8分の6拍子らしさを出すためのコツ

2021年4月17日、今年2回目の中級者アンサンブルが開催されました。
1月の発表会直前のアンサンブルを最後に、クラスは少しお休みしていましたが、3ヶ月ぶりの再開です。
今後の世間の状況では、また休止することになってしまうかもしれませんが、ひとまず久しぶりのアンサンブルを楽しんでいきましょう。
これもまた無事にできるかわかりませんが、7月に開催予定の発表会に参加される方勢揃いで、本日はE♭クラリネット1名・B♭クラリネット5名と、講師のバスクラリネットの計7名でのアンサンブルとなりました。
今回からは、グリフェス作曲『幻想小曲集より スケルツォ』を演奏します。
「人と合わせる感覚」を取り戻そう

以前は毎月やっていたアンサンブルですが、今回は少し間が空いてしまいましたので、まずは「人と合わせる感覚」を思い出していきましょう。
関係ないように思えますが、メンバー同士しゃべるだけでも、緊張がほぐれ、演奏時に周りに気を配る余裕が生まれます。
換気を兼ねた休憩中には皆さん自然に体を動かしていらっしゃいましたが、そんな些細なことも、アンサンブルに良い影響がありますよ。

ブランクを感じさせないくらい和気あいあいで、演奏も期待できますね!
8分の6拍子らしさを出すためのコツ
今回の演奏曲『幻想小曲集より スケルツォ』は、前回の発表会で演奏した『さくらのうた~FIVE』と同じく、8分の6拍子です。
「さくらのうたで8分の6拍子に慣れたので、次の曲も8分の6拍子の曲がいいです」とご提案いただき、この曲に決定しました。
ただ、同じ拍子とはいえ、全体的に穏やかだった『さくらのうた~FIVE』に比べ、テンポも速いですし、躍動感が求められる楽曲となっています。
この「躍動感」が、簡単そうで管楽器にとっては意外と難しいのですが、ちょっとしたコツを押さえることで、演奏が見違えます。
それが、こちらのリズム。

8分の6拍子でしょっちゅう出てくる、四分音符と八分音符の組み合わせです。
この四分音符を吹く際に、決して短くはしないのですが、八分音符直前で少し音を抜きましょう。
べたっと丁寧に吹いてしまうと、拍子感が見えなくなり、重たい演奏になってしまいます。
また、特にこの譜例では、各パート同じ音が続いている部分が多いので、四分音符を抜くことなく吹くと、リズム自体がきちんと聞こえなくなる可能性があります。
図にしてみると、このような感じです。

左が四分音符、右が八分音符で、すきまはタンギングです。
1がべたっと吹いた時、2が四分音符の最後を少し抜いた時になります。
図で見ると、2のように吹くことで、次の八分音符の出だしがくっきりすることが、イメージできるかと思います。
四分音符を抜くことで、ものが弾む時のような軽やかさが出て、八分音符もはっきり入れるので、躍動感が出る、というわけです。
ただ、抜きすぎには気をつけなければなりません。
やりすぎると、四分音符の音の長さを維持していないように聞こえてしまったりすることもありますので、不自然に聞こえず、かつ、拍がはっきり聞こえる抜き方を見つけましょう。
八分音符のタイミングにも気をつける
四分音符を上手に抜くことができるようにすることと同時に、八分音符が入るタイミングにも気をつけましょう。
「四分音符は長い。八分音符は短い」と思いすぎることと、躍動感を意識しすぎると、八分音符を本来の位置よりも後ろに持ってきてしまいがちです。
そうすると、4分の2拍子の付点八分音符と十六分音符のように聞こえ、「8分の6拍子らしさ」は一気に失われてしまいます。
思っているより、少しルーズに入るくらいで、ちょうどいい場合もあります。
自分が吹いている八分音符のタイミングに自信がなければ、メトロノームを付点四分音符の速さで鳴らして、手拍子は八分音符で叩き、それに合わせて「タータ、タータ」と、四分音符・八分音符のリズムで歌ってみましょう。
慣れてきたら、実際に吹いてみて確認すると、正しい八分音符の位置がわかるはずです。
8分の6拍子らしく聞こえるポイントをしっかり押さえて、かっこいい演奏を目指していきましょう。