思っている演奏と実際の演奏の差をなくそう

本日は、上級者アンサンブルが行われました。
こちらのクラスが終わると、発表会前にはアンサンブルクラスはありません。
いよいよ本番が近づいてきた感がありますね。
今回の発表会に向けては、ほとんどのクラスでなかなか人数が揃わず、悩ましいことも多かったのですが、上級者アンサンブルも同じく、発表会出演者が全員集まれたのは4月以来今日が2回目となりました。
本日は、B♭クラリネット5名・バスクラリネット1名の計6名で演奏していきます。
今日の演奏曲も、ベートーヴェン作曲『ピアノソナタ第8番ハ短調 Op.13「悲愴」より第2楽章(抜粋)』と、ピアソラ作曲『リベルタンゴ』です。
できるからこそ細かい気配りを
このメンバー揃ってのアンサンブルは数ヶ月ぶりとはいえ、以前から長く一緒にやっている方々が多いので、全く違和感なく2曲とも通されていました。
周りを聴いて合わせる力も皆さんありますし、演奏に特に問題はなさそうです。
ただそうなると、かえって「なんとなくできているから大丈夫」という状況に陥ってしまいやすくなります。
もっともっと演奏精度を上げて、かっこいい演奏に仕上げることができるのに、それではもったいなさすぎます。
「これくらいできてればいいよね」ではなく、やるからには細部にまでしっかり気を回して、「さすが!」な演奏を目指していきましょう。
思っている演奏と実際の演奏の差をなくそう

「自分が演奏している感覚ではなく、実際に鳴っている音に気を回す」というのは、ソロ・アンサンブル問わず、常々皆さんにお伝えしていることです。
主には、強弱の件でお話しているのですが、もちろんそれだけではありません。
- アーティキュレーション
- 音楽表現
- テンポ
なども、同じです。
今回、上級者アンサンブルが演奏している『リベルタンゴ』は、途中でテンポが上がります。
元々速い曲で、後半でさらに速くする指示があるのですが、最初の通しではほとんど変化がありませんでした。
通し終わったあとに「結局テンポは上げないんでしたっけ?」と皆さんにお聞きしたところ「いえいえ、上げます!今も上げていました」とのこと。
早速、録音していたものを皆さんに確認していただくと、「確かに上がっていませんね…」と、私が言っていたことをおわかりいただけたのですが、それはすなわち、お客さんの耳で聴いた時の状態なのです。
奏者は楽譜を見ていますし、その曲をよく知っています。
当然、細かな指示もわかっていて、そのように演奏しようと試みるわけですが、どうしてもその時に「聴いている人達は、自分達と同じ条件(楽譜が手元にある)ではない」ということまで、わざわざ考えません。
しかし、ここが重要なのです。
耳だけの情報で音楽を楽しむ人達に、何かを伝えるためには、極端なくらいに表現をしなくては、やろうとしていることは届きません。
大げさに吹いてみて、「今、どんなふうに聴こえているだろう」と、客観的に自分達の演奏を聴けるようにしていきましょう。
本番で素晴らしい演奏をするために

今回の休憩中に、上級の皆さんも自主練習をやることに決まったようです。
本番までに、もう一度合わせられる時間があれば、当然今日の演奏よりもさらに完成度を上げることができますので、技術的な面、音楽的な面ともに、客観性を持った練習をしておいて下さい。
そのための下準備として、個人練習で自信のないところはなくしておきましょう。
発表会の〆の演奏として、美しくかっこいいアンサンブルを楽しみにしています。