変拍子でも初見で吹けるようにするための小技

2024年3月13日、今年3回目の中級者アンサンブル・チームかるがもが行われました。
先月、初の発表会出演を果たしたこちらのクラス。
1曲は短いながらも、曲数が多くて大変だったかと思いますが、初本番とは思えない圧巻の演奏を聴かせて下さいました。
今日からは、チームかるがもの皆さんで選んで下さった曲を仕上げていきます。
気持ちも新たに頑張っていきましょう。
本日は、急なお休みの方がいらっしゃったので、B♭クラリネット3名とお手伝いのバスクラリネット1名の計4名で、新曲に取り組んでいきます。(初見演奏の時のみ講師も参加)
今日からの演奏曲は、西條太貴編曲『千と千尋の神隠しメドレー』とP.デスモンド作曲『Take Five』です。
いろいろな曲を吹き分けていこう
先月まで演奏していた曲は、クラシック(バレエ音楽)でした。
今回からは、ジブリとジャズ。
全てが違うジャンルの音楽ですね。
ジャンルが違うということは、当然求められていること(音色・強弱やアーティキュレーションのつけ方・音の処理など)も大きく違ってきます。
クラシックではやらないこと(やってはいけないこと)をジャズではやることもありますし、その逆もあります。
ポップスも同じですね。
「その曲らしさ」を出すためには、しっかりと吹き分けることが大切。
実際に吹く曲だけではなく、各ジャンルを代表する曲も聴いてみたりして、漠然とでもいいのでイメージを持ち、曲の魅力を引き出す吹き方ができるようにしていきましょう。
変拍子でも初見で吹けるようにするための小技

以前、バンドアンサンブルでも演奏していた『Take Five』。
タイトルにもあるように、5拍子の曲です。
5拍子は「4分の5」でも「8分の5」でも変拍子ということになります。(余談ですが、曲の中で拍子が変わっていくことを、変拍子と呼ぶこともあります)
変拍子と言うのは基本的に割り切れないので、音符を均等に分けることができません。
どういうことかと言うと、例えば4分の4拍子であれば「1・2・3・4」と数えますし、8分の6拍子であれば「1・2・3/2・2・3」と「3のかたまりが2つの2拍子」として数えますが、5拍子だとそれができないわけです。
「1・2・3・4・5でいいじゃん」と思われるかもしれませんが、5を数え続けるのはなかなか難しく、途中で混乱してくる可能性大なので、どうにか1~4に収めたいところ。
今回のような5拍子であれば「2・3」と分けるか「3・2」と数えることが一般的です。
ちなみに7拍子は「2・2・3」「2・3・2」「3・2・2」に分けられますし、(8分の)8拍子は「2・3・3」「3・3・2」「3・2・3」のいずれか、ということになります。
そして、今列挙したような「どう分かれている5拍子(もしくはその他の変拍子)なのか」というのを、瞬時に掴む力こそが、初見でも変拍子をすらすら吹くための技になってきます。
「8分の〇拍子」系だと、八分音符がどう結ばれているのかを見ることで、案外簡単に答えがわかります。
また今回のような4分の5拍子の場合は、長い音符に注目すると、拍の分かれ方が見えてきます。
あくまで一例でしかありませんが、1拍目から3拍伸ばすとして、「付点二分音符だけ」なのであれば「3・2」ですし、「二分音符と四分音符がタイ」になってるのであれば、少なくともこの曲のその部分は「2・3」である、と考えられます。
そのような点に着目できるかが、拍子を把握できることにつながり、カウントを見失わずに初見でも吹き続けられるようになっていくのです。
もちろん、ずっと四分音符が続いていたりするとパッと反応するのが難しかったりしますので、そういう時は拍の長さを守って吹いていくしかないのですが、メロディーや伴奏パターンなどを聴いて、「こうかも?」と思えると、一気にその先の演奏が楽になります。
変拍子に出会った時は、まず「どう分けるのかな?」ととっさに反応できるようにしていきましょう。
変拍子の怖さと難しさ

やはり変拍子というのは、字余り感や字足らず感があり、演奏していてしっくり来ないと感じることも多いと思います。
また、ちょっとした休みや、その後に裏拍で入る時など、普段4拍子などでは普通に数えられているものが、ふとわからなくなったりするのが、変拍子の恐ろしいところです。
私も以前、『Take Five』である箇所でどうしてもはまりこんでしまって、次の入りが不安、もしくは入れない、という事態に陥ったことがあります。
慣れるまでは、頭の中で指揮を振ったり、実際にベルで指揮をするような動きをしてみたりして、確実に拍子をキープできるように気をつけながら、練習を積み重ねていきましょう。
一生懸命カウントしなくても、自然に音楽が流れていくようになるまで、コツコツ頑張って下さいね。