東京クラリネット教室
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クラリネットのマウスピースを自分で選ぼう

きれいに並べられた選定前のクラリネットのマウスピース

なぜ選定の必要があるのか

最近は、様々なメーカーからマウスピースが発売されていて、ものによっては「精密に機械で削り出されていて、人の手が入っていないので、ブレ(個体差)がない」というマウスピースもあるようですが、多くの人が使っているヴァンドレンのマウスピースは、複数の職人さんが仕上げの工程を担っているため、どうしても個性が出てしまいます。

この個性は、奏者との相性につながりますので、「同じ型番だから同じ吹き心地」とはならず、見た目は一緒なのに吹きやすい・吹きにくいが生まれます。

「そんな違い、私にはわからないから」とおっしゃる方も多いのですが、そんなことはありません。

吹き比べれば確実に差がわかりますので、必ず吹いて、選んでから購入するようにしましょう。

クラリネットのマウスピースを自分で選ぼう

クラリネットのマウスピースを選ぶには、人それぞれ進め方があると思いますが、私が長く自分でやっていて、生徒さんにもお伝えしている方法をお話したいと思います。

なるべく多い本数の中から選んだ方が、「これ!」というものに巡り合えるかと思いますので、できればお店の方に多めに在庫を出してもらえるといいですね。

1回目:ざっくり「良い」「悪い」に分ける

まず1巡目は、ざっくりと仕分けをしていきます。

複数の型番から試す時は、トータル本数が少なければ全部吹いてみるといいですし、例えばそれぞれ10本ずつくらいあるのであれば、全て吹くと大変なので、3本くらい試してみて、気に入った型番を吹き進めていきましょう。(時間と体力があれば、あるもの全部を試しても構いません)

その後は、下から上の行ける音までスラーでさーっと音を出して(出せる方は高い「ソ」や「ラ」まで)、単純に鳴りやすいかどうか、音ムラ(鳴りにくい音や音域)がないかを確認します。

慣れてくれば、最初の音を「ぷーっ」と鳴らしただけで、「あ、これ駄目かも」というのがわかるようになってきます。

注意していただきたいのが、1本前に吹いたマウスピースがあまり良くなかった場合、次のものを「さっきよりはいいかも」と判断したくなる点です。

前が良くて「これは駄目だな」はいいのですが、「さっきよりはいいかも」レベルのものは、確実に2巡目以降で脱落しますので、余分に1本残してしまうことになります。

「その個体がいいかどうか」という着眼点で、良いか悪いかを判断していきましょう。

また、いいのかどうか迷ったものも、外しましょう。
迷ったということは、良いわけではないので、それも脱落の道が待っています。

吹いたら、「悪いものは逆を向ける」など自分の中でルールを決めて、ぱっと見てわかるようにしておくことが大切です。

最初の仕分け後のマウスピース

なおその際、一度弾いたものは二度と吹かないようにしましょう。

出来心で「もう一回吹いてみようかな」なんてやってしまうと、「なんかこれもやっぱりいい気がしてきた…」と、ドツボにはまります。

2回目:タンギングしてみる

スラーでは良いように感じても、タンギングをしてみた途端、「あれ、吹きにくいな」というマウスピースがあります。

最低音から行ける範囲の高音まで、半音階で一音ずつタンギングして、切れが悪いように感じるのであれば弾きます。

また、1つの音を2つか3つずつタンギング(ミミ・ファファ…、または、ミミミ・ファファファ…)してみると、よりわかりやすくなりますので、それもやってみましょう。

クラリネット吹きはストイックな方が多く、「いやでも、タンギングがうまくできないのは、私のせいだし、練習すればなんとか…」と考えてしまいがちなのですが、そんなことはありません。

自分に合っていて、タンギングのしやすいマウスピースというのはありますので、「練習したらいいから…」なんて考えないようにして下さい。

あえて鋭く(なんなら汚く雑に)タンギングしてみて、出だしに「キッ」という短い音が入らないか試すこともしてみましょう。

3回目:小さい音・大きい音を出してみる

クラリネットはゼロ発進(何もないところからすーっと音を立ち上げる)ができる楽器です。

一番低い「ミ」の音の指をして、音が鳴るか鳴らないかのギリギリの量の息を入れてみましょう。

反応の良いマウスピースであれば、息を入れてすぐに音が立ち上がりますが、入れても入れても全く音が鳴らない(なんなら息すら入らない)ものがありますので、この方法で〇✕に分けていきます。

すっと音が出たものに関しては、そのままクレッシェンドしてできるだけ大きくして、そこからデクレッシェンドをかけてまたゼロに戻します。

息を入れたら入れた分、しっかり大きく鳴るものもあれば、思ったほど大きな音を鳴らすことができないものもあります。

これも判断材料ですね。

「ミ」のあとには、High B♭でも同じようにやってみましょう。

最近私がプラスして判断材料にしているのが、口も息もゆるゆるでHigh B♭を「ホ・ホ・ホ…」と吹く方法です。

このようにしても、ちゃんと音になるマウスピースもあれば、ずっと「ウ・ウ・ウ」という高い音がうまく鳴らなかった時の音になってしまうものもあります。

ゆるい息でもきちんと鳴れば、うっかり曲中で息を弱めてしまった時にも音は鳴ってくれますので、この方法も試してみて下さいね。

4回目:開放の「ソ」からレジスターキーを使った音域に半音階で上がる

これは、音ムラがないかの1つのチェック方法です。

開放の「ソ」から「ソ・ソ♯・ラ・ラ♯・シ・ド」と、大きな音と小さな音で、なるべく速く上がってみましょう。

楽器が短い状態から、長くなった時に、詰まったり引っかかるように感じるのであれば、そのマウスピースは良くありません。

吹き心地が変わらないものを選びましょう。

5回目以降:曲を一節吹いたり、気になることをやる・リードを換える

最終候補の3本まで絞られたマウスピース

ここまで来たら、だいぶ絞れていることと思います。

あとは、自分が苦手に感じていること(例えば高音や、大きな音の出だしなど)や美しく吹いてみたいメロディー、さっきまでのチェックを再度やってみたりして、「これが総合力一番!」という1本を見つけ出します。

さっきまでつけていたリードから、ちょっと吹きにくかったり、逆に鳴りすぎてしまうものに交換してみるのもいいですね。

最後の2本になったあたりは、差もわずかになりますし、疲れも出てきて、正直よくわからなくなってくると思いますが、諦めたり妥協したりせずに頑張りましょう!

吹きやすいマウスピースで余分なストレス軽減

マウスピースとリガチャーを選ぶ生徒

先程も書いたように、クラリネット吹きの方々は「これができないのは、マウスピースのせいなんかじゃなく、自分が下手だから・練習不足だから」と思ってしまいがちです。

もちろん、全てが道具のせいではないのですが、でも吹き比べてみれば「タンギングがしやすい・しにくい」であったり、「音の立ち上がりの反応が良い・悪い」などが、マウスピースによって変わる、ということがわかっていただけると思います。

マウスピースをきちんと選ぶだけで、やらなくて済む練習に気づけます

思うように音が出せれば、余分なストレスを感じることなくクラリネットを吹くことができますので、自分に合ったマウスピースを見つけて、より楽しくクラリネットを演奏していきましょう。



この記事を書いた人

吉祥寺教室
中村 珠美 先生

この記事を書いた人

のべ10,000人以上の生徒を指導。 笑いの絶えない楽しいレッスンで、あなたのクラリネットスキルを次のステージへと導きますよ! ごはん大好き、お酒も大好き、ミスチル大好き。


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