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民族舞曲をよりかっこよく聴かせるためのコツ

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伴奏力向上に向けて練習する上級者アンサンブルメンバー

本日は上級者アンサンブルが開催されました。

8月の発表会から早2ヶ月。
次回発表会は来年1月の予定ですので、今回はどのアンサンブルクラスもレッスンの開催が5回しかありません。

早めに自主練習を企画するクラス、「どうにか頑張って5回で仕上げよう!」というクラス、「先々必要そうなら自主練をしようか」というクラスなど、それぞれの特色が出ていておもしろいなぁと思いながら見ています。

上級者アンサンブルの皆さんは、今回E♭クラリネット1名・B♭クラリネット6名・バスクラリネット1名の計8名で演奏されます。

八重奏という編成になってくると、どうしてもコントラバスクラリネットなどが必要になってしまうことが多いのですが、今回見つけていただいた楽譜は、特殊管はE♭クラリネットとバスクラリネットのみ。

ありがたい編曲です。

ただ、残念ながら本日の参加者は、ご都合が合わない方が複数いらっしゃったため、B♭クラリネット4名とバスクラリネット1名の5名となってしまいました。

しかも、上のパート(1st)が1名と、下のパート(4th・5th・6th・Bass)が4名というバランス。

主に伴奏を担当しているパートが充実していますので、今日は伴奏力強化に努めていきましょう。

演奏曲は、B.バルトーク作曲『ルーマニア民族舞曲』です。(曲名は「民族」と「民俗」のどちらも表記がありますが、今回は「民族」に統一します)

各国民の音楽性のルーツは民族舞曲にあり!?

今回演奏する『ルーマニア民族舞曲』を作曲したバルトークは、ハンガリーの作曲家です。

当時、ルーマニアはハンガリー王国の一部で、民俗音楽研究の第一人者だったバルトークが、ルーマニアの民謡の多様性に興味を持ち、採集を行って作ったのが、この『ルーマニア民族舞曲』だそうです。

『ルーマニア民族舞曲』は6曲から成るのですが、確かにバラエティーに富んでいます。

しかし、どの曲にも共通して言えるのが「熱さ」です。

私の大学時代の恩師はハンガリー人なので、せっかくだからと、この『ルーマニア民族舞曲』を含め、ハンガリー由来の曲を何曲か教えていただきましたが、レッスンで一通り通したあとの第一声は、必ず

「Passion and energy!!」

そして先生は常にパワフル。

「なんなんだ…この先生の熱さは…」と、ずっと疑問に思っていましたが、実際にハンガリーに行って、民族舞踊が織り込まれたバレエを観て激しく納得。

踊りがとにかく熱い!!

女性は、回るときれいに広がるスカートをはいて、クルクルクルクル。
男性は足をドンドン、手に持った棒をダンダン。

「あぁ、血が違うんだ」と、妙に合点が行きました。
(日本人とハンガリー人は、ルーツは同じはずなんですけど)

一方、日本の民族舞踊といえば、足をあまり上げずに踊るものがほとんどで(なんならすり足)、手の動きが主ですね。

この楚々とした動きが当たり前の私達と、クルクルドンドンが魂レベルで刷り込まれている中欧・東欧の方々。

音楽(ひいては日常)の熱さが違って当然だなぁと思うのです。

だからと言って、私達に熱い音楽が演奏できないわけではありません。

さすがに生で観る機会はそうそうないと思いますが、今はいろいろな動画も簡単に目にすることができますので、「踊りの熱さ」にたくさん触れてから、民族舞曲の練習に取り組んでみましょう。

民族舞曲をよりかっこよく聴かせるためのコツ

民族舞曲をかっこよく聞かせるために練習する上級者アンサンブルメンバー

今回演奏している、ルーマニアやハンガリーなどの曲をかっこよく吹くための一番のコツは、アクセントにあります。

先程お話した「足をドン」「棒をダン」がアクセントにより表現されていますので、強さと重さを兼ね備えた音を鳴らしましょう。

特に、伴奏がどう演奏するかで、曲の締まりが大きく左右されますので、担当している人はどこにアクセントがつくのかを的確に把握し(書いていないことも多いです)、表現するようにして下さい。

2拍子の1拍目(小節のあたま)が強いこともあれば、各拍の裏に重さが来ることもあります。

間違えた位置にアクセントをつけたり、うっかり忘れたりすると途端に不安定になるだけではなく、「らしさ」が失われますので、くれぐれも注意深く演奏するようにしましょう。

また、テンポ感も重要です。

日本のように、基本的にずっと同じゆったりめの速さで踊る踊りと違い、「4拍で加速・4拍で減速(2拍子の2小節単位)」を繰り返すダンスであったり、短いフレーズごとにどんどん速くなっていったり、一定のテンポで進んでいかない曲が、多くあります。

それを杓子定規に吹いてしまうと、全くおもしろくありません。

ただ、これらの変化も、楽譜にわざわざ書かれていないことが多く(特に小さな変わり方のもの)、奏者の経験や知識に左右される部分になりますので、数多くの民族舞踊を見て・聴いて、感覚として身につけることが必要です。

一方、ゆっくりとした同じ速さで、下に重心を落として踊るような曲もありますので(軽やかさがない)、そのような曲は全体的に少しひきずっているような表現が求められます。

やはりこれも、映像や音源から、イメージを膨らませて演奏するようにしましょう。

各曲の特徴をしっかり掴もう

民族舞曲をかっこよく聞かせるために練習する上級者アンサンブルメンバー

中欧・東欧の民族舞踊は、とにかく疾走感があるもの、遅いテンポで重々しいもの、細かく速さの変化があるもの、なんだかうにょうにょとしたメロディーの不思議な曲など、実に様々です。

なにせ「兵隊さん募集の踊り」があったり、「納屋の中で暴れまくってる踊り」があったりしますので、日本の「どの曲もある程度同じ雰囲気」という踊りとは、大きく異なります。

それぞれの曲の特徴を掴み、それを表現するにはどうしたらいいかを考え、「楽譜にないからやらない」ではなく、加速・減速を自由に操って、「これぞ中欧・東欧の民族舞踊!」という演奏を目指していきましょう。

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