歌うように吹くってなんだろう
2022年7月28日、第60回目のバンドアンサンブルが開催されました。
ここ2年の間では、一番休止が多かったバンドアンサンブルですが、参加して下さる皆さんのおかげで、無事60回を迎えることができました。
キリのいい数字だと、なんだか感慨深いです。
ありがとうございます!
これからも、変わらずみんなでアンサンブルを楽しんでいきましょうね。
今日も、先月同様B♭クラリネット3名とベース・ドラム、ピアノの計6名での演奏です。
演奏曲目(順不同)
- Step and Go
- CATSメドレー
- ホールニューワールド
- Another Day of Sun~From La La Land~
- I Am The Walrus
アンサンブル第1回目の思い出
60回目だからというわけではないのですが、休憩時間にたまたま第1回アンサンブルの話になりました。
今では4つのクラスがある、東京クラリネット教室のアンサンブルですが、全ての始まりはこちらのバンドアンサンブルで、一番最初にご参加いただいた生徒さんには、今も変わらず続けていただいています。
今思えば、クラリネットとギターかベース、ドラム、キーボードの4人だけで演奏していましたね。
アンサンブル発足のご提案をした際、「やってみたい!」と手を挙げて下さったものの、いざやるとなったら緊張で「今回だけです!次はやりませんから!!」なんておっしゃっていた生徒さんですが、ご本人はそんなこともすっかり忘れられているご様子。
「えー、そんなこと言ってました?こんなに楽しいのに。その時の自分に言ってあげたいですね!」と、嬉しいお言葉をいただきました。
1人で気ままに吹くのももちろん楽しいですが、複数人で合わせる楽しさもあります。
それを実際に感じていただけているのは、アンサンブルクラスを開催している甲斐もあるというもの。
これからもみんなで合わせる楽しさ・音楽の楽しさを感じながら、どんどん上達していきましょうね。
歌うように吹くってなんだろう
現在、バンドアンサンブルで演奏している曲は、全て「歌もの」です。
歌の曲を管楽器で吹くというのは、独特の難しさがあります。
また、少し話は違いますが、吹奏楽曲などではよく「歌うように吹く(cantabile)」という指示があったりするのですが、クラリネットで歌ってるように吹くには、どうしたらいいのでしょうか。
ポイントはいろいろありますが、
- 音と音のつながりを意識する
- 思っているより大げさに、めりはりをつけて吹く
- 音の終わり方まで気を配る
の3点をまず押さえられると、歌っている雰囲気に近づけることができます。
音と音のつながりを意識する
歌には歌詞がありますので、単語や一つの文を気にかけながら歌えば、自然に音と音がつながり、フレーズとしての流れが生まれます。
しかし、クラリネットを始めとした管楽器では、それができません。
ですので、次の音につなげる意識をしっかり持たなければ、フレーズのまとまりが生まれにくくなります。
文字だと表現が難しいですが、つながりを意識した演奏というのは、「ド・ミ・ソ」ではなく、「ド→ミ→ソ」になります。
スラーで吹けば(タンギングをしなければ)そう聞こえる、というものでもありませんので、実際にドレミや歌詞で歌ってみたりして、どんな意識を持てばいいのか、きちんと掴んでおきましょう。
歌詞がない吹奏楽曲などでも、気にすることは同じです。
思っているより大げさに、めりはりをつけて吹く
歌は、言葉をメロディーに乗せているので、伝えたい部分を強調したり、サビに向けての盛り上がりを作ったり、ぱっと引いて密やかに歌ったり、ということが、比較的自然にできますし、歌詞の力で、聴いている人にその表現がより届きやすくなります。
クラリネットで吹いている場合は、やはりそう簡単には行かず、本人はやっているつもりでも、相手には伝わっていない(平坦に聞こえている)ことが、多々あります。
直接息を音に変えるという奏法(歌)と、楽器を介して音を鳴らす奏法(クラリネット)では、思っているよりも表現の幅が異なるからです。
クラリネットで演奏する際は、「やりすぎかも…」と思うくらい大げさにやって、ちょうどいいことが多いので、しっかりメリハリをつけて吹くようにしましょう。
ただ、演歌調になってしまうと、雰囲気が激変しますので、注意して下さい。
音の終わり方まで気を配る
例えば「チューリップを歌おう!」となった時に、「さいたっ さいたっ チューリップのはながっ」と、言葉の最後をぶちっと切ったり、雑に歌うことはありませんね。
しかし、クラリネットでは、これをやってしまいがち。
フレーズが終わる安心感からか、意外と音の最後まできちんと気を回せなくなり、これが「歌ってる感」を打ち消す原因になります。
不必要に長くするのは違いますが、言葉で表現する時には、どう納めているのか、しっかり考えてから演奏してみましょう。
ドレミで構わないので、実際に声に出して歌ってみることも効果的です。
次回はさらにいい演奏にしよう
今回、2巡目が始まる前にお伝えした「歌のパートの人は、歌らしく吹いてみよう」という課題は、皆さんクリアできましたか?
なかなか難しいので、練習の際には常に気にしてみて下さいね。
バンドアンサンブルでは、人数が多い時にパートを決めたので、曲によっては偏ったパート割りで、今まではいないパートがあったりもしましたが、ご参加者の方々にご協力いただけたおかげで、今回からは全曲において、全員違うパートでの演奏となりました。
やはり、クラリネット3パートがきちんと聞こえてくると、より一層楽しい響きになりますね。
ずっと一緒に演奏されている方々なので、皆さんの音量も、かなり良いバランスになってきたと思います。
ことあるごとに講師一人で言い続けていますが、またライブができる日に向けて、楽しみつつ、どんどん演奏力も上げていきましょう!