アンブシュアから考える効率の良いブレス

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マウスピースと楽譜

クラリネットを吹くには、当然ブレスが必要になりますが、気づいていないけれど、意外とブレスが苦手だったり、うまくできていない方が多いように感じます。

ブレスが上手にできないと、演奏に必要な息を取り込めないだけでなく、リードミスにも繋がり、安定した演奏から遠ざかることになってしまいます。

今回は、アンブシュア(マウスピースのくわえ方)の面から、効率の良いブレスについて考えていきましょう。

クラリネットのアンブシュアの基本

クラリネットのマウスピースのくわえ方ですが、特に部活では、しばしば間違った情報が広がっていることを感じます。

私も、小学生の時に吹奏楽クラブに入ってクラリネットを始めましたが、アンブシュアについて同じパートの人からいろいろ教わったことが、残念ながらほぼ全部間違っていました。

若さとは恐ろしいもので、それでも難なく吹いてはいたのですが、中学生で個人レッスンに通い始めたところ、先生に駄目出しをされまくり、全て修正するのがとても大変だった記憶がありますので、なるべく早いうちに自分の状態を知って、正しいくわえ方を身につけていきましょう。

マウスピースのくわえ方の基本は、「無駄がない」ことです。
余分な力が入ったり、余計な動きをすることは、「スムーズなブレス」の妨げになりますし、良い音とは程遠くなってしまいます。

マウスピースの固定の仕方

まず、マウスピースは固定が必要ですが、決して噛んではいけません
上の歯と、唇越しの下の歯で、挟み込むようにします。

歯を上下に閉めるというよりは、歯のくっつかない「い」の口をして、そこにマウスピースをつっかえ棒のように挟むイメージですね。

マウスピースのくわえ方

うまく挟めたら口を閉じるわけですが、口角をぎゅっと引いて、口を締めていませんか?
マウスピースをくわえる際には、「口を閉める」であって「口を締める」ではないんです。

マウスピースには厚みがありますので、口角を引いてしまうと、

横に引きすぎた良くないアンブシュア

こんな風に、上下の唇は限りなく近くなるものの、隙間が空きます。
隙間があると、当然息が漏れてしまうので、それを避けるために、上唇と下唇にぎゅっと力を入れて、口を締めてしまいます。

力を入れて、息漏れしないようにした写真がこちらです。

横に引きすぎた良くないアンブシュア

先程の写真よりも、上下の力がかかっているのがわかりますか?

わかりやすいように、並べてみましょう。

横に引きすぎた良くないアンブシュア

左がくわえただけの状態、右が吹く時の状態です。
口角の力の変化はそうでもないですが、右の写真では特に上唇に力が入っていますね。

上下に力がかかれば、マウスピースとリードの隙間が狭くなり、息が入りにくくなりますし、リードの振動も妨げてしまいます。
そうすれば当然、音色にも影響が出ます。

「口を横に引いて!」というのは、よく聞くワードではありますが、実は間違いです。

先程書いた「閉める」と「締める」の違いはここですね。
ぎゅっと引っ張って締めるのではなく、ただ閉じるだけ、が求められます。

また、横に引いてしまうと、先程の写真のように、吹いていない時も、上下の唇が「閉まってないけど、たくさん息を吸うほどの空間はない」という感じになってしまうので、ブレスの時にいちいち口をゆるめて形を変えないといけなくなり、スムーズな息の出し入れができませんし、安定した音が出せなくなります。

さらに、余分な力が入っていれば、疲れるまでの時間も早くなってしまい、口の脇から息が漏れ始めてしまいますので、口角に力を入れるのはやめましょう。

もう一つの良くないアンブシュア

また、たまに見られるのが「う」の口になってしまうくわえ方。

口がとがって良くないアンブシュア

このように「うー」と言っているかのような形は、上唇に力が入っているにも関わらず、口全体はゆるんでしまうので、音程含め、音が汚くなってしまいます。

大切なのは、普段何もない状態で口を閉じているのに、限りなく近い形です。

バランスの良いアンブシュアを身につけよう

では、音もしっかり出て、ブレスのしやすいアンブシュアを考えていきましょう。

口角を引かず、歯を固定した状態が、こちらの写真です。

正面と横から見た良いアンブシュア

上の歯は浅め(5~7㎜くらい)に、下は少し深めで、口の中に入るリードが7~10㎜くらいの位置でくわえると、このように自然に口が開きます。

この時に、吹いている時と同じ圧力で歯を当てておく(挟んでおく)ことが大切です

この状態のまま、開いている部分から、体の中の余分な息を吐き出し、そして目一杯空気を吸い込みます。
これくらいの幅で口が開いていると、かなり楽に、たくさん吸い込めるはずです。

よく見られるのが、圧力を維持したままでも、充分な量の息を吸えるのですが、なんとなく口を大きく開けないとたくさん吸えない気がして、唇はリードにくっついているものの、唇越しの下の歯の当て方が変わってしまう、というブレスの仕方です。

より多く吸おうと、口をゆるめてしまわないように気をつけましょう。(マウスピースから口が離れてしまうなんて、絶対駄目ですよ)

たくさん吸ったら、そのまま口を閉じます。

正面と横から見た良いアンブシュア

これ以上、どこかに力を入れることなく、息を吹き入れましょう。

口は、本当にただ閉じるだけです
もちろん、息が漏れないようにしなくてはならないので、「ゆるゆる」というわけではありませんが、意図的に力を入れることをしてはいけません。

このアンブシュアであれば、力が入っていないので、口角を引いて口を閉じた場合のように、マウスピースとリードの隙間が狭くなることも、リードの振動を妨げてしまうこともなく、音がすんなりと鳴ります。

また、上下の歯で圧力はかけているので、リードの余計な部分が振動しようとすることもなく、良い音で鳴らすことができます。
(口がゆるいと、音が汚くなってしまうのは、本来震えなくていい、リードの少し厚くなっている部分が、振動しようとするからです)

そして、次にブレスをする時には、これまた上下の歯の圧力を維持したまま、先程の口の開いている状態に戻しましょう。

元々、口が開いている状態でマウスピースをくわえているので、「ブレスのために口を開ける」ではなく「単に口を閉じるのをやめる」という考え方がいいですね。

正面から見た良いアンブシュア

一番大切なのは、「歯を固定した上で」この2枚の写真のように、ただ開け閉めする、ということです。

リードミスをする原因は、リードにかかる圧力がブレス時に下がり、吹き始める時に締めすぎてしまう、もしくは、「ブレスのあとに締めてはいけない」という意識が強すぎて、必要な圧力に戻せないまま吹き始めてしまうからです。

リードミスは、締めすぎてもゆるすぎても起こります

そしてその「締めすぎ・ゆるめすぎ」を引き起こすのは、前の音を吹き終わった時に「よし、この音終わり」となんとなく口をゆるめたり、急いで息を吸わねばと、パッと口を離してしまうことにあります。

最初のブレスの際に、口をしっかり作っておくことも大切ですが、それ以上に、前の音を吹き終わった時に、口をゆるめてしまわないように気をつけることが、素早く安定したブレスをもたらしますし、何度ブレスしても、同じクオリティーの音で鳴らせることに繋がります。

ゆっくりと繰り返し練習しよう

良いアンブシュアがわかったら、何度も練習してみましょう。

鏡を見ながら、口を開けてくわえる→ブレスをして閉じてみる→また開けてみる、のように、ゆっくりと、上下の歯の圧力や、口の形を変えなくても、マウスピースの脇の唇を開閉できるような練習をして、慣れてきたら、実際に音を出してみましょう。

ここで慌てると、曲の中で生かせるアンブシュアとブレスは、身につきません。

この2点が正しくできれば、演奏は見違えます。
ゆっくりと繰り返し練習して、安定したアンブシュアとブレスを手に入れましょう。

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