吹奏楽の定番『第一組曲』をクラアンで吹こう
本日は上級者アンサンブルが開催されました。
2月の発表会では、貫禄の演奏を聴かせてくれたこちらのアンサンブルの皆さん。
本番前のリハーサルでも、他のクラスは綿密に計画を立てて時間を使っていく中、「やれるところまでやりましょ~!」と、余裕のある進め方をされていて、「さすがだなぁ」と袖で拝見していました。
「(私達はそんなふうに思っていないので)上級と呼ばないで下さい!」と事あるごとにおっしゃる皆さんですが、これからも素晴らしいアンサンブルを楽しみにしています!
さて、次回発表会も、前回同様6名の方がご参加下さるとのことで、今日からはE♭クラリネット・B♭クラリネット3名・アルトクラリネット・バスクラリネットという編成で、アンサンブルをしていきます。
演奏曲は、G.ホルスト作曲『吹奏楽のための第一組曲(クラリネット五重奏版)』です。
吹奏楽曲をクラリネットアンサンブルで吹く大変さ
最近は、どんどんいろんなアレンジのアンサンブル譜が出版されているので、原曲が吹奏楽曲の楽譜も多くなってきました。
東京クラリネット教室のアンサンブルクラスでも、『アルメニアンダンス・パート1』『エル・カミーノ・レアル』『アルヴァマー序曲』『たなばた』などなど、「以前部活や楽団で吹いた懐かしい曲」に挑戦していただいたことがあります。
耳馴染みのある曲で取り組みやすい一方、「吹奏楽→小編成アンサンブル」の編曲ものならではの大変さというものがあります。
それは、ほぼ吹きっぱなしになってしまう点。
なにせ吹奏楽というのは楽器も、パートも多いので(音が重なっていることも多々ありますが)、それを5本のクラリネットで吹こうとすると、長い休みがなくなってしまうのです。
また、次々に担当しているパートが変わることもあり、それを吹き分ける(気持ちを切り替える)ことも、なかなか難しく、大変な部分でしょう。
「この曲、吹奏楽でやってて楽しかった!だからクラアンでもやりたい!」と思った時は、ぜひチャレンジしていただきたいと思いますが、「こんなはずじゃなかった…」と思ってしまうことがないように、あらかじめ「どうやら、吹奏楽曲をアンサンブルでやるのは大変っぽいぞ」と覚悟して臨んで下さいね。
吹奏楽の定番『第一組曲』をクラアンで吹こう
部活や楽団などで吹奏楽をやってきて、『吹奏楽のための第一組曲』を吹いたことがある方は多いと思います。
私は『吹奏楽のための第二組曲』も演奏したことがあるので、たびたび「この楽章って、どっちのだっけ…」と混乱していますが、2曲とも定番曲ですよね。
そんな『第一組曲』が、クラリネット五重奏に編曲され、楽譜が出ているのですが、今回使っている楽譜は五重奏にはめずらしく、E♭クラリネット・アルトクラリネット・バスクラリネットの三種類の特殊管が使われています。(多くの五重奏で使われるのはバスクラリネットのみ。たまにE♭クラがあることも)
アルトクラリネットは、音域的にはB♭管とバスクラリネットでカバーできるため、なくても大丈夫なように曲を作れるのですが、今回は吹奏楽曲ということで、中音域~低音域を担当するパートがほしくて、アルトクラが加わっているのではないかと思われます。
アルトは音色が独特なので、クラリネットアンサンブルに入ると、色彩が豊かになることも、もしかしたら理由かもしれませんね。
さて、『吹奏楽のための第一組曲』をクラリネットアンサンブルで吹くにあたって、特に注意した方が良いことが
- 縦の線をきっちりと揃えて演奏する
- 自分が吹いているパートが本来何の楽器が担当しているか知る
の2点です。
どんな曲を演奏していても、当たり前なことではあるのですが、イギリスものは「やりすぎかも?」と思うくらい縦の線(各々が演奏するタイミング)をぴしっと揃えることで、その曲が持つ良さが際立ちます。(ホルストはイギリスの作曲家です)
また、吹奏楽から編曲されたアンサンブルですので、「このメロディーはトランペットだな」「私が吹いている対旋律はユーフォニアムか」などを意識して演奏しましょう。
もちろん、いちいち音色を変えることはできませんが、その楽器の持つ音のイメージを持てるかどうかで、のびやかさや華やかさ、しっとりした響きなどを表現することは可能になります。
音源を聴きすぎることもよくありませんが、自分が担当している楽譜を見ながら、吹奏楽版の『第一組曲』を聴いてみて、元の楽器をメモしておくと良いですね。
5パートとは思えない演奏を目指そう
この曲を吹いたことがない、という方もいらっしゃいましたが、そこまで音数の多い楽曲ではないので、初見でもある程度形になりましたね。
今後は、「え、5パートしかないの?」と聴いている人が思うような、厚みのある演奏を目指していきましょう。
久しぶりの吹奏楽曲、仕上がりを楽しみにしています。