クラリネットアンサンブルでずれないためには
2023年11月20日、今年11回目の初級者アンサンブルが行われました。
昨日、教室の4年ぶりのイベントが終わったばかり。
ご参加いただいた方々には、楽しんでいただけたようで良かったです。
ご出演も含め、ぜひ次回もご参加下さいね!
本日は、全員揃ってのアンサンブルができる予定でしたが、お仕事のご都合でお一人お休みになってしまいましたので、B♭クラリネット3名で合わせていきます。(通し演奏の時のみ講師も参加)
演奏曲は、モーツァルト作曲『アヴェ・ヴェルム・コルプス』とF.チャーチル作曲『いつか王子様が』です。
「インテンポに近い速さ」での練習の大切さ
『アヴェ・ヴェルム・コルプス』は賛美歌ですので、ゆったり一定のテンポで進んでいく曲です。
求められている速さで吹くことは、特に難しいことではありません。
一方『いつか王子様が』は、最初はゆっくりなものの、5小節目からは急激にテンポアップして、ちょっとジャズ風にアレンジされています。
この曲は4分の3拍子の曲で、テンポの指示から考えて、1小節あたり1拍(1つ振り)で感じながら進んでいくのが良さそうですが(もちろん完全に1ではなく、「3で刻みつつ1拍目を強く捉える」という感じです)、とはいえインテンポはかなりの速さなので、皆さんテンポを落として練習されている状態です。
「確実に吹ける速さで練習する」というのは、とても大切なことなのですが、今回のように「速くなった時に、拍の感じ方が大きく変化する曲」は、それなりのテンポで吹いておくことも、やっておいた方が良いでしょう。
なぜなら、例えば下記の楽譜の2~4番パートのようなバッキング(伴奏)を担当している時に、「1小節3拍で取る」ことと「1小節1拍で取る」のでは、音をはめる感覚が相当違うからです。
当然、拍子をどう取ろうが、リズムは同じなのですが、一生懸命3数えながら音を入れていくのと、大きく1でカウントしながら流れで吹くのでは、聞こえ方も大きく変わってきます。
できない時は、「大きくゆっくり」が練習の基本ではありますが、このように音符のはめ方などに関しては、そうとも言い切れません。
指の問題などで、まだ速くは吹けないなら、手を叩きながら歌うのでも構いませんので、「仕上がりのテンポ・仕上がりのカウントの仕方では、どんなふうに音がはまるのか」ということは、あらかじめわかっておくようにしましょう。
クラリネットアンサンブルでずれないためには
今日もアンサンブルレッスンを進めていく中で、何度か演奏がずれてしまうことがありました。
ずれてしまうのは、
- テンポがキープできない
- 休符が数えられていない
- 伸ばしている音が数えられていない
- どこを吹いているかわからなくなる(見失って適当に戻ってしまう)
- 違うことをやっている他のパートにつられる
- 自信のないところは、雰囲気でなんとなく吹いている
などの理由が考えられます。
個人で練習している時なども「わからない」「できない」と一括りにせず、原因を細かく分析するようにお伝えしました。
tokyo-clarinet-school.com
上記の通り「ずれる」ことに関しても、理由は様々です。
「あー、ずれた」の一言で片づけてしまうのではなく、「何がどうなってずれたのか」ということを、きちんと考え、それを解決するためにどうしたらいいのか、対策を練るようにしましょう。
ずれる原因がわかれば、合わせている時にどこに気をつけるべきなのかも見えてきます。
練習の時にはメトロノームをかけ、1拍目の音が変わる設定にしておくと、ずれていることに気づきやすくなりますので、ぜひ活用しましょう。
また、今回に関して言えば、先述の通り「テンポを上げて1小節1つで取る」ようにすることで、「四分音符1拍分ずれてしまう」というようなことはなくなります。(小節単位でずれることは考えられますが)
そういう点からも、1小節を1拍で取る練習に早めに取り組むことは大切ですね。
ずれてしまっても、気づかないような作りになっている曲はあるのですが、大抵の曲は誰かがずれた時に「なんか不思議な響きになっているな…」と、聴いてる人も気づきます。
ずれた時に戻れる瞬発力も大事ではありますが、それ以前にずれてしまわないよう、自分の弱点を知り、吹くべき音を吹くべき場所で鳴らせるようにしていきましょう。
次回はもっと「アンサンブル」できるように
だいぶ個々の演奏が安定してきましたが、「常にアンサンブルしているか」という点では、まだまだ向上していけます。
私がよく言う「同じ曲を同じタイミングで吹いているだけ」ではなく、「みんなで1つの曲を作り上げている」状態に持っていけるよう、自分に合った練習を模索しつつ、アンサンブル力を上げていきましょう。
次回は、4パート揃うことを楽しみにしています。