吹奏楽でたくさんの曲を渡された時の練習方法

いよいよ年度末。
相変わらず制限の多い日々で、時間が経つのだけが早いですね。
部活などで、春休み中に定期演奏会やそれにあたるコンサートがある学生さんや、所属している楽団で演奏会を控えている方も多いと思いますが、吹奏楽では「はい、演奏会でやる曲」と、まとめてたくさんの楽譜を渡されることがよくありますよね。
そんな時、「こんなにいっぱい曲があって、どうやって練習したらいいんだ…」と途方に暮れることもあると思いますが、今回はたんまり渡された楽譜の練習の進め方について、考えていきましょう。
自分の譜読みの仕方を知っておく
新しく練習することになった曲の中には、もしかしたら過去に演奏した曲も含まれているかもしれませんが、知らない曲に取り組むことが多いと思います。
そんな時大切なのは、自分に合った譜読みの仕方を知っておくことです。
楽器練習以外でもそうですが、何か物事を自分のペースで進めていく時には、より効率的な方法を取った方がいいですよね。
それには、自分に合ったやり方というものを、きちんと把握しておく必要があります。
ちなみに、「譜読み」の定義というのは難しいですが、私は「速かったり、動きが複雑で指が回らない・吹けないところなどはあったとしても、一通りの音とリズムはわかっている」という状態になっていることを「譜読みした、と言っていい」と考えています。
では、その譜読みを完了させるにあたり、どんなタイプがいるのかですが、
- 譜読みらしい譜読みはいらない(初見が得意)
- ゆっくりであれば、一定のテンポで音もリズムもぱっと取れる
- 通してはできないけど、小節やフレーズ単位ならできる
- 自力でできるけど、せいぜい拍単位でしか掴めない
- 音源を聴かないと、楽譜を見てもよくわからない
などなど、「譜読みをする」と一口に言っても、本当に様々です。
この各タイプの人達が、同じような練習の仕方をしていくとは考えにくいわけで、ただでさえ曲数が多い時に、「自分に必要なやり方をしていない」「必要ないやり方をしている」のでは、全曲を練習しきれなくなってしまいますね。
自分に合った譜読みの進め方をしっかり把握して、時間を上手に使っていきましょう。
吹奏楽でたくさんの曲を渡された時の練習方法

曲数が多くても少なくても大切な「自分に合った譜読みの仕方の把握」ですが、それがわかったからと言って、たくさんの曲をどう練習していくかということとは、少し話が違いますので、そちらの進め方も考えていきましょう。
まず一番に考えるべきなのは、最初から曲による優先順位をつけないということです。
「これは簡単そうだから今すぐやらなくていいかな」
「音がたくさんで難しそうだから、ちょっと先送りしちゃえ」
などと考えず、さっと一通り目を通すように心がけましょう。
もちろん、一つ一つの譜読みに時間がかかる方にとっては、とても大変な作業になりますが、だからと言って「この曲がきちんとできるようになったら、次の曲に取りかかろう」などと思っていると、全ての曲の練習どころか、譜読みに入ることすらできず、困ることになります。
しかも、こちらの譜読みの進み方に関わらず、合奏はやってくるわけで、手つかずなせいでぼーっとしている曲があるようでは、時間がもったいないですね。
先程、譜読みをした、というのは「速かったり、動きが複雑で指が回らない・吹けないところなどはあったとしても、一通りの音とリズムはわかっている」という状態だとお伝えしましたが、曲数が多い時にはそうも言ってられません。
もちろん、いち早く全ての譜読みを終わらせることは、やらなくてはならないことなのですが、最初のうちは広く浅く、吹いたことがない曲を作らないようにして、その中から曲やフレーズごとに難易度を見極め、練習の配分をしていくようにしましょう。
吹奏楽曲に取り組む時の心構え

私も先日、とある吹奏楽団の定期演奏会で演奏することになり、短い曲を含めて一気に13曲練習せねばならない状況になりました。
吹奏楽は、オーケストラに比べると1曲が短いので、定期演奏会系の本番の場合10~20曲ほどの練習が同時進行、なんてこともざらにあります。
それだけの曲を抱えていると個人練習の時間の確保も難しいですが、各曲の様子が見えてくるまでは、「とにかく毎回、全曲をざっと通す」くらいの気持ちで、練習に取り組みましょう。
作りや難易度含め曲の全体像を掴むこと、自分が苦手な箇所を知ることから始めて、次の段階で精度を上げていくことに努めると、たくさんの曲でも進度に大差なく仕上げていくことができます。
たくさんの曲を練習せねばならない時は、「広く浅くまんべんない練習」をまずしていきましょう。