アンサンブルで初見演奏をする重要な意味

2022年9月26日、今年9回目の初級者アンサンブルが行われました。
初めて6人での発表会本番を終え、かなり強固な絆で結ばれた印象の初級者アンサンブルの皆様。
演奏も素晴らしかったですね。
こちらのクラスも、中級者・上級者クラスと同じく、今日から新曲を始めますので、演奏曲はだいぶ前に決めておいていただきました。
発表会出演者全員が、継続してご参加下さることになりましたので、本日もB♭クラリネット6名で演奏をしていきます。
今月からの演奏曲は、久石譲作曲『人生のメリーゴーランド』です。
みんなの強敵・三拍子
『人生のメリーゴーランド』は、「Tempo di Valse」の指示もある通り、三拍子で、ワルツのテンポで演奏されます。
三拍子というのは、日本にずっと住んでいる人達には、非常に馴染みの薄い拍子で、演奏するのが苦手な方も多いと思います。
数を数え続けるのも難しく、また、おしゃれに吹くのはさらに難しい、という、なかなかな強敵です。
しかもワルツの場合は、三拍子を感じつつ、でも一小節を1拍で数えなければなりません。
より難易度が高いですね。
拍子というのは、とにかく慣れが大切ですので、普段楽器を持っていない時から、「1」の強い「1・2・3」「1・2・3」を数える(感じる)練習をしておきましょう。
アンサンブルで初見演奏をする重要な意味

どのクラスでも毎回やっていることですが、今回初級者アンサンブルでも、パートが決まった直後に、ほぼ目を通す時間がないまま、初見での通しに挑戦していただきました。
以前から、曲を始める際の初見演奏は必ずやっていただくようにお勧めしていますが、アンサンブルでの初見というのは、とても重要な意味があります。
それは
- 絶対に止まったり戻ったりできない
- わかっていると思っていた音が、実はとっさに吹けないと知れる
- 苦手なリズムがより顕著になる
などです。
絶対に止まったり戻ったりできない
これは、普段の初見でも心がけていらっしゃるとは思いますが、とはいえ一人で吹いていると、ついうっかり吹き直してしまったり、カウントを止めてしまうことがあると思います。
しかし、アンサンブルでは、それが絶対にできません。
「とっさに音が読めず吹けなかったとしても、カウントをし続ける」という点においては、一人での練習よりも、断然アンサンブルの方が、いい意味での強制力があるわけです。
わかっていると思っていた音が、実はとっさに吹けないと知れる
「いつも楽譜を見ながらロングトーンをしているし、ぱっとわからない音なんてないよ」と思っていても、アンサンブルで唐突に出てくる加線たくさんの音に「うっ!」となった経験は、意外と皆さんあると思います。
今回も、最低音の「ミ」が出てくることが多く、「この音なんだ…」「これはファ!」「ミって、指どれだっけ…」と、様々な引っかかり方をされていましたね。
それは悪いことではなく、むしろいいことです。
ロングトーンでは順番に演奏していくので、指がわかります。
またソロ曲では、意外と音域に限りがある曲も多いため、加線がたんまり、というのは、案外お目にかかれないのです。
自分のできないことを知るのは、上達の第一歩ですね。
苦手なリズムがより顕著になる
ソロで吹いていると、伴奏を担当することというのは、あまりないのですが、アンサンブルでは当然あります。
特に、私がアレンジしている楽譜に関しては、メロディーも伴奏も全てが回ってくるように書いてあるので、「メロディーの流れなら吹けるけど、伴奏で急に出てきたリズムで、よくわからないものがある」ということも、起こります。
今「時間をかけて考えればできるんだけど…」と思っているリズムも、瞬発的に対応できるようになれれば、怖いものなしです。
そのためにも、苦手はきちんと把握したいですね。
「できない」「苦手」はマイナスではない

初見というのは、読んで字の如く、ですので、最初の1回しかできません。
「全然吹けないから、初見はやりたくないのよ…」と避けてしまうと、もうその曲での初見演奏は絶対にできないわけです。
しかしそれは、とてももったいないことです。
なぜなら、先述の「できないこと」「苦手なこと」を知るチャンスを逃してしまうからです。
知れれば、練習の進め方や改善の方法も考えられますし、それを積み重ねることで「おー、かなり読めて吹けるようになったなー!」と、成長を感じることもできます。
なにより、初見はやったらやった分できるようになります。
「できない」を「できた!」に変えるべく、今後も積極的に初見に取り組んでいきましょう。
そして、今回引っかかった分は、しっかり復習しておいて下さいね。