2026年2月8日、東京クラリネット教室第16回発表会が行われました。
前回発表会からは、7ヶ月弱の開催です。
ソロ・アンサンブル合わせて、32名の生徒さんがご参加いただく予定でしたが、まさかの大雪!
吉祥寺で開講している教室ですが、遠くからいらして下さる方も多くいらっしゃるので、「出演者の皆様は、無事に到着できるのだろうか」と朝からやきもきすることとなりました。
結局は、1名だけお休みとなってしまいましたが、どの方もリハーサルにしっかり間に合う時間に来て下さって、ほっと一息でした。
電車が止まっている、との情報も入っていたのですが、皆様素晴らしすぎます!
良い発表会にしましょうね。

真冬の本番に臨むにあたって
冬のクラリネットの扱いで一番気をつけなければならないのは、やはり楽器が冷え切ってしまうことです。
折に触れお話しているように、「管体を温めようと、とにかくふーふーと息を入れ続ける」というのは、ついついやってしまうことですが、管内に水がついて、よく使うキーのホールからその水が出てしまうことになるのはもちろん、ひどければ管体の割れにつながります。
部屋や会場の温度に馴染ませたり、手で管体を温めるなどして、極端に冷えた状態からなるべく常温に戻して、吹き始めるようにしましょう。
また、冬場は乾燥がひどいので、リードの状態が変わりやすくなります。
かと思えば、今回のように急な雪や雨などで湿度が多少上がることも考えられ、「昨日までは吹きやすいリードだったのに!」という事態も起きかねません。
そのような状況を避けるためには、本番候補のリードを、複数枚用意しておくことが大切です。
ぶっつけ本番では、もはやどうしようもないのですが、音出しやリハーサルの時間が取れる時であれば、その日・その場のベストリードを見極めて、本番に臨むようにしましょう。
第一部
無事にリハーサルが終了したら、いよいよ開演。
まずはソロ演奏からです。

Wave(A.C.ジョビン)
第1回から欠かすことなくご参加下さっている生徒さんです。
今回は、ソロとアンサンブル両方にご出演下さいました。
お得意なジャンルではあったものの、ちょっとクラリネット吹き的には嫌な音が出てきたりで、ここ数回のレッスンでは頭を抱えられていましたが、本番では見事にその部分もはまり、満足のいく演奏になったことと思います。
次回は、アンサンブルだけにするか、ソロとアンサンブル両方にするか迷われているようですが、次に選ばれる曲が楽しみです。

タイスの瞑想曲(J.マスネ)
B♭クラリネットとバスクラリネットで、アンサンブル2クラスにご参加下さっている生徒さんが、今回はB♭クラリネットでのソロに挑戦されました。
原曲はヴァイオリンなので、弓の動きによって音楽の自然な流れが生まれるのですが、クラリネットだと意識して音楽を流す必要があり、そこがこの曲の一番の難しさで、苦労されたところかと思いますが、真面目にコツコツと練習されてきたことが形になり、本番では美しく吹き上げられました。
またバスクラリネットでのソロ演奏も聴かせて下さいね。

We’re All Alone(B.スキャッグス)
前回、アンサンブルに加えてソロ演奏に取り組んで下さった生徒さんが、今回もソロとアンサンブル両方でご出演下さいました。
ゆったりした曲なので、指などはそこまで大変ではないのですが、後半に同じメロディーが同じ強弱で3回も出てくる、という、表現力が問われる曲で、「どうしましょうか」とレッスンのたびに相談をしたことが功を奏して、本番では心のこもった熱い演奏となりました。
ソロでの演奏は今回2回目でしたので、どんな曲を演奏されるのがお好きなのかまだ見抜けておらず、次にお持ちになる曲に興味津々です。

さくらのうた(福田 洋介)
今回からアンサンブルに参加してくれている大学生の生徒さんが、ちょっと久しぶりのソロ演奏にも挑戦されました。
吹奏楽の課題曲でもあったこの曲、ピアノ伴奏のソロバージョンは、音はそこまで細かくないものの、その分どう音楽を作るかで曲のおもしろさが決まるので、仕上げていくのは結構大変だったのではないかと思いますが、聴いている人に伝えたいことがきちんと伝わる演奏となりました。
次回発表会はご予定が合わず、残念ながら出ていただけないことが決まってしまっていますが、ぜひまた一緒に演奏して下さいね。

羊は安らかに草を食み(J.S.バッハ)
2回目の発表会ご出演の生徒さんです。
当初、別の曲を演奏する予定で練習されていましたが、「やっぱりこちらにします!」と、少し前に演奏曲を変更されました。
短い期間での仕上げは大変だったと思いますが、「前にコンサートで聴いて惚れて、鼻歌を歌いながら帰って、メロディーから楽譜を探した」というくらい思い入れのある曲だったそうなので、本番では心地良い演奏を聴かせて下さいました。
いろいろな曲をご存知の方なので、次回の選曲も楽しみにしています。

レプラホーンの片靴(高橋 宏樹)
前回は「アンサンブルに出るので」とソロを見送られた生徒さんが、今回はアンサンブルはお休みして、ソロ演奏をして下さいました。
とあるコンクールの課題曲になっていたというこちらの曲は、三部構成になっていて、雰囲気もテンポもがらっと変わるのでなかなかの難易度でしたが、「こう吹きたい!」を強く持って練習に取り組まれていましたので、本番の演奏はそれがしっかり表れていましたね。
ご都合で、しばらく発表会での演奏はお休みになってしまいそうですが、またご出演いただける日を楽しみに待っています。

シチリアーノ(G.U.フォーレ)
初出演の大学生の生徒さんです。
8月までは、大学で吹奏楽に参加されていましたが、引退されたのを機会に「ソロ演奏に挑戦します!」とのことで、発表会に出て下さいました。
本番はとても緊張してしまう、とレッスンのたびにおっしゃっていましたが、のびやかな演奏からは、緊張は全く感じられませんでした。
直前のレッスンで心配されていた箇所も、本番ではとても安定して演奏されていましたね。
ここ数年でめきめき上達されていますので、ぜひまたご出演下さいね。

クラリネット五重奏曲より 第1楽章(W.A.モーツァルト)
前回、本番数日前から体調を崩されてしまって、当日お休みされた生徒さんですが、その時に練習されていた曲ではなく、新しい曲に取り組んでご出演下さいました。
当日はちょっとしたアクシデントで、リハーサルなしで本番に臨まれることになりましたが、そんなことを感じさせず堂々と吹き切られました。
また5月にも別の場で、弦楽器の方々とこの曲を演奏されるそうなので、今回の演奏をさらにパワーアップさせて披露していただけたらと思います。
次回の発表会の選曲も演奏も、楽しみにしています。

Intermezzo(M.マンガーニ)
クラシック系の曲とジャズ・ポップス系の曲を、交互に演奏されている生徒さん。
前回はボサノヴァでしたので、今回はクラシック系に取り組まれました。
早々にピアノとの合わせを始められて、どんどん音楽的な演奏に磨きをかけられました。
強弱の指示があまりない曲も大変ですが、こちらの曲はなかなか細かく指示されているからこその大変さがあり、「出だしの音量はどうしたらいいか」など、かなり細かく組み立てる作業をされての本番となりましたが、のびのびと吹き上げられました。
次の候補曲はまたがらっと雰囲気が違うので、そちらはかっこよく仕上げていきましょうね。

ヴォカリーズ(S.ラフマニノフ)
前回久しぶりにソロ演奏に挑戦され、今回もソロに取り組まれた生徒さんです。
この曲は、別の編曲で講師も発表会で吹いたことがありますが、曲の出だしが地味に難しく、かなり慣れないとあわあわしてしまうので、意識しなくても反応できるくらいまで、何度もレッスンで練習を繰り返されました。
そのかいあって、本番ではとても自然に吹き出すことができ、その流れで、たっぷりと歌い込むことができましたね。
発表会出演を重ねられるごとに、どんどんこなれた演奏になられていますので、今後もぜひご出演下さいね。

Earth(村松 崇継)
前回発表会にお客様としていらっしゃって、「ぜひ発表会に出たい!」と熱い思いで出演を決めて下さった生徒さんです。
元々はフルートのソロ曲で、途中で拍子が変わったり、転調も多い曲なのですが、とても初出演の発表会とは思えないほど落ち着かれていて、朗々と演奏されました。
直前にもレッスンにいらして、意欲的に曲に取り組まれていただけあり、壮大な曲調も、存分に表現されていましたね。
次に演奏されたい曲ももうお決まりのようなので、楽しみです。

アンダンテ・カンタービレ(P.I.チャイコフスキー)
4回連続のご出演となった生徒さんです。
こちらの生徒さんもピアノとの合わせを早い段階からスタートされたので、音楽作りにたくさん時間をかけて本番に臨まれました。
曲名のカンタービレの通り、美しく歌い上げられた演奏に、他の出演者の方から「とってもきれいだったので、次はあの曲を吹いてみたいです!」との声を、すでにいただいています。(以前もそういうことがありましたね!)
また他の方の演奏欲を刺激するような演奏を聴かせて下さいね。

クラリネットソナタより 第1楽章(C.サン=サーンス)
以前発表会に初出演された際に、他の生徒さん(今回、直前に演奏された方)が演奏されて「ぜひ吹いてみたいです!」と演奏曲を決められた生徒さんです。
ここ数ヶ月で、練習環境が良い方向に変わられたのもあり、目に見えて曲の仕上がりスピードがアップされて、レッスンのたびに演奏が良くなり、本番では、以前苦労されていた箇所が嘘のような、余裕のある演奏を聴かせて下さいました。
「発表会に出るのは、年1回のペースがいいかな」とのことですので、次の本番までは少し空きますが、次のご出演をお待ちしています。
第二部
休憩のあとは、アンサンブルステージです。

君をのせて(久石 譲)
まずは初級者アンサンブルです。
本来こちらのクラスで演奏されるご予定だった生徒さんが、雪のせいでお休み。
大慌てで講師が参加することとなりました。
リハーサルの時には、普段と3rd(講師の担当パート)の聞こえ方が違うせいか、少し焦っているような演奏になってしまっていましたが、本番では練習の成果の出た、堂々とした仕上がりとなりました。
曲の終わりでは、しっかり目も合いましたね!
次回は全員揃って、良い演奏を聴かせていただけたらと思います。

3つの魔法(高橋 宏樹)
中級者アンサンブル最初の演奏は、チームぞうさんです。
普段バスクラリネットの方も出演されたのですが、今回はあえてB♭クラリネット三重奏の曲を選ばれ、4名で演奏されました。
楽譜の見た目は結構整然としているのですが、合わせてみるとアンサンブル力がかなり問われるこちらの曲。
月々のアンサンブルクラスでは皆さん苦労されているご様子でしたが、本番ではぴたっとはまって、曲の世界観を見事に表現されていました。
次の発表会ではさらなる団結を楽しみにしています。

上海Square(新井 千悦子)
次の演奏は、チームかるがもです。
前回はバスクラリネットがいらっしゃらなかったので、このメンバーでの演奏は初。
クラリネット五重奏の作品に挑戦されました。
こちらの曲は、いろいろな情景が浮かぶようなとてもカラフルな曲で、流れも横になったり縦になったり、気持ちの切り換えがかなり重要なのですが、そのあたりもぴしっと合わせて演奏されていましたね。
本番でのまとまりは、これまで半年合わせてきた中で一番だったと思います。
次回もぐっと一つになった演奏を聴かせて下さいね。

Take Five(P.デスモンド)
落ち葉の舞う季節(渡部 哲哉)
中級者アンサンブル3番目の演奏は、チームくらげです。
雰囲気の全く違う2曲を演奏されました。
2曲目のような、具体的に何かを想定して書かれた曲の表現というのは、自由に奏者が感じることを演奏することよりも、かえって縛りが生まれてしまって難しいのですが、上手に皆さんのイメージが揃っていることが感じられる音楽となりました。
聴いていて、風景や情景が浮かぶような演奏でしたね。
1曲目も、楽しげにノリ良く吹かれていました!
次に向けては、少し人数が減ってしまいそうですが、新曲を楽しみにしています。

喜歌劇『こうもり』セレクション(鈴木 英史)
宝島(和泉 宏隆)
アンサンブルクラス最後の演奏は、上級者アンサンブルです。
前回は少し人数少なめのご出演でしたが、今回は8名でご参加下さいました。
1曲目はわいわいした喜歌劇の名曲、2曲目には吹奏楽の定番曲を演奏されましたが、人数が多いことに加えて、それぞれの方々の楽器がしっかり鳴っていて、まるで合奏のような厚みのある演奏でしたね。
緊張も当然されるとは思うのですが、楽しそうに演奏されているのが伝わってきて、聴いている方々も楽しんで下さったことと思います。
夏の発表会での演奏も、今から楽しみです。
講師演奏
皆様の素敵な演奏を堪能していただいたあとは、講師演奏です。

今回も齋藤 利理子さんに伴奏をお願いして、CH.-M.J.A.ヴィドール作曲『序奏とロンド』を演奏しました。
大学時代に同じ門下の友人数名が演奏していたこちらの曲、私は学生時代には演奏する機会がなかったのですが、素敵な曲なので「いつか演奏するぞ!」とずっと前に楽譜を購入してあり、ついに着手することに。
こういうタイプの曲を、我が恩師の力を借りずに演奏するのは、人生初と言ってもおおげさではない状況でしたので、かなり模索・苦労しての曲の組み立てとなりましたが、それはそれで楽しいなぁと感じながらの仕上げとなりました。
改めて良い曲だなと感じましたので、再度しっかり詰め直してから、演奏する機会が設けられたら良いなと思います。
どんどんレベルアップ中!
今回も嬉しいことに、ソロで2名、アンサンブルで3名の方が新しくご出演下さいました。
今までもそうでしたが、特に今回は出演者の皆様の本番の力の発揮具合が素晴らしかったですね!
聴きに来て下さったお客様からも、「どの方もすごかった!」とたくさん声を頂戴しました。
どう楽器を響かせるか、何を伝えたいのかなど、お一人お一人がしっかり考え、それを体現されていたからこそ、そのようなお声をいただけたのだと思います。
楽器の技術も去ることながら、皆様の気持ちの面の成長を著しく感じた発表会となりました。
今回客席にいらして、刺激を受けた生徒さんが、次回は舞台に立って下さることを楽しみにしています。
ご出演の皆様、ご来場いただいた皆様、スタッフの方々、今回もありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。





















