クラリネットで響きのあるフォルテを目指そう

2023年1月28日、今年1回目の中級者アンサンブルが開催されました。
いよいよ発表会まで残り2回となりました。
単純に曲の難易度として、こちらの中級者アンサンブルが取り組まれている曲が一番難しいなと、全クラスを見ている立場で感じていますが、より完成度の高いアンサンブルを目指して、あと少し頑張っていきましょう。
今日は、急なお休みの方が2人いらっしゃったので、B♭クラリネット4名・バスクラリネット1名の計5名で仕上げに取り組んでいきます。
幸い、全パートいらっしゃいますので、バランスも整えつつ進んでいきましょう。
演奏曲は今回も、酒井格作曲『たなばた』です。
出だしを揃えて演奏を見違えさせる
先日、自主練習をされた中級車アンサンブルの皆様。
最後の通しの際の録音を聴かせていただいたのですが、テンポが変わったり、全員でポンと入らねばならない部分がバラバラとしてしまうことが多い仕上がりでした。
特に現在演奏中の『たなばた』は、始まって4小節の間に、3回も出だしを揃えねばならないポイントがあり、その出来が曲の印象を大きく左右しています。
その3回のうち、合図を出す人が一度だけ違うのも、難しさに拍車をかけていますね。
入りを揃えるには、前回もお話したように、合図を出す人と合わせてブレスをすることがとても大切です。
tokyo-clarinet-school.com
また、合図を出す方は、絶対に迷ってはいけません。
「こんなテンポでいいんだっけ…?」と思ってしまったところで、次のテンポを示さなければいけない事実は変わらず、迷えば周りも迷って、ぐちゃっとするだけです。
例え他の人達が「え!そのテンポで行きます?」と思うくらい、いつもと違う速さだったとしても、堂々としていれば、全員がついていくことができます。
言葉のあやとしてではなく、実際に息を合わせ、また「これでいいんだ!」と、自信を持ってみんなで入れるようにしていきましょう。
クラリネットで響きのあるフォルテを目指そう

一言で「フォルテ」と言っても、勇ましい時もあれば、響き渡るようなのびのびとした音が求められる時もあります。
『たなばた』も、どちらも必要なのですが、今回は奏者の皆さんが思っているよりも、全体を通してフォルテが鳴っていないことが気になりました。
いろんな箇所で「そこはもっと出して下さい」とお話しましたが、「え、もっとですか…!(すでに相当頑張ってます!のニュアンス)」と返されることもしばしば。
これは、「大きく出さなきゃ!」と、一生懸命になってしまっていることが原因だと思われます。
吹いているご本人の体感と、実際に聞こえている音量に、差ができてしまっているのです。
声でもそうですが、体にがっちり力を入れて、お腹から絞り出すように息を流しても、硬く、響きがなくなってしまいます。
声を出す際には、そんな不自然なことはしないのですが、クラリネットをくわえていると、その不自然さに気づきにくく、「音を出すぞ!!」とぐぐぐっと力を入れて、息を絞り出してしまうことが多々あるのです。
そうすると、労力のわりに、音からは響きが失われ、「イーッ」とした、細く硬い音色になってしまうため、フォルテが出なくなってしまうのです。
大きな声で遠くの人を呼ぶ時のように、体を楽にし、息をたっぷり吸って、前の方に息を飛ばせれば、豊かな響きのある音で、クラリネットを奏でることができます。
また、自分のパートがフォルテの指示の場合、大抵は他のパートも同じような強弱になっていますので、「私、頑張る!」と1人でフォルテを出そうとするのではなく、みんなで寄り添い、協力して音量を上げる意識を持てると、響きが生まれてきます。
練習している場所によっては、ホールよりも響かないことが多いと思いますが、広くてよく響くホールで演奏しているイメージを持ちながら、練習・アンサンブルをしていきましょう。
今日できたことからのさらなるステップアップを

長い曲なので、なかなか全体を通して細かく見ていくことが難しいのですが、今日の合わせで、できるようになったことがいろいろありましたね。
曲の出だしも、ほんの一瞬の差で、大きく変化したと思います。
あと1回のアンサンブルクラスは、場所の関係で発表会前日となってしまいましたので、曲を作るというよりは、最後の確認作業といった意味合いが大きくなります。
自主練習で、今日できたことをしっかり固め、さらにかっこいい演奏ができるようにしておいて下さい。
可能そうなら、テンポも上げておいて下さいね。
自主練習の成果、楽しみにしています。