バラバラなアンサンブルをまとめるためには
2024年5月4日、今年第5回目の中級者アンサンブル・チームぞうさんが開催されました。
今年は、大型連休というほどの連休ではありませんが、とはいえ「ゴールデンウィーク」と世間では言われている期間。
今日のアンサンブル会場の最寄り駅周辺でも、GW中は大規模な音楽祭が開催されていたりして、街なかはワイワイしています。
天気も良いですし、街の賑やかさが今やっている曲とほんのちょこっとだけ通ずる部分もありそうですので、ウキウキした気持ちで演奏していきましょう。
今回も発表会出演予定のB♭クラリネット3名と、バスクラリネット1名の計4名で合わせていきます。
演奏曲はイギリス民謡『スカボロー・フェアー』とジーツィンスキー作曲『ウィーン、我が夢の街』です。
それぞれの曲想をしっかり出そう
今回の演奏曲は、『スカボロー・フェアー』が4分の3拍子と8分の9拍子、『ウィーン、我が夢の街』が8分の6拍子です。
なんとなく拍子に共通点がありそうではありますが、曲の雰囲気には結構な違いがあります。
なにせ、片やイギリスで生まれた切ないメロディーの曲、もう一方はウィーンの華々しさをぎゅっとまとめた、明るさあふれる曲です。
各拍子の持つ曲想というのも当然あるのですが、今回の2曲についてはひとくくりにするのは良くなさそうですので(そもそも拍子自体完全に同じではありませんね)、しっかりとそれぞれの曲で表現すべき音楽を考え、聴いている人に情景が伝わるような演奏を目指していきましょう。
バラバラなアンサンブルをまとめるためには
今演奏している2曲は、どちらも「聴いているより、吹く方が難しい」という曲ですが、特に『ウィーン、我が夢の街』に関しては、その点について痛感されているのではないかと思います。
皆さんそれぞれ頑張ってご自分のパートを演奏されていますが、本日のクラス最初の通しでは、バラバラな印象でした。
私がよく言う「同じ曲を同じタイミングで吹いているだけ」という状態ですね。
人と合わせる時には、自分以外のパートをきちんと聴くことが大切ですが、それだけでクリアできるほど簡単な話ではありません。
- 自分が担当しているパートを含めた全てのパートがどんなことをやっているのか
- 各パートの役割の理解
- 自分のパートとの関係性
などを知り、考えながら演奏することが、まとまりのある演奏には不可欠です。
「他のパートを聴く」ことから、もっと先のもっと深い部分ですね。
アンサンブルというのは、ただ周囲を聴いているだけで勝手にまとまってくれるというような、単純なものではありませんので、四重奏なのであれば4パート全部を理解し、気を配って演奏することが必要です。
「常に全てのパートを把握!」というのは無理でも、「自分のパートを吹くのに一生懸命で~」というところからは一刻も早く抜け出し、周りとしっかり関わった演奏をしていきましょう。
「曲をみんなで作り上げている感覚」を持とう
アンサンブルというのは、パーツをそれぞれが持ち寄り、「はい、これ私の担当分」と差し出すだけでは、良いものにはなりません。
それらを組み立てる作業が必要なわけで、その組み立てがアンサンブルの醍醐味でもあります。
下準備として自分がやるべきこと、いざ合わせている時に気にかける点など、なるべく言語化してみて、いつでも意識できるようにしておき、「みんなで一緒に吹くのは楽しいね」から「みんなで曲を作り上げるのって楽しいね」にステップアップしていきましょう。