曲と曲の間(ま)を操って演奏効果を上げよう

2023年12月20日、第4回目の中級者アンサンブル・チームかるがもが行われました。
9月に発足したこちらのクラスも、あっという間に4回目。
時間が一瞬で過ぎますね。
こちらのクラスが取り組んでいる曲は、短いながらも曲数が多く、皆さん頭を抱えてらっしゃいますので、カットする曲を作るかどうかを考えつつ進めていきましょう。
今回は、全員ご参加いただけましたので、B♭クラリネット4名で曲を仕上げていきます。
演奏曲は、チャイコフスキー作曲『くるみ割り人形』より8曲抜粋です。
曲のカットの決め方
今演奏している曲は、全部で8曲あります。
1曲ずつは短いですが、トータルで10分ちょっとの演奏時間ですので、もし少し長いと感じるのであれば、カットを考えても構いません。
また、アンサンブルコンテストなどでも、制限時間が決まっているので、その場合は曲を短くする必要に迫られる時がありますね。
複数曲あるうちの1曲もしくは数曲をカットするのと、長い曲を短くするのでは、要領が違いますが、共通していることは
- 特に重要な部分は残す
- つながりが不自然にならないようにする
という2点です。
特に、1曲を短くする場合、作曲家が必要だと思っている箇所をなくしてしまうことになりますので、「ここ大変だから(逆に、なくても良さそうだから)カットしちゃおう」くらいの考え方で決めてしまうと、原曲を知らない人にでさえ「なんか変じゃない?」と感じさせてしまうようなつながり方になることがあります。
きちんと、前後を考えて、極力自然に聞こえるようにカットを決めましょう。
曲と曲の間(ま)を操って演奏効果を上げよう

『くるみ割り人形』はバレエ音楽です。
今回の編曲は、第2幕の曲が多く、様々な妖精が入れ代わり立ち代わり登場するさまが各曲で描写されています。
この妖精が現れる曲には、「中国」「アラビア」「ロシア」などの名前がついており、雰囲気や衣装、テンポなど、それぞれの国の特徴が強く出ていますので、それらをしっかり切り替え、表現せねばなりません。
この切り替えの効果を上げるのが、曲と曲の間(ま)になります。
例えば、ゆっくりな曲から速い曲に移る際は、前の曲が終わったところから、ほぼ間を空けずに入るくらいの方が、緊迫感を持たせることができますので、演奏に締まりが出ます。
一方、速い曲からゆっくり、また、ゆっくりからゆっくりな場合は、「よっこらしょ」と落ち着いてしまわないギリギリの間(聴いてる人が咳払いする隙を与えないくらい)を空けると、間延びせず、かつゆったりした気持ちで次の曲に入ることができます。
「実際に音を出している時以外も、連なった曲の演奏中」という意識を持って、曲間にまで気を配るようにしましょう。
適切な間が取れると、曲としての仕上がりレベルが一気に上がりますよ。
全員一致のカット希望は?

今日は、最後に全て通して録音してみました。
このメンバーでの初めての録音です。
「自分達は、こんな響きを作ってるのか」と確認していただいて、より良くするにはどうしたら良いか、確認しておいて下さいね。
そしてカットの話ですが「全員一致の希望なんですけど…」と挙げられた曲は、最初にお話した「特に重要な部分は残す」のまさにそれ。
残念ですが、ご希望の曲をカットしてしまうと、そもそも抜粋として演奏しているにしても、曲が成立しなくなってしまいます。
譜面で見ているより吹く・合わせるのが大変な曲ではありますが、頑張っていただけたらと思います。
曲数も多くて練習の進め方も悩ましいですが、また次回アンサンブルに向けて、コツコツ練習に取り組まれて下さいね。