アンサンブルに必要な「周りを聴く」とは

2022年12月19日、今年12回目の初級者アンサンブルが行われました。
どのクラスも、人数が増えてきて嬉しい限りですが、そうなるとなかなか難しいのが、全員集合。
特に初級者アンサンブルは、開催が平日なこともあり、急なご予定が入ってしまうことが多いように思います。
本日も、当初は全員ご参加いただける予定でしたが、急遽お二人お休みとなってしまいましたので、B♭クラリネット5名で合わせていきます。(欠けているパートがあるので、通しの時だけ講師も参加)
演奏曲は引き続き、アイルランド民謡『ロンドンデリーの歌』と久石譲作曲『人生のメリーゴーランド』です。
個人での練習時に気をつけておくこと
今回も、最初に通しての合わせを行ったのですが、正直「こんなにずれちゃうか!」というくらい、バラバラな演奏となってしまいました。
それぞれが、くせのある演奏をしている(一定のテンポで吹けていない)というのが、一番の原因です。
苦手な部分は、人によっては嫌だからさっと通過したくて速くなりますし、どうにか指を動かそうと頑張った結果、遅くなってしまうこともあります。
一方、得意なところは、得意だからこそ速くなったり、気持ち良く吹いてしまって遅くなる場合もあるのです。
これらを解消するための第一歩は、「自分がどういうタイプなのか知る」ことです。
前に行くのか、引っ張ってしまうのか、また、得手不得手でそれがどう違うのかを、自分自身把握しておきましょう。
また、個人練習をする時には、
- 必ず、メロディーパートや、他のパートとのやりとりを想像する
- 拍子の「1」を意識する
という点を、常に気にかけておくことが大切です。
他のパートが頭にきちんと入っていれば、大きくずれてしまうことはないはずですし、「1」を見失わずにいられたら、絶対にバラけません。
皆で合わせる時に、急にやろうとしてもできませんので、普段からアンサンブルすることを想定した練習をしておくようにしましょう。
アンサンブルに必要な「周りを聴く」とは

アンサンブルで必要不可欠なことは、「周りを聴く」ことです。
よく言われることなので、ご存知の方も多いと思いますが、気をつけなければならないのは、「聞こえている」と「聴けている」は全く違う、ということです。
一緒に吹いているので、他のパートの音が聞こえてくるのは当然で、それを「聴いている・聴けている」と思ってしまってはいけません。
自分以外のパートとの関わりを考えながら、音を聴き、タイミングを計り、しっかりとやりとりをしていくことで、やっと「聴けている」と言っていい状態になります。
また、「聴いてから動く」のでは、明らかにずれてしまいますので、それもまた違います。
同時に動くために周囲の音を聴いているわけですので、一歩引いた「聴く」になってしまわぬよう、常に気を張って合わせていくようにしましょう。
身につけた感覚をキープしよう

最初の通しでは、バラバラになってしまいましたが、最後に録音した際は見違えるように良くなりましたね。
各自が一生懸命練習してきたからこそのバラバラだったのですが、月1回のアンサンブルですので、個人練習で一度違う方向へ進んでしまうと、修正が大変になってしまいます。
本日締めの演奏での「合った感覚」というのを覚えておきながら、録音をうまく活用して、年明けのアンサンブルクラスでは今回最後の演奏状態からスタートできるように、上手に練習を進めておいて下さいね。