歯切れの良さを表現するための吹き方のコツ

本日は上級者アンサンブルが開催されました。
前回が10月の最終週だったので、2週間しか空いていませんが、それぞれ練習してきて下さったと思いますので、より良い仕上げのために頑張っていきましょう。
さて、前回からメンバーが増えたのですが、本日はお二人お休みで、「講師が通し練習に参加しても、五重奏にならないですね…」と、別の曲をやることも検討していたのですが、長くお休みになっていた方が、嬉しいことにちょうど戻ってきて下さることになりました。
そんなわけで、今日も予定通り発表会での演奏曲を、B♭クラリネット3名・バスクラリネット1名の計4名で練習していきましょう。(通しの時だけ講師も参加)
今回も演奏曲は、J.バーンズ作曲『アルヴァマー序曲』です。
今日の課題の設定
前回、上級者アンサンブルでは、最後の通し演奏の際に録音をしましたね。
録音は、して満足するのではなく、しっかり確認して、次の練習・演奏に役立てることが大切です。
自分達の演奏を聴くのは、少し恥ずかしいかもしれませんが、客観的にどのように演奏しているかを聴くことは、仕上げの精度を上げるためには欠かせません。
また、それぞれが気になったところを挙げ、その日のアンサンブルの課題を決めて取り組めば、より有意義な時間を過ごせます。
今回は、「歯切れが悪かったのが気になった」との声がありましたので、その部分に重点を置いて練習していきましょう。
歯切れの良さを表現するための吹き方のコツ

『アルヴァマー序曲』には特に、同じ音の八分音符が連続した伴奏があり、その吹き方次第で曲の聞こえ方が変わる、という箇所が、多々あります。

この部分の吹き方が、今回の課題の「歯切れの良さ」を大きく左右します。
小節の最初の音にはスタッカート、タイの音にはテヌートがついていますね。
また、その他の音は先月の課題のノンレガートです。
まず第一に、これらのアーティキュレーションを、きちんと求められている通りに吹くことで、歯切れの良さが生まれます。
中でも、ノンレガートを上手に吹く(きちんと次の音との間を空ける)ということが、大切なポイントです。
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また、息が弱くなると音の輪郭がぼやけてしまいますので、ピアノやメゾピアノなどの音量が求められていたとしても、音量を下げるのに息を遅くしてしまわないようにしましょう。
くっきりしていない音では、歯切れの良さから遠ざかってしまうのは、想像がつきますね。
「音量を下げた時に、どんな音になっているのかよくわからない」という時は、まずは吹きやすい大きめの音量で吹いてから、徐々に下げてみましょう。
比べるものがあれば、息のスピードの変化による音色の違いがわかりやすくなるので、「弱い音でも粒がはっきりした音で吹けているか」というのが掴めるようになります。
アーティキュレーションの正確さと、息のスピードをきちんとキープして吹くことで、歯切れの良い伴奏を継続できるようにしていきましょう。
吹きやすいテンポと聴きたいテンポの折り合いをつけよう

こちらのクラスは、いつ発表会が来てもいいくらいの演奏をされてはいますが、まだ落ち着いたテンポで吹かれているな、という印象です。
この曲は、元々すごく速い曲というわけではありませんが、よく知られている曲なこともあり、みんなが聴きやすいテンポ・聴いていて心地よいテンポというものがあります。
「指が回らないと困るから」「バラバラになったら嫌だから」など、ついつい守りに入ってしまいますので、「自分がこの曲を聴くとしたら、どれくらいのテンポで聴きたいか」という点に気をつけて、仕上げていきましょう。
さらにピシッと締まりのある演奏を期待しています。