リベルタンゴをかっこよく演奏するコツ

本日は、上級者アンサンブルが行われました。
先月はお休みの方がいらっしゃって、少し寂しかったのですが、今回は次の発表会ご出演予定の方々は勢揃いされましたので、B♭クラリネット5名・バスクラリネット1名の計6名で演奏していきます。
今回、1曲は五重奏の楽譜ですが、もう1曲は六重奏。
このクラスでは、六重奏は初めてなので、とても楽しみですね。
演奏曲は、ベートーヴェン作曲『ピアノソナタ第8番ハ短調 Op.13「悲愴」より第2楽章(抜粋)』と、ピアソラ作曲『リベルタンゴ』です。
初合奏参加が周囲より遅くなった時の心構え
今回、次の発表会に向けて2回目の上級者アンサンブルですが、先月やむを得ず欠席された方にとっては、初めての合わせになります。
吹奏楽団などに所属されている方でも、「楽譜が配られた時の練習に行けなくて、まだ合奏に参加できていない」というのは、よく聞く話です。
他のメンバーよりも遅れた初合奏参加では、どうしても気持ちが引けてしまって、小さな音になってしまったり、わからない箇所があると諦めてしまったり、後ろ向きな演奏になりがちです。
初めてなので、それは仕方のないことなのですが、せっかくの合わせる機会ですので、気持ちを切り替えて積極的に吹くように心がけていきましょう。
いい意味で開き直って、「間違えても仕方ないか」「合奏がわかってる人にうまく乗っていこう」と思えれば、より有意義な時間を過ごすことができます。
もしかしたら、自分が思っている以上に上手に吹けるかもしれませんし、余裕を持って演奏できるかもしれません。
「前回出られなかったから…」「みんなよりスタートが遅いから…」などと思わず、その時その時の合奏やアンサンブルに、自信を持って臨みましょう。
リベルタンゴをかっこよく演奏するコツ

さて今回演奏する『リベルタンゴ』は、よく耳にする曲ではありますが、演奏曲としては、あまり馴染みのないジャンルかと思います。
アストル・ピアソラが書く曲は「アルゼンチン・タンゴ」というカテゴリーですが、タンゴ低迷期と言われる時代にかなり人気が出た一方で、反ピアソラ派がいたとのこと。
それくらい、特徴的な音楽だったということですね。
『リベルタンゴ』は4分の4拍子ですが、伴奏は8分の8拍子で書かれています。(八分音符を3・3・2に分けて進んでいくのが、8分の8拍子です)

この8分の8拍子の縦の線をビシッと揃えることと、スタッカートを極力軽快に、余韻を残さずに締まりのある音で吹くことが、『リベルタンゴ』のかっこよさを左右すると言っていいでしょう。
それとは正反対に、長いスラーは「これでもか!」というくらいに、なめらかを超えてべったり吹くと、対比になり、音楽的表現に深みが出ます。
原曲には、管楽器は使われていませんが、「息をたっぷり使って吹き込む」というのは、管楽器ならではの奏法で、感情も出しやすいので、抒情的に演奏していきましょう。
また、今回使っている楽譜では、音は変わりますが、2nd→3rd→4th→5th→1stというように、同じリズムが引き継がれていく箇所があります。
このような部分は、前に吹いた人と、(音高に関わらず聞こえている)強弱やアーティキュレーションを揃えることが求められますので、ただ自分の楽譜に書いてある通りに吹くのではなく、前の人がどんな吹き方をして、どれくらいの音量で吹いているか、しっかり聴いて、同じように演奏しましょう。
以上のポイントが押さえられると、きびきびした中にも、まとまりのある音楽を作り上げることができます。
人数が多いアンサンブルの良さと難しさ

アンサンブルの人数が増えてきて、今回は初めての六重奏ですが、パート数が増えれば当然厚みが出ますので、演奏も豪華になってきます。
吹奏楽で育った人であれば特に、編成が大きいとワクワクしますね。
その分、みんなで音楽的に同じ方向を向くことや、同じように演奏する難易度は上がっていきますので、そこを克服せねばなりません。
相談なども大事ですが、合わせている時にアンテナを張って、耳を使って、臨機応変に自分の演奏を変えつつ、寄り添った演奏を目指していきましょう。
来月は、さらにかっこいい演奏を楽しみにしています。