アンサンブルにおいての合図の考え方

2022年7月25日、今年7回目の初級者アンサンブルが行われました。
あっという間に7月も終わりますね。
ここへ来て、どのアンサンブルクラスの方も「もっと練習時間があると思ったのに!」とおっしゃっていますが、本当にまだまだ発表会なんて先な気がしていましたよね。
そんなわけで、初級者アンサンブルも、ついに残り2回となりました。
前回体験参加された方も加わって下さることになり、「初級者アンサンブルもついに6人!」と喜んでいたのですが、早速今月は2名いらっしゃれず、人数的には見慣れたB♭クラリネット4名で合わせていくことになりました。
パート的にもちょっと偏りがありますが、あと2回しかありませんので、仕上げに向けて頑張っていきましょう。
今日の演奏曲も、玉置浩二作曲『夏の終わりのハーモニー』です。
間の取り方と音楽の流れの両立
アンサンブルを始め、音楽的な演奏に、「間」というのは重要です。
つらつらと続けて吹いていては、聴いている方もなんだか苦しく感じてしまいますし、場面が転換する時や、新展開が始まる前などに、ちょっとした間を取ることは大切です。
しかし、間を取ることは、あくまでもテンポの中で行わなければなりません。
今日の最初の通しでは、イントロからAメロに入る時に、なぜか妙な間が生まれ、一瞬曲の流れが寸断されてしまうことがありました。
直前まで伸ばしていたパートが、ブレスをしてまた伸ばしで入るだけなのですが、「ここから本編が始まるぞ!」という気合からなのか、なぜかぴたっと音楽が止まってしまったのです。
これでは、2拍目から入るメロディーが、どう入っていいか迷ってしまいます。
「間」は、音楽の流れを止めてまで取るものではありませんので、不自然にならないように、かつきちんと入れられるように、気をつけながら練習をしておきましょう。
アンサンブルにおいての合図の考え方

アンサンブルでも、大きめの編成の場合は指揮者がいますが、今の東京クラリネット教室の3つのクラリネットアンサンブルクラスは、5~8名で行っていますので、指揮はない状態で演奏しています。
指揮がないということは、曲の始めや要所要所で誰かが合図を出さねばなりません。
「ここでは、〇〇パートの方が合図を出して下さいね」とお話すると、「!!!」と皆さんなかなかの表情をされますが、アンサンブルで合図を出す、ということを、そこまで難しく考える必要はありません。
出だしやテンポが変わる際の合図の出し方
まず、曲の始めに合図を出す(=音を出す)のであれば、必ずブレスをしますね。
その際の「吐く」「吸う」をちょっと大げさにしたり、一緒にクラリネットのベルを動かせば、それだけで立派な合図になります。
それは、曲中でテンポが変わる時なども同じです。
「他のメンバーに合図を出さねば!」と思うと、ついつい気合が入って、どうしていいのか見失ってしまったりしますが、自分自身がブレスする延長だと思えば、少し気が楽になりますね。
テンポキープのための合図
また、アンサンブルで難しいのは、テンポキープです。
同じ速さで吹いているつもりでも、どうしても奏者それぞれの持っているくせ(速くなる人・遅くなる人)がありますので、ちょっとずつずれが生じてしまいがちです。
そこを統一するためには、トップの人は1拍目がわかるように少しベルを動かしたり、4拍子の曲であれば「4」→「1」を出すようにすると、全員のテンポキープの目安になります。
tokyo-clarinet-school.com
曲の最初から最後まで、指揮をしているようにベルを動かし続けるのは、あまり現実的ではありませんし、かっこいいものではありませんが、ポイントを押さえて少し楽器を動かしてみましょう。
自分自身も、落ち着いて演奏ができますよ。
合図をキャッチする力もつけよう

トップの方が上手に合図を出して下さったとしても、他のパートの方々がそれをキャッチできなければ、あまり意味を持たなくなってしまいます。
一生懸命自分のパートを吹くことも大切ですが、そこだけに集中していては、周囲に気を配ることはできません。
可能であれば、合図を出してくれる方をきちんと視界に入れて、楽譜から目を離せないポイントでは、気配を察知できるようにしていくことが大切です。
さらに慣れてきたら、大切な部分でお互いがアイコンタクトもできるようになると、より一層揃った演奏になりますので、そこを目指していきましょう。