2025年7月21日、東京クラリネット教室第15回発表会が行われました。
前回発表会より、ほぼ半年。
今回あいにく祝日の開催となったため、お仕事の都合でご出演が叶わなかった方もいらっしゃったり、当日体調が悪くてお休みの方もいらっしゃったのですが、25名の生徒さんがご出演下さいました。
これまでの練習の成果を存分に発揮して、気持ち良く演奏なさって下さいね。
本番前の調子の整え方を見つけよう
発表会で使っているホールでは、場所によってはリハーサル室がある場合もありますし、直前に音を出すことができないこともあります。
私自身は、音出しがほぼできなくてもすぐに本調子で演奏できるように訓練(というと大げさですが)してきたので、リハ室があってもなくてもあまり気にならないのですが、人によっては「しっかり音を出してからじゃないと、本番が怖い」という方もいらっしゃると思います。
とはいえ、今回もですが、ホールに音を出せる場所がない場合は、そうも言ってられませんので、本番に向けての対策を練っておく必要があります。
- ホールに着く前に音を出しておくべきなのか
- ホールの客席で音を出しておけば対応できるのか
- それらはどれくらいの長さ・密度が必要なのか
など、自分が本番で最高の演奏をするためには、何が最善なのかを、しっかり見つけておきましょう。
また、夏と冬でも楽器の温まり方に差がありますので、そのへんも見極めておきたいですね。
第一部
今回も無事にリハーサルが終わったら、まずはソロ(デュオ)演奏からです。

3つのデュエットより 第3番(L.v.ベートーヴェン)
アンサンブルでは発表会にご参加いただいていた生徒さんですが、ソロでの演奏は初挑戦です。
「ピアノ伴奏は不安だけど、先生と一緒に吹くんだったら出ます!」とのことで、デュオ曲に挑戦されました。
月1回のレッスンではありましたが、早い段階で仕上がって安定の演奏を続けてらっしゃったので、本番でも初めてとは思えない堂々とした演奏を披露されました。
この時代の作曲家の曲はごまかしが効かないのですが、安定して吹かれていたので、ハモリの部分などは気持ち良かったですね。
ぜひまたソロでもご出演下さい!

鈴懸の径(灰田 有紀彦)
第1回発表会から、皆勤賞の生徒さんです。
前回はアンサンブルのみのご出演でしたが、今回はまたソロに挑戦されました。
なんとも哀愁のあるクラリネットの名曲を選ばれましたが、ご自身の色も出しつつ、オリジナルの良さも残された演奏となりましたね。
いつもコツコツと練習に取り組まれて、「本番までの仕上げ方の見通しを立ててらっしゃるんだろうなぁ」と感じる進め方をされていらっしゃるので、今回も安心の演奏でした。
次回選ばれる曲も楽しみです。
ソロもアンサンブルも、どちらも挑戦なさって下さいね。

いつか王子様が(F.チャーチル)
星に願いを(L.ハーライン)
前々回同様、アルトクラリネットでのソロに挑戦された生徒さんです。
第13回はバロック音楽(バッハ)に取り組まれましたが、今回は打って変わってジャズアレンジの曲です。
B♭クラリネットの楽譜をアルトクラリネット用に書き換えて演奏されたのですが、B♭管ならなんてことのない運指も、アルトクラだと急に難しくなったりするので、練習はかなり大変だったのではないかと思います。
でも、本番はそんなことを感じさせないくらい、優雅に吹き切って下さいましたね。
意外と聴く機会の少ないアルトクラのソロ、お客様も楽しく聴いて下さると思いますので、また美しい音色を聴かせていただけたら嬉しいです。

ヴィクトリアンキッチンガーデン組曲より 第1・2・3・5曲(P.リード)
こちらの生徒さんも、アンサンブルでは発表会にご出演いただいていて、ソロ演奏は初めての方です。
1曲1曲は短いものの、曲想が全く違ったり、地味に嫌な運指が出てきたり、さりげなくカデンツァがあったりと、楽譜の見た目よりも骨のある曲達ですが、それぞれの曲のイメージをしっかり持ちながら練習に取り組まれました。
本番での演奏は、音の鳴りも表現の仕方も、この曲を練習し始めた頃よりもかなり幅が広がって豊かになりましたね。
普段はバスクラリネットを吹く機会の方が多いそうですが、これからもぜひB♭クラリネットのソロに挑戦していただけたらと思います。

アシタカせっ記(久石 譲)
アンサンブルにはB♭クラリネットとバスクラリネット両方で参加されている生徒さんが、今回はバスクラリネットでのソロに挑戦されました。
こちらの方も、B♭クラリネットの楽譜(しかもデュオアレンジ)を書き換えて演奏されたのですが、普段バスクラリネットでは吹かないような高い音域が出てきたり、B♭管よりもバスクラリネットの方が音域が下に広いのを生かして、書いてある楽譜を1オクターブ下げて演奏されたり、今後の技術向上に大いにプラスになる取り組みとなりました。
練習の成果がきちんと出て、本番での演奏は美しく歌い込めていましたね。
またぜひバスクラリネットでのソロを聴かせて下さい。

歌劇『リナルド』より 私を泣かせて下さい(G.F.ヘンデル)
ソロ演奏は少しお久しぶりの生徒さんです。
ゆっくりで音数が少ないからこそ難しいこの曲、ちょっとした間(ま)を操る必要もあったりして、日々の練習でもレッスンでも苦労されているご様子でしたが、本番では気持ちのこもった演奏となりました。
レッスンの時にはついついピアノに聞き入ってしまうそうで、うっかり入りそびれたりすることもありますが、伴奏がしっかり聴けることをプラスに転じて、一緒に音楽を作る楽しさを見出していって下さいね。
次回のソロ演奏も楽しみにしています。

A Mi Manera(C.フランソワ・J.ルヴォー)
ソロ演奏とバンドアンサンブルの両立に励まれている生徒さんです。
今回は『My Way』としてよく知られている曲の、別アレンジバージョンを選ばれました。
このアレンジがまた難しく、リズムが凝っているのに加え、曲の最初の方にかなりの小節数でじわじわとテンポを上げていく箇所が。
自力でやるには小節が長すぎてあまりにも掴みどころがなく、accelerando機能がついたメトロノームアプリでひたすら練習する(ピアノ伴奏の講師も。)、という日々でしたが、その甲斐あって本番では疾走感あふれる演奏になりました。
次に挑戦される曲を楽しみにしています。

リカード・ボサノヴァ(L.アントニオ・D.フェレイラ)
クラシック系の曲と、ジャズ・ポップス系の曲に交互に取り組まれている生徒さんです。
今回は、東京クラリネット教室で最近急に人気のこちらの曲に取り組まれました。
様々な装飾の指示があちこちにあって、それを入れるだけで急に難易度が跳ね上がるアレンジで、かなり練習が大変だったのではないかと思いますが、レッスンごとに安定感が増していかれるのは素晴らしかったですね。
本番でも、積み重ねてきた練習がきちんと音になった演奏となりました。
曲を選ばれてから、練習し始めて形にするまでがいつも早い方なので、次の曲もたくさんピアノと合わせていきましょうね。

5つのバガテルより 第4曲フォルラーナ(G.フィンジ)
3回続けてのご出演となる生徒さんです。
今回は少しゆったりした流れの、8分の6拍子の曲を選ばれました。
曲に対するイメージをしっかりお持ちで、「自分の思うように表現するにはどうしたら良いか」「ピアノをどのように弾いてほしいか」「どう合わせたいか」ということにかなり気を配りながら曲を仕上げていかれましたね。
本番では、ご自身の演奏したい音楽を、きちんと表現できている演奏をされていました。
これからも、どんなふうに音を奏でるかに重きを置きながら、いろいろな曲に挑戦なさって下さい。
次回の演奏曲も楽しみにしています。

無伴奏チェロ組曲第1番より プレリュード(J.S.バッハ)
あっという間に音大4年生となった生徒です。
1年半ぶりのご出演となりましたが、今回もバッハを演奏されました。
以前、アルトクラリネットで同じ曲を吹かれた方がいらっしゃいましたが、なにせ弦を4本持つチェロ用に書かれたこの曲、音域も広く、跳躍も「え、そんな幅で跳びますか?」というくらいの広さのものだらけで、クラリネットで吹くには難曲です。
とはいえ、彼女にかかればゆったり美しい曲として、安心して聴くことができるのは、さすがと言うほかありません。
私の念願のフランスものを、いつか発表会で演奏して下さいね。
第二部
ソロ(デュオ)演奏のあとは、アンサンブルクラスです。
なんと今回、5クラス全てに新しい方が加わりました。
響きや演奏がどう変わるか、楽しみですね。

組曲『惑星』より 木星(G.ホルスト)
歌劇『椿姫』より 乾杯の歌(G.ヴェルディ)
まずは初級者アンサンブルです。
どちらの曲も3拍子ながら、拍の取り方がちょっと違う(4分の3拍子と8分の3拍子)という、切り替えが少し難しい2曲に挑戦されました。
お客さんが皆さん知っているであろう曲、といった点も、実は難易度がアップしますね。
本番になると、やはりアクシデントは起きるものですが、ずれても再集合できるようになってきましたので、それは良いことです。
まずはずれないことを目標にしつつ、これからますますまとまりある演奏を目指していきましょう。

ウェントス(石毛 里佳)
今回の中級者アンサンブル最初のグループは、チームかるがもです。
今回はバスクラリネットがいらっしゃらないので、B♭クラリネット三重奏用の楽譜を、4人で演奏されました。
同じパートを2人で吹く場合、音程やタイミング、音楽的な吹き方、音量のバランスなど、1人1パートに比べぐっと難しくなりますが、きちんと気を配ってアンサンブルができていましたね。
変拍子の要素も多く、また、刻みが常にあるわけではない難しさもあったと思いますが、お互いを聞くことで難しさを感じさせない仕上がりとなりました。
次回はバスクラリネットありのアンサンブルを楽しみにしています。

いのちの歌(村松 崇継)
サンバ・テンペラード(大野 雄二)
中級者アンサンブル2番目は、チームぞうさんです。
タイプの全く違う2曲を選ばれました。
音楽の方向性の切り換え、音の吹き分け、強弱の種類、曲間の間(ま)の取り方、などなど、2曲以上の曲を演奏する時の注意点を学ぶには良い選曲でしたね。
本番は、頑張って練習されてきたことが、アンサンブルとして表現できていました。
ただ本番は、つい守りに入った演奏になりがちなので、積極性をより磨いていくべく、月々のクラスに臨んでいって下さいね。

ギブ・リミックス~スタジオジブリの世界~(高橋 宏樹)
中級者アンサンブル最後は、チームくらげです。
サックス四重奏の楽譜を、B♭管・アルトクラ・バスクラ用に書き換えての演奏でしたので、クラリネットアンサンブルと勝手が違うことが多々あり、いろいろ勉強になりましたね。
また、メドレーなので、テンポや曲調の変化がたくさんありましたが、本番もきちんとその点を押さえて演奏できていました。
こちらのクラスは、特に新曲の候補がたくさん出るので、次回発表会に向けて選ばれる曲を、楽しみにしています。

たなばた(酒井 格)
アンサンブルクラス最後は、上級者アンサンブルです。
オリジナルは吹奏楽曲の『たなばた』を、以前チームくらげが演奏した時とは別の編曲の楽譜を使って演奏されました。
吹奏楽曲をアンサンブルの編成にすると、どうしても吹きっぱなしになってしまうことと、各パートのウェイトが大きくなりますが、それをしれっと吹いてしまうのが上級者アンサンブルですね。
今回は人数が少し減ってしまいましたが、それでも厚みのある演奏でしたので、また次回はさらに良い響きを追求していただけたらと思います。
講師演奏
皆様の素晴らしい演奏のあとは、講師演奏です。

今回も齋藤 利理子さんに伴奏をお願いして、L.バッシ作曲『リゴレット』による演奏会用幻想曲(抜粋)を演奏しました。
これは、歌劇『リゴレット』の楽曲をつないで、1つのソロ曲として書かれたものです。
悲劇なのもあってか、出だしからぴりっとした緊張感がありますし、途中「これ吹くのか」とげんなりするくらい黒い楽譜なのですが、その分派手さもあるので、聴いて下さった皆さんに「なんかすごい曲だな」と思っていただけていたら良いなと思います。
大学時代に恩師から教わったことは、しっかり出せたかな、と自画自賛。
またいつか演奏する機会を作ろうと思っています。
一歩踏み出そう!
今回は、ソロで2名、アンサンブルでのべ5名(お一方は2クラスご参加なので人数は4名)の新規出演者がいらっしゃいました。
発表会を強要する気は全くないのですが、出演を決められた生徒さん達の楽しそうな様子や、本番に向けてスケジューリングをされているところを見るにつけ、具体的な目標を持つことでのモチベーションアップを実感します。
ちょっとでも発表会出演について気になった方は、講師までご相談下さいね。
新しい世界が広がりますよ!
ご出演の皆様、ご来場いただいた皆様、スタッフの方々、今回もありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。






















