音色を揃えてアンサンブルに一体感を持たせよう
2023年11月22日、第3回目の中級者アンサンブル・チームかるがもが行われました。
前回発表会で、講師の知らないうちに客席で顔合わせをしておいて下さった皆様、初回から和やかな雰囲気でしたが、3回目ともなると、「一緒に曲を作り上げる同志」とでも言うような、さらなる結束を感じますね。
残念ながら今日は、お一人お仕事の都合でお休みとなってしまいましたが、B♭クラリネット3名でまとまりある演奏を目指していきましょう。(通しの時のみ講師も参加)
演奏曲は、チャイコフスキー作曲『くるみ割り人形』より8曲抜粋です。
作品の雰囲気を掴んでから練習に臨もう
『くるみ割り人形』は、バレエ音楽です。
まもなくやってくるクリスマスの夜を題材にしたバレエで、主人公の女の子の夢の中の世界が描かれています。
全曲は知らないまでも、聴いたことがある曲も多いですし、なんとなく吹けてしまうとは思うのですが、バレエ(=踊り)の曲ですので、実際に踊っている様子を見て、ステップの軽やかさ・重さ、小さい振りの踊りなのかダイナミックなのか、ソロなのか大人数なのかなどを知ることで、どう演奏すべきかがわかってきます。
別に舞台を観に行く必要はありませんが、バレエやミュージカルの音楽を演奏する時には、音源だけではなくその作品自体の映像などを参考にするようにしていきましょう。
もちろん生だからこそ感じられることもあるので、タイミングよく上演されていて、行けるのであれば足を運ぶのもいいですね。
イメージを具体的に持つことができますので、演奏が大きく変わりますよ。
音色を揃えてアンサンブルに一体感を持たせよう
前回お話したように、今回のアレンジはメロディーにせよ伴奏にせよ、目まぐるしく担当者が変わります。
tokyo-clarinet-school.com
その時に、1人で吹いているかのように、まとまりのある演奏になるかどうかの鍵の一つが、「音色や吹き方が揃っているか」という点になります。
今回に限らず、複数人で合わせる時に「音色を揃えたい」というのは、クラリネットの人なら考えたことがあると思います。
部活によっては、マウスピース、リガチャー、楽器のメーカーや種類、リードなどを揃えて、同じ音色にしようと試みているところもあったりしますが、かなり辛口なことを言うと、それだけで揃うなら苦労しないというか、音の傾向は同じになるとは言え、吹いている人が変われば当然違う音色になりますし、まずはその人に合ったセッティングにすることが、良い音でクラリネットを演奏する最低条件になります。
「そんなこと言ったら、結局揃わないじゃん」と思ってしまうかもしれませんが、「音色が揃う」というのは、別にまるっきり同じ音を出すということではありませんので、揃っているように聴かせることはできます。
そのために大切なのが
- 息の入れ方(スピード)
- アンブシュア(口のくわえ方)
を揃えることです。
息のスピードは、音の密度に大きく影響しますので、「ほーっ」と温かい息を入れている人と、「ふーっ」と冷たい息を入れている人では、音色が異なります。
目に見えないものですが、息のスピードを揃えて、意識して音色(聞こえ方)を寄せていきましょう。
また、口を締めすぎればきつい音になりますし、ゆるければわーっと広がった音になってしまいます。
適度にマウスピースを歯で挟んで(それが難しいのですが。)、締まりがありつつも、きつくない音を目指していきたいですね。
それには、普段から「自分のベストなセッティング」「自分のベストな吹き方」を気にかけつつ、合わせる時には周囲の音をよく聴いて、寄り添う気持ちを持つことが不可欠です。
今回の曲では特に、メロディーも伴奏もずっと同じ人が吹いているように聴かせられるように、自身の吹き方を安定させ、かつ耳を使って、揃った音色で演奏できるようにしていきましょう。
ワクワクするような演奏を目指そう
始めにお伝えしましたが、『くるみ割り人形』はクリスマスの夜が題材の音楽です。
途中、主人公の女の子は怖い思いをしたりもするのですが、キラキラ・ワクワクするシーンが多い演目ですので、吹いている人達も、聴いている人達もそんな気分を感じられるような演奏を目指していきましょう。
来月は4名揃う予定ですので、少しバランスも変わるかと思いますが、今できていることはキープしながら、さらに素敵なアンサンブルを作り上げていきたいですね。