臨時記号に惑わされないようになろう

2022年10月22日、今年10回目の中級者アンサンブルが開催されました。
前回アンサンブルクラスから、あっという間に4週間経ってしまいましたね。
気づくと年が明けてそうで、恐ろしい限りです。
お一方、しばらくお休みされることとなったのと、急遽お一人いらっしゃれなくなってしまったので、今日はB♭クラリネット5名とバスクラリネット1名の計6名で演奏していきます。
演奏曲は、酒井格作曲『たなばた』です。
いつもと違うスタジオの吹き心地は?
土曜日午前中にクラスを開催してから、早3年経ちましたが、ずっと使っていたスタジオの倍率がすっかり高くなってしまい、今までの部屋が確保できないことが増えてしまいました。
ご参加の皆様には、多大なるご迷惑をお掛けしていますが、今日は吉祥寺の駅近の公共施設ということで、「駅から近くていいですねー!」と、喜んでいただけてほっと一安心。
(入口のエレベーター表示のせいで、迷われた方も多かったようですが…)
この音楽室は、広々として天井も高く、いつもより残響も多め。

この残響が、アンサンブルだとワンワンしてしまって、大変なことになるのでは…と懸念していましたが、意外に響きすぎることもなく、きれいに聞こえていましたね。
ハーモニーを取る上でも、本当は同じ場所で練習を積んでいった方が良いのですが、現状ではそれも叶わないので、「どんな場所でも、すぐに馴染んでアンサンブルできる」というスキルを上げていっていただけたらいいなぁと思います。
臨時記号に惑わされないようになろう

さて、今日の練習も、まずは通しから。
皆さん、しっかり練習してきて下さったようで、前回よりかなり各パートの音が聞こえるようになっていました。
ところが、中間部のゆったりしたあたりから、なんとなく自信なさげな方が増えてきて、速いテンポに戻ったところでは、臨時記号の嵐に翻弄され、不安そうに吹く方だらけに。
調性記号(調号)では問題なく演奏できる#♭も、臨時記号だとわからくなってしまったり、また、とっさに苦手な音に対応できなかったり(ファ#なら吹けるけど、ソ♭は考えてしまう、など)と、臨時記号ならではの難しさというのがありますね。
1つだけぽつんと出てくる臨時記号に関しては、他の調から一瞬借りてきただけということが考えられますが、複数の音や小節に臨時記号がある場合は、部分的にこっそり転調しているということなので、普段からスケールの練習などをして、ぱっと調を掴み、切り替えられるようにしておくことで、対応力が上がります。
また、先程もちらっと書いたように「ド#はわかる。でもレ♭をパッと吹くのは無理」となると、曲の中では困ってしまいますね。
これはやはり、楽譜を見ながらのロングトーンで、しっかりそれぞれの「記譜」「音の名前」「運指」を、紐づけておくことが必要になります。
「曲を何度も練習していれば、そのうち慣れてできるようになるだろう」というのも、一つの考え方ではありますが、逆に言うと、慣れるまではたびたび引っかかってしまったり、違う音を吹いたりしてしまう、ということになります。
曲練習もしていく必要がありますが、並行して基礎練習も大切に繰り返すことで、臨時記号に動揺してしまうことがなくなっていきますので、「曲に取り組んでいる時は、曲だけ!」という練習方法になってしまわないようにしましょう。
曲の作りを理解していこう

「知ってはいる曲だけど、クラリネットアンサンブルになると、急に大変になるな」という印象の『たなばた』ですが、皆さんだいぶこなれてきた感じがしますね。
ここからは、よりアンサンブルを楽しむためにも、スコアとにらめっこしながら、他のパートとの関わり合いを理解する作業もしてみて下さい。
次回合わせた時に、聞こえてくる音が変わってくるはずです。
周囲に気が回せれば、アンサンブル力も増しますので、ただひたすら自分のパートの練習をするのではなく、違うアプローチの仕方にも取り組んでみて下さいね。
来月、さらに良くなったアンサンブルを楽しみにしています。