演奏を格上げする立ち居振る舞いとは

2023年2月6日、今年2回目の初級者アンサンブルが行われました。
いよいよ、初級者アンサンブルクラスも、本番前最後。
残念ながら、お一人どうしても都合がつかなくなってしまいましたので、次に全員集まれるのは発表会当日のリハーサルになってしまいますが、今日ご参加のメンバーで、しっかり作り上げていきましょう。
本日は、B♭クラリネット6名で演奏していきます。
演奏曲は、アイルランド民謡『ロンドンデリーの歌』と久石譲作曲『人生のメリーゴーランド』です。
演奏以外で大切な部分
ソロやアンサンブル、吹奏楽などで、精度の高い、素晴らしい演奏をすることはとても大切ですが、それと同等に大事なことが、舞台上での立ち居振る舞いです。
いくら良い演奏ができるとしても、お客様が「この人の演奏をぜひ聴きたい!」と思ってくれなければ、心に届けることができません。
ですので、ステージに一歩出た瞬間から、音楽は始まってることを常に頭に置いておくようにして下さいね。
日々のクラリネットの練習では、当然音楽的な向上に取り組みますが、それ以外の仕上がりを左右する点にも注目して、より良い音楽を客席に届けましょう。
演奏を格上げする立ち居振る舞いとは

それでは、具体的にどのような点に気をつけると、演奏がさらに良く聞こえるのか、考えていきましょう。
入退場
ステージに出た瞬間から「この人(達)の演奏を、ぜひ聴いてみたいかも!」と、お客様に思ってもらうためにも、まず入場の時から、姿勢良く、堂々と入るようにしましょう。
別に、行進のようにする必要はありませんし、早足の必要もありません。
かと言って、のそのそと、覇気のない歩き方は良い印象を与えませんので、歩き方にも気を配るようにして下さい。
もし余裕があれば、録画して、自分の歩き方を確認してみるのもいいですね。
退場の際も、「あー、終わって良かった」と油断せず、同じようにしゃきっと袖に戻りましょう。
礼
アンサンブルであれば、全員が入場し終わったら、再度スイッチを入れて「これから演奏します!」モードに切り替えましょう。
そのためには、全員揃って前を向き、一旦静止することが大切です。
バラバラとした礼は、締まりなく見えますので、入場した流れで礼に入るのではなく、前を向いて全員静止→その後頭を下げる、ということを、必ずやりましょう。
頭を下げたあとも、3秒ほど止まり、顔を起こしたあとも同じように止まると、より締まって見えます。
チューニング
チューニングの始まりは、あまりきょときょととメンバーの状況を見ていると、間延びしていってしまいますので、チューニングを担当する人自身が準備できたら、音を出してしまいましょう。
もちろん、みんながまだバタバタと楽譜の準備をしていたりするのに始めてしまうと、他のメンバーを焦らせてしまいますが、だからと言って、全員が落ち着くのを待つ必要はありません。
チューニングは、さっと始めて、ぱっと終わるようにしましょう。
曲の始まり・終わり
出だしの合図を出す人は、楽器を構えてから周囲の様子(みんなが準備できているかどうか)を見るのではなく、構える前に確認するようにして下さい。
構えたあとに時間をかけると、良い意味での緊張感がどんどん失われていきますし、出だしに音がある人達が、「いつ合図が出るんだろう…」と迷う原因になります。
ただし、チューニングからの流れで、そのまま構えてしまうのは良くありません。
「構える=音楽が始まる」と意識して、チューニングが終わったら全員一度楽器を外し、その後ぴしっと構え直して、合図担当の人は余分な動きはせずに(自分自身がテンポを掴むために楽器を揺らしたりせずに)、吐く・吸うの2拍を出して、曲を始めましょう。
また、曲の終わりも、なんとなく終わり、ではなく、曲が終わったら一瞬楽器をキープして、緊張感を少しだけ維持して余韻を感じてから、その直後に「はい、終わりました」とクラリネットを下ろして、切り替えるようにするといいですね。
吹奏楽やオーケストラで、指揮者がすぐに指揮棒を下ろさないことと同じです。
その後の礼のための起立も、「えっと、立っていいんだよね…?」というような、遠慮がちな立ち方ではなく、すっと立ち上がるとかっこよく見えます。
舞台上にいる間は、きびきび・しゃきっとするように、心がけましょう。
ステージに出ている時のイメトレをしておこう

今日は、通す練習を中心に行った初級者アンサンブルですが、そのたびに入退場や礼の練習をしましたので、だいぶ体に馴染んできたかとは思います。
頭で考えなくても、自然に体が動くようにしておけると、演奏に集中することができますので、個人練習の時にもどう動くか考えてみたり、イメージトレーニングをしておいて下さい。
本番直前のリハーサルでも、ぜひ入退場からやってみて下さいね。
曲の演奏はかなり良くなってきていますので、立ち居振る舞いを含めて、発表会を楽しみにしています。