クラリネット「わからない」「できない」をなくすには
2023年10月28日、今年10回目の中級者アンサンブル・チームくらげが開催されました。
今日は久しぶりに、9時から使えるスタジオでの練習です。
セッティングもありますので、9時ぴったりにお越しいただくのはご遠慮いただきましたが、お時間の許す方々は早くいらして、リードを選んだり、曲の練習をされたり。
アンサンブル開始の10時まで、有意義にお使いいただきました。
今後も、同じスタジオを使う時は、遠慮なく早めにお越し下さいね。
本日は次の発表会出演予定の方が全員揃いましたので、B♭クラリネット4名・バスクラリネット1名の計5名で曲を作っていきます。
演奏曲は、鈴木歌穂作曲『ある冬の日、子ぎつねの物語』です。
いち早く一通り吹けるようにしよう
先月もお話しましたが、こちらのクラスが今回挑戦する『ある冬の日、子ぎつねの物語』は難易度が高めで、どのクラスよりも細かい音が多い曲です。
場面場面の吹き分けも、もちろん大変ではあるのですが、その前にまず、楽譜に書いてある通りの正しい音を鳴らすということが、なかなかハードルが高そうです。
皆さん、練習してきて下さったとは思うのですが、最初の通しでは、ずれてしまったり、消えてしまったり。
私が手を叩いてはいましたが、全体にもにょもにょした演奏になってしまったので、途中で止めて仕切り直すことになりました。
まだまだテンポもゆっくりな状態ですが、音も小さいですし、「なんとか食らいつかねば!」と言うよりは、「うーん、よくわからないなぁ」「合ってるのかなぁ」と、消極的な雰囲気が出てしまっています。
皆さんお忙しいので、クラリネット練習に避ける時間も限りがあると思いますが、なるべく早く、楽譜通り一通り吹ける(せめて追える)状態に持って行っていただけたらと思います。
クラリネット「わからない」「できない」をなくすには
『ある冬の日、子ぎつねの物語』の難しさは、細かい音符が多いことに加え、拍子や調号が変わっていくことにもあると思います。
「駄目だ、わからない…」という方も、「できないんだよなー」という方もいらっしゃるかとは思いますが、この「わからない」「できない」の言葉でくくってしまうことは、実は解決(吹けるようになること)から遠ざかってしまいます。
個人レッスンに通われている生徒さんからも、同じような言葉を聞くことは多いのですが、「何が」「どう」「わからない/できない」のかを、考えていただくように話しています。
なぜなら、「わからない」中にも、たくさんのわからないがあるでしょうし、「できない」の中にもいろいろなできないがあるはずだからです。
例えば「カウントがわからない(わからなくなる)」も「とっさに指がわからない」も「楽譜に書いてある音がわからない」も、全て「わからない」なわけで、これを一緒くたに「わからない」と言ってしまっては、そこから先に待っているのは「だから無理。吹けない」のみなのです。
どうわからないのかを自分で言語化することで、解決策は見えてきます。
「カウントがわからない(わからなくなる)」のであれば、
- 休みの時に声に出して休符を数える
- 休み中は、指揮をしたり指折り数えたりする
- 吹きながら、ベルの先で軽く指揮をしているような動きをする
- 音源を聴きながらスコア(もしくはパート譜)を見て、指揮しながら自分のパートのドレミを歌ってみる
などの練習で慣れていくことで、いざアンサンブルする時にも、頭の中でしっかり数を数えることができるようになるでしょう。
指がわからなかったり、楽譜が読めないのであれば、それはやはり日々のロングトーンの際に、注意を指に向けながら吹いたり(どんな運指か感覚を掴む)、音符をきちんと見ながら、「楽譜(記譜)・指・聞こえる音」に意識を向けることを積み重ねていかねばなりません。
「わからないこと」「できないこと」が自身でわかっている方は、どうしたらいいのか考えることができるということなので、必ず上達できます。
「あー!もうわかんない!!」「難しくてできん…」とならず、具体的に考え、解決に向かえる練習・今自分がやるべき練習を探っていくくせをつけていきましょう。
練習は「大きくゆっくり」を再度意識しよう
今日は、アンサンブル中にしつこいくらい「もっと大きく吹いて下さい」とお伝えしました。
吹いてる側からすると「充分出してるよ!」かもしれませんが、残念ながらごにょごにょ・こそこそした演奏になっていることが、非常に多くありました。
たとえ吹けない箇所があったとしても、いつでも息をしっかり入れて、「音は出てる。あとは指が回ればばっちり」にできれば、アンサンブルの骨組みは完成します。
今一度、「苦手なところこそ大きく、ゆっくり」ということを思い返して、練習に臨んで下さいね。
来月からは、子ぎつねのかわいらしさを表現していけるように、指の心配はなくしておきましょう!