練習する大切さ
今回も、まずは通しから。
なにせ1ヶ月ぶりですので、音楽的な演奏・テンポなどの部分で、前回最後の状態からスタートする、というのは、なかなか難しいですね。
今回特に気になったのは、テンポ。
要因はいくつかありますが、以前からたびたびお伝えしてきた「インテンポで練習したか」という点が、大きく影響してきます。
今回の曲は特に、速くて細かい部分があるので、ゆっくり丁寧に練習することは大切ですが、かと言って、遅いテンポでばかり練習していては、当然「本来はどれくらいの速さの曲なのか」「実際に吹いてみるとどんな感じなのか」ということを、掴むことができません。
もちろん、テンポの遅い部分も同じで、「どれくらい遅いのか」を把握しておく必要があります。
楽譜に指示されたテンポは絶対ではありませんが、練習は当然各々でやっているわけで、共通した意識を持つためには、決まった速度でメトロノームをかけて練習しておくことは不可欠です。
「速すぎて吹けないからゆっくりやっておこう」「遅いところは吹けるし、練習にメトロノームはなくていいかな」ということではなく、目安となるテンポを、自分の中にしっかり入れておきましょう。
アンサンブルでテンポキープするために必要なこと
小編成のアンサンブルでは指揮者がいませんので、演奏中のテンポキープは、奏者達でやるしかありません。
前述した「インテンポでの練習」は準備段階の話ですが、いざみんなで合わせる時は、どんなことを気にしたらいいのでしょうか。
まず探らないこと。
今回、最初の通しでは、後ろに引っ張られているように聞こえる部分もありましたし、実際に遅くなってしまっていた部分もありました。
これは、「ここでこんなふうに入ってしまって大丈夫かな。他の人はどんな感じかな」と、周囲に気を配っている結果なので、悪いことではないのですが、それを全員でやってしまうと、思いきって入る人がいなくなるため、どんどんと後ろ向きな演奏になっていきます。
練習では、もしずれてしまっても修正すればいい話なので、「飛び出さないかな」などと思わず、「ここ!」と思ったポイントでしっかり吹くようにしましょう。
次に大切なのは、周りを聴きすぎないこと。
これは、好き勝手吹いていい、ということではありません。
他のパートをきちんと聴いて、みんなでアンサンブルすることは絶対なのですが、昨今特に距離を取っての演奏のため、例えば1stを担当している方が、向かい側に座っているバスクラを聴いてから動く、というような吹き方をしてしまうと、音の伝わる速度は少し遅いので、どうしても時差が生まれてしまいます。
それは、ごくごくわずかではありますが、演奏がばらけて、遅れていく原因になります。
本来、指揮がないアンサンブルはきゅっと集まって座り、他のメンバーのちょっとした動きや、ブレスを取るタイミングを察して、動き・音楽をシンクロさせていくものなのですが、今はそのようにセッティングすることは難しくなっています。
ですので、広い範囲にアンテナを張り、少しでも他の奏者の動きはキャッチしていかねばなりませんが、音を聴きすぎてしまうことには、充分注意をしましょう。
伸ばしている間もしっかりカウントしよう
クラスの最後にも曲を通しましたが、今日最初に通した時よりは、前向きで、流れのある演奏となりました。
ただ、打楽器がないこともあり、全員が伸ばす音だと、どうしても拍感がなくなって一斉に不安になる、という状況が何回かありましたね。
心配になって、誰かが一瞬でも躊躇すると、不思議なことにそれが一気に伝播して、拍が失われます。
音を伸ばしている時には、機械的なくらいきっちりと、頭の中でカウントする練習をしておきましょう。
練習の際にメトロノームをかけていると、数は数えていても、均等にカウントする、ということは意外と意識しなくなってしまうので、伸ばしの音の時にはメトロノームと一緒にカウントして、しっかり拍感のキープができるようにしておいて下さい。