瞬発力の必要な強弱とそうでないものを吹き分けよう

2023年1月21日、今年第1回目の新中級者アンサンブルが開催されました。
前回決めたチーム名は、発表会でお披露目しようと思っていますので、今月も「新中級者アンサンブル」とお呼びしていきます。
参加者以外の皆様には、どんなチーム名になったか、楽しみにしていていただけたら嬉しいですね。
今月も全員お揃いですので、B♭クラリネット5名・バスクラリネット1名の計6名で演奏していきます。
演奏曲は引き続き、溝口肇作曲『世界の車窓から』と、L.ハーライン作曲『星に願いを』の2曲です。
演奏しながら聴ける耳を育てよう
いつものように、まずは2曲とも通しましょう。
通しは、アンサンブルする勘を取り戻すことと、今日やるべき課題を見つけること、どちらの面からも大切な意味があります。
東京クラリネット教室のアンサンブルクラスには、講師がいますが、自分達でアンサンブルを組んでいる時など、客観的に演奏を聴くポジションがいない場合は、演奏しながら課題の発見をする必要があります。
吹いて・合わせて・かつ聴く、というのはとても難しいのですが、これを的確にやらないことには、せっかくの合わせの時間が無駄になってしまいます。
録音を活用するのも良いですが、確認に曲の長さ分の時間がかかってしまうので、例えば10分の曲なら、最低10分は音を出さずに聴く作業が必要になります。
しかし、集まって練習するからには、1フレーズでも多く合わせたいので、その時間は非常にもったいないわけです。
そうなると、先述の「吹いて・合わせて・かつ聴く」に磨きをかけるのが一番ですので、「吹くと一生懸命になっちゃって、周りを聴けない」というところから脱却すべく、皆で集まる時にはその力をどんどんつけていけるように、自分の演奏の質も確保しつつ、周囲と、今奏でられている音楽に対して、アンテナを張る訓練をしましょう。
聴けるようになれば、合わせの精度も当然上がりますし、気になった箇所の修正能力も向上しますよ。
瞬発力の必要な強弱とそうでないものを吹き分けよう

新中級者アンサンブルは、約1ヶ月半ほど前回から空いてしまったのですが、皆さんの練習の成果と、このメンバーでの演奏が馴染んできたのもあり、とても響きが豊かになってきました。
あとは、今までもいろんなところでお話してきましたが、強弱の正確さ、音量の幅の広さで、よりおもしろい演奏を目指していきたいですね。
強弱は、主に
- 瞬発力を求められるもの(ピアノやフォルテ、スフォルツァンドなど)
- 音量の変化を求められるもの(クレッシェンド、デクレッシェンドなど)
の2種類に分けられます。
言い換えれば、「パッと切り替えなければいけないもの」と「徐々に変えていくもの」ですね。
こうやって文字にすれば、明らかに違うことがわかりますが、演奏となると、急に難しくなってしまいます。
ピアノからフォルテの切り替えができなかったり、あまり大きさや色に差がなかったり。
前の音量がキープできていないために、次の強弱との境目が曖昧になってしまう、なんてこともありますね。(フォルテだったのに、なんとなく弱くなってメゾフォルテくらいになり、そのままメゾピアノ突入、など)
また、クレッシェンドを見た途端に強くなり始め、デクレッシェンドを見た途端に弱くなってしまう、なんてことも、思い当たる節があるのではないでしょうか。
瞬発力が必要なのに徐々に(意図せずに)変わっている、だんだんと盛り上げたいのに急に全開、など、両者の線引きが意外と曖昧になりがちですので、しっかりと吹き分けができるように練習していきましょう。
アンサンブルでは、「全員で同じようにやる」ことも大切になってきますので、そこは合わせている中ですり合わせていけるといいですね。
残りあと1回!

こちらのクラスは、自主練習を2回されるご予定だそうですが、もしかしたら全員揃えないかもしれないとのことで、確実に6人で演奏できるのは、来月のアンサンブルクラスですね。
本番前あと1回となると、なかなかの緊張感ですが、今日やった中でできるようになったことは、しっかりと定着させ、通してみるとついうっかり…だった部分は、個人練習で確実性を高めておいて下さい。
そうすることで、次回アンサンブルした時に、より良い演奏を目指すことができます。
発表会で、「今までで一番いい演奏だった!」と思えるよう、あと少し頑張りましょう。