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クラリネットを定期的に調整に出すことの大切さ

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キーが分解されたクラリネット

個人でクラリネットを持っている方は、『修理』ではなく『調整』のために、楽器店や工房に行っていますか?

「楽器は、壊れた時だけ職人さんに見てもらって、直してもらうもの」と思っているのであれば、それは半分正解で、半分不正解です。

壊れていなくても、プロに定期的に楽器の状態を見てもらうことの大切さを、今回はお話したいと思います。

上手に吹けないのは楽器のせいかも

クラリネットを吹いていて、「何か調子が悪いかも…」と思う場合に考えられる原因は、

です。

自分の調子やリードの状態に関しては、気にしている方が多いのですが、クラリネット吹きはストイックな方が多いからか「思うようにいかないのは、楽器のせいである」という結論に至る方は、少ないように見えます。

例えば、チューニングの「ド」のすぐ下の「シ」(楽器が最も長い状態)を吹く時に、小指を左手のみにすると出だしが引っかかって立ち上がりに違和感があるけれど、両小指を押さえる、または右手の替え指を使うとすんなり鳴る、という場合は、明らかに楽器のせいです。

それを、自分自身の問題だと思い込み、練習を重ねたところで、無駄な時間を使うことになります。
楽器の状態が良くないのに、自身の技術の向上を図ったところで、根本解決にはならないからです。

では、どうしてそんなことが起きてしまうのでしょうか。

なぜ調整が必要なのか

リペア職人の机と道具類

クラリネットのパッドには、紙やフェルトが使われているものが多いため、湿度や温度で微妙に形が変わってきてしまったり、必要以上の力でキーを押すことを続けた結果、それによって徐々に変形したり、と、「ずっと同じ状態」といかないのが実情です。

そのため、パッドによってピタッとふさがらないといけないホールが、目では見えないくらいの隙間を伴ってしまい、前述のようなことが起こるのです。

また、演奏により、キーに継続的な負荷がかかっているわけですので、特に使用頻度が高いキーに、微妙なぐらつきなど「遊び」と呼ばれるものが発生してしまうこともあります。

そしてこの少しずつのずれは、どんなにクラリネットを丁寧に扱って、どんなにきれいに掃除をしたとしても、避けられるものではありません

ですので、プロの手による、きちんとした調整が必要なのです。

理想は「常に良い状態」

私がここ数年通っているザ・クラリネットショップの職人さんに、以前「歯医者さんと一緒で、悪くなったから通うのではなく、良い状態をずっと維持するために、3~4ヶ月に1回は調整に持ってきて下さいね」と言われたことがあります。

それまで私は、「年に1回調整に出せば良い」と、昔どこかで言われたことを律義に守っていて(もしくはもっと間が空いていたことも…)、そんな頻度で楽器の調整に行っていましたが、ザ・クラリネットショップに楽器を持っていくようになってからは、職人さんに言われたことを、極力守るようにしています。

1年は12ヶ月ですので、最低でも3回は調整に出しているわけですが、やはりプロが言う通り、こまめに調整してもらうことのメリットというのは、大いにあるなと感じます。

具体的には、

という点が挙げられます。

楽器の良い状態が維持できる

定期的にプロの目と手でチェックをしてもらっているわけですので、良い状態を維持することができます。
3~4ヶ月に1回見てもらえば、余程の扱いをしない限り、ひどい不調に陥ることはないでしょう。

「そんなにしょっちゅう練習してるわけじゃないし…」という方も、先述の通り木管楽器は湿度や温度の影響を受けやすいので、季節の変わり目に調整に持っていくことで、良くない意味での「あれ…こんな吹き心地だっけ…?」を避けられます。

楽器の不調によるストレスや、余分な練習が減る

先程も書いたように、クラリネットの状態が万全でないためにうまく演奏できないのに、それが楽器のせいだと気づけないと、余分な練習時間が必要になります。

しかも、熱心に練習したところで、持っている道具の状態が悪いのであれば、上達は望めませんので、「なんで吹けるようにならないのよ!」と、ストレスに繋がってしまうことが考えられます。

楽器が良い状態であれば、「上手に吹けないのは自分のせいだ」と、諦めがつきますので、練習したらした分上達できますし、すっきりとした気持ちで打ち込めるわけです。

年単位で見た時の、調整にかかるコストが下がる

また、「しょっちゅう調整に持っていったら、お金がかかるじゃん!」と思われるかもしれませんが、悪くなってしまったものを良い状態に戻すのには、やはりそれ相応の手間とコストがかかります。

一方、定期的に持っていけば「前回これくらい手を入れたから、今はこんな状態だろう」と職人さんも予測がつくそうですし、多少のずれが生じていたとしても、さっと直せるそうで、時間もお金もかかりません。

実際、部活で忙しすぎて、1年近く調整に出せなかったという生徒の楽器を、私が自分の楽器と一緒に調整に出しに行った際、彼女の1回分の調整代より、私の1年分の調整代の方が安価だった、ということがあります。

金額も抑えられて、いつでも吹きやすい楽器であれば、言うことなしですよね。

自分のお気に入りの工房・職人さんを見つけよう

2名のクラリネットリペア職人

定期的な調整の大切さがおわかりいただけましたか。

調整して下さる方によって、仕上がりは変わってきますので、自分好みの状態にしてくれる職人さん・工房を見つけられるといいですね。

また、あまり大きな声では言えませんが、「え、なんでそんなにかかるの!?」という見積もりを出すお店もあります。

納得しての支払いならもちろんいいのですが、目の前できちんとどの部分に調整が必要かを説明しながら見積もりをしてくれて、良心的な価格で、質の高い調整・修理をしてくれるところもあります。

自分の大切なクラリネットをお願いするわけですから、しっかりリサーチして、長いお付き合いのできる工房を見つけ出せるといいですね。

そして、継続的・定期的に調整に出すことを、常に心がけましょう。

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