東京クラリネット教室第7回発表会

2021年7月11日、東京クラリネット教室第7回発表会が行われました。
前回発表会から、ちょうど半年。
なかなか世間の状況は好転しませんが、無事に発表会開催の運びとなりました。
第6回発表会で使用したホールは、4月から改修工事に入ってしまったことと、以前使っていた会場は、まだ大人数での飲食はできない、ということで、新たなホールを使うことにしました。

今回のホールは、定員256名と、前回の半分以下のキャパではありますが、ソロやアンサンブル演奏には充分な広さ。
ホールスタッフの方々が、こぞって「うちは音響があまり良くないので…」とおっしゃっていたのがちょっと気にはなりますが、全く響かないわけではなさそうなので、気持ち良く吹いていただけるのではないでしょうか。
今回も、発表会常連の生徒さんに加え、初めてチャレンジされる生徒さんもいらっしゃいますし、過去に出演したことはあるけれど、ホールは初めて、という方もいらっしゃいます。
緊張もすると思いますが、今までの練習の成果を存分に発揮して、楽しい会にしていきましょう!
初めての試み・ソロ演奏のリハーサル

いつも、本番前に講師演奏とアンサンブルはリハーサルをしているのですが、今回はホールを借りている時間が長いこともあり、初めてソロ演奏のリハーサルの時間を設けました。
もちろん希望者のみですが、ほとんどの方にご希望いただいて、1人あたり持ち時間5分で行いました。
やはり、本番と同じ場所であらかじめ演奏できるのは、様子もわかりますし、一旦リハーサルで緊張することで、その後ちょっと落ち着くことができますね。
なかなか好評でしたので、次回発表会でもぜひ行いたいと思っています。
講師演奏・ソロ・アンサンブル、と無事にリハーサルが終わって、ホールの響きも把握できたところで、いよいよ本番です。
第一部

ウェントス(石毛 里佳)
前回発表会では、ピアノ伴奏のデュオ演奏をされたお二人。
今回はクラリネット三重奏をやりたい、と早い段階(前回の発表会が終わる前)からご希望されていたので、講師を含めたトリオ演奏を行いました。
急・緩・急の形式の曲でしたが、その「急」がとにかく速い!
練習ではなかなか速いテンポがキープできなかったり、指が回らなかったりしましたが、本番では疾走感のある、良い演奏でしたね。
それぞれがお持ちの曲のイメージは全く違うものだったのですが、どちらにもはまるかっこいい演奏になったと思います。
次の発表会に向けては、別々に演奏することになりそうですが、そちらも楽しみにしています。

クラリネットとピアノのための幻想的小品(C.ニールセン)
前回同様、「めちゃめちゃ緊張しています…!」とおっしゃっていた生徒さん。
なるべく早めの出番がいい、ということで、今回は2番目に演奏していただきました。
ゆったりと始まり、カデンツを経てテンポアップ、スピード感をキープしたまま吹き切る、という、短いながらも盛り沢山の曲で、特にカデンツのフェルマータや付点の扱いに苦労されていましたが、本番ではしっかり自分のものにされていて、かっこいい演奏となりました。
演奏には緊張も感じられず、今回も堂々と吹かれましたね。
いつもご自身で曲を決められる方なので、次に選ばれる曲も楽しみです。

夜に駆ける(Ayase)
発表会初挑戦の中学生です。
実は、1月の発表会に出演される予定だったのですが、練習のしすぎでのどを痛めてしまい、残念ながら初ソロ演奏はお預けとなっていました。
歌うのも難しいこの曲は、クラリネットで演奏するとさらに難易度アップで、かなり練習も大変だったと思いますが、本番は見事に吹き切れました!
今までの過程を考えると、しみじみ「よく頑張ったなー」と、演奏中に思わずしんみりしてしまいましたが、目標を持つことと、それを達成することの大切さを実感してもらえたかと思いますので、新たな目標を決めて、また一緒に頑張っていきましょう。

糸(中島 みゆき)
こちらの生徒さんも、初めての発表会でした。
発表会が近づくにつれ、お仕事も多忙を極める状況になってしまい、練習時間の確保が本当に大変だったかと思いますが、本番はのびのびと演奏されていて、曲の持つやわらかさをしっかり表現されていたと思います。
「リハーサルから右手が動かなかった…」と、ご本人的には緊張されていたようですが、お客様からも「何かが強く伝わってくる感じがして、感動しました!」という素敵なメッセージもいただきましたので、ぜひまたソロ演奏に挑戦なさって下さいね。
次回も楽しみにしています。

愛は花、君はその種子(A.マクブルーム)
久々のソロ演奏に挑戦された生徒さんです。
以前に比べ、「曲をどんなふうに演奏したいか」「どう表現したらいいか」という点が、飛躍的に良くなったなと感じる演奏でした。
バンドアンサンブルでいろいろな曲の経験を積まれたのが、ソロにも活きたのかもしれませんね。
「本番が一番良かった!」と、ご本人も大満足の、会心の出来となりました。
ぜひまた大好きな曲を選んでいただいて、楽しく、自分らしい演奏をして下さいね。
次の発表会も楽しみです。

Fly Me To The Moon(B.ハワード)
前回に引き続き、ソロとアンサンブル両方の出演となった生徒さんです。
本番前になかなかのハプニングがありましたが、しれっと乗り切られたのは、さすが大人の余裕!という感じでしたね。
毎回のレッスンでも安定した演奏をされていましたが、発表会でも変わらず、安定度抜群の演奏を聴かせていただきました。
さらりとした曲がお得意なイメージですが、ぜひ熱い演奏もお聴きしてみたいと思います。
次の発表会では、アンサンブル曲がなかなかヘビーかもしれませんが、またソロ演奏も挑戦なさって下さいね。

亜麻色の髪の乙女(C.A.ドビュッシー)
2回目の発表会出演の生徒さんです。
曲のタイトルと雰囲気から、とても素敵なイメージをお持ちにも関わらず、レッスンでは「いざ吹くと、怖いお姉ちゃんが出てくるんです…」とおっしゃっていましたが、本番ではちゃんと想像した通りの可憐な乙女が登場したのではないでしょうか。
あがり症のご様子ですが、吹き始めてみればそんなことも感じさせず、ホールでの演奏を楽しまれていましたね。
「本番は、数撃ちゃ当たるだと思いました!」とのこと、ぜひ継続してご出演いただき、どんどん経験値を積まれて下さいね。

春の歌(J.L.F.メンデルスゾーン B.)
初めての発表会出演の高校生です。
勉強も部活も、本当に忙しそうで、なかなか練習時間もレッスンの時間も確保するのが大変な様子でしたが、そんな中とても頑張ってくれました。
リハーサルでは、緊張からか少しテンポが速くなっていましたが、本番では一転、ゆったりして優雅な演奏となり、親御さんにもとても喜んでいただけたようです。
「発表会に出てみる?」とお話した時、「出ます!!」と即答してくれた彼女。
ますます学校生活が忙しくなるかと思いますが、またのご出演楽しみにしています。

ソロ ドゥ コンクール(H.ラボー)
こちらの生徒さんも、初めてのご出演でした。
実は以前、この曲に挑戦されたことがあるとのこと。
思い出しつつ、その時よりもパワーアップした演奏を目指して、ご多忙な中練習を積まれてきました。
難しい曲でしたが、本番では堂々たる演奏となりましたね。
とても緊張した、とおっしゃっていましたが、同時に達成感もあったそうで、初発表会を楽しんでいただけたようです。
初めての発表会で、ソロとアンサンブルに出演するというのは大変だったかと思いますが、ぜひ次回もご出演いただけたらと思います。

クラリネットソナタ 第2楽章・第3楽章(F.プーランク)
大学で専門的にクラリネットを学んでいる彼女。
大学受験のために、当教室に入会してくれた生徒さんですが、早いものでもう4年生です。
学校生活が忙しいようで、きちんと演奏を聴くのは久しぶりになりましたが、技術力も表現力もアップし、専門家の風格漂う演奏でした。
ピアニストとの息もぴったりでしたね。
卒業後ももちろんクラリネットは続けていく、とのことでしたので、またのご出演お待ちしています。
レッスンにもいらして下さいね。
第二部
第二部はアンサンブルステージです。

愛の挨拶(E.W.エルガー)
まずは初級者アンサンブルです。
男性2名・女性2名で進めてきたこちらのクラスですが、訳あって男性陣が出演できなくなってしまい、慌てて講師が加わっての本番となりました。
前回の発表会に比べ、難易度がぐっとアップした曲目でしたが、だんだんとアンサンブル力も上がってきているので、まとまりのある、良い演奏となったと思います。
本番ならではのアクシデントは今回も少しありましたが、「楽しかった!」と感じていただけたようですので、また次の発表会に向けて、一緒に頑張っていきましょう。

幻想小曲集より スケルツォ(C.T.グリフェス)
後半2番目は、中級者アンサンブルです。
こちらのアンサンブルも、本番直前に急遽上級者アンサンブルのバスクラリネットの方にお手伝いをお願いすることになり、講師的には少しバタバタ・ドキドキの中、本番を迎えました。
とはいえ、しっかり練習を積んできた皆さんは、動揺することなく、練習の成果をしっかり発揮して、落ち着きつつも躍動感のある演奏をされたと思います。
メリハリもあり、お客様にも楽しんでいただけたのではないでしょうか。
一番人数の多いこちらのクラスですが、ますます団結して、次の発表会も良い演奏をしましょうね。

メリーウィドウ・セレクション(F.レハール)
第二部最後は、上級者アンサンブルです。
前回から今回にかけて、メンバーの入れ替わりもありましたが、ほとんどが長く一緒に演奏されている皆様なので、息もぴったり。
難しいメドレー形式の曲を、彩り豊かに演奏されました。
実際に知らなくても「こんなお話なのかな?」と、オペレッタ『メリーウィドウ』の場面が想像できるような、楽しいアンサンブルでしたね。
次の曲は、また吹奏楽のオリジナル作品に挑戦される方向でお話が進んでいますので、今回とは違った演奏を楽しみにしています。
講師演奏
生徒さん達の気持ちのこもった演奏を聴いたあとは、講師演奏です。
今までの講師演奏では、オーボエとのデュオ、ピアノとの演奏をしてきましたが、今回は少し趣向を変えて、ヴァイオリン奏者の方とピアニストとのトリオ演奏を行うことにしました。
曲は、D.ミヨー作曲『ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための組曲 第1曲・第4曲』です。
嬉しくてクラリネット情報がどんどん増えます
ご一緒したのは、元同僚のヴァイオリニスト・伊佐山加奈子さんと、高校の同級生のピアニスト・齋藤利理子さん。
お二人は今回初対面だったのですが、以前からお知り合いだったかのような、息の合った熱い演奏をして下さいました。
全4曲からなる組曲の2曲を抜粋して演奏したのですが、「このメンバーでいつか全曲やってみたい!」と思える、楽しい時間でした。
ヴァイオリンは、意外と近くで演奏を聴いたこと・見たことがある方が少ないかと思いますので、そういう点でも、お客様に楽しんでいただけていたら良いなと思います。
ぜひまたご一緒して下さいね。
目標を決めて上達していこう
相変わらずの落ち着かない日々ですが、今回も初参加の方、常連組の出演者の方々と、制約のある中ご来場いただいたお客様のおかげで、無事に発表会を終えることができました。
「人前での演奏なんてとんでもない…!」という生徒さんも多いのですが、やはり期限が切られた具体的な目標を持つことは、練習の仕方を見直すきっかけになったりすることもあり、上達に直結します。
できることが増えれば、もっともっとクラリネットを楽しめますので、ほんの少しでも興味のある方は、ぜひ勇気を出して一歩を踏み出してみて下さいね。
ご出演の皆様、ご来場いただいた皆様、スタッフの方々、今回もありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。